カモンバVSアナカリス!金魚に最適なおすすめの水草はどっち!?
金魚の水槽がちょっと寂しいと思ったときに、ひとつ入れるだけで景観が大きく変わるのが水草です。
赤い金魚との色合いも良く、水槽には入れる方が多いですね。
水草水槽やアクアテラリウム人気で、僕の勤めていたショップでも売り上げの4割程度は水草でした。
ホームセンターで取り扱っている水草といえば「カモンバ」と「アナカリス」ですね。
この2つは「金魚草」や「金魚藻」と言われるほど金魚の水槽には定番の水草です。
見た目の好みもありますが、どっちがいいのか迷ってしまうと言うこともしばしば。
今回は金魚に適した水草はどちらなのか比較してみましょう!
金魚に水草は必要なの?
絶対に必要ではありませんが、水草を入れることによって様々なメリットがあります。
酸素を発生させる
金魚も生きるために酸素が必要です。
水草も植物なので、陸上の草木と同じく酸素を発生させます。
特に小さな金魚を小さな水槽で飼いたい場合は水草を入れてあげるよう強くおすすめしています。
ただ誤解しないで欲しいのが、水草を入れていればカンペキというわけではなく、あくまで発生させているだけです。
水草が供給できる酸素は微量ですし、光が十分でない環境では植物は逆に二酸化炭素を排出します。
かならず、水流を作るブクブク(エアレーション)やろ過装置を取り付けましょう。
水質をよくしてくれる
水のなかには、アンモニアや亜硝酸、硝酸塩などどうしても魚に毒になる物質が発生してしまいます。
アンモニアと亜硝酸はバクテリアが徐々に処理してくれますが、金魚を飼育する環境だと硝酸塩を食べるバクテリアは増えてくれません。
硝酸塩が多い水槽はコケの発生がひどくなったり、最悪魚を弱らせて病気を誘発することもあります。
このため、通常は水換えで硝酸塩を除去していきます。
多くの水草はこの硝酸塩を吸い取って栄養にすることができるので、硝酸塩濃度を下げる働きがあります。
こちらも過度な期待は厳禁ですが、水草を十分に入れた水槽と全くない水槽ではコケの発生率は結構変わるのでおすすめですよ!
金魚のごはんにも!
金魚は雑食性で大飯食いです。
植物食性も強く、水草も良く食べてくれます。
通常だと水草を食い荒らされてしまうと水槽の景観を乱してしまいますし、栄養も偏ってしまうので金魚の餌をおすすめしますが、お出かけでしばらく家を留守にする場合の非常食に水草がおすすめです。
カモンバ(カボンバ)ってどんな水草?
一束300円ぐらいで、熱帯魚ショップはもちろんホームセンターや一部生花店でも扱われています。
フワフワとした見た目でかわいらしく、人気も高い水草ですね。
pHも水道水で十分対応できる範囲(pH6~7.5)ですし、水温も常温(20度前後)で育成できます。
通常地面に根を生やした幹から枝を生やす形で自生していますが、販売されているものだと枝の部分を刈り取って枝を束ねて販売されています。
水が綺麗で流れが穏やかな池や小川に自生している場合もあるので、状態がよければ採取してくるのもよいでしょう。
アナカリス(オオカナダモ)ってどんな水草?
こちらもカモンバと並んで一般的な水草です。
値段も同じぐらいで300円程度、束になって売っています。
pH、水温共に広い適している範囲が広く、水槽内での育成に向いています。
自然ではひとつの根から枝が広がり、枝から更に枝が生えている形で自生しています。
カモンバと同じく、こちらも枝を刈り取って束ねて販売されています。
川や池でよく自生していることがあるので刈り取って水槽に入れることも可能ですが、汚い水でも生息できる水草なのでなるべく魚が生息していそうな綺麗な川からとってきましょう。
用途を考えてこの2つを比較してみましょう。
長持ちするのはどっち?
せっかく買った水草なら、なるべく長持ちさせたいところです。
カボンバとアナカリスを比較すると、長持ちするのは圧倒的にアナカリスです!
アナカリスは、太目の茎に5mm程度の短い葉がびっしり生えていますよね。
このため葉が落ちて枯れる確率が低く、長持ちします。
また生命力が非常に高いため、新しく枝分かれして茎が増えていきます。
先端が5cm程度残っていればそこから新しく茎が生えて伸びていくこともあるので、短く切れてしまった場合も捨てずにとっておきましょう。
金魚が食べやすいのはどっち?
金魚は水草を良く食べてくれるのは前述したとおりです。
金魚が喜んで食べるからと水草を入れる方も多いですね。
両方金魚は食べますが、より食べやすいのはカモンバです!
カモンバは茎からフサフサした葉を生やしていますが、この葉が取れやすいので金魚が喜んで吸い付いて食べます。
茎の部分もくわえますが、金魚は口の中に人間のような歯がないので噛み切れず吐き出してしまいます。
なので茎だけ残ってしまうことが多いですね。
アナカリスも食べないわけではありませんが、噛み切りにくいのであまり積極的に食べようとはしません。
食い意地の張った金魚だと、細かい葉をちぎって食べることもあります。
長持ちさせるならアナカリス!餌代わりならカモンバ!
というわけで、比較項目が少なかったこともあり1対1の引き分け!
状況によって使い分けるのがおすすめです。
水槽の景観を良くしたい、またはなるべくエアレーションなどを使いたくないと言った場合には丈夫で長持ちのアナカリスを。
金魚の餌としても使いたいと言った場合にはカモンバがおすすめです。
カモンバ、アナカリス以外におすすめの水草は?
金魚にはカモンバ、アナカリスが一般的ですが、販売されている水草はもっともっと多いです。
他に金魚におすすめの水草にはどんなものがあるのでしょうか。
マツモ
一般的にはメダカの産卵用としておなじみですが、もちろん金魚にも使用できます。
パッと見はカモンバに似ている水草ですね。
日本にも普通に自生している水草ですが、綺麗なものを見つけるのは難しいかもしれません。
水質的にも育成しやすいですし、丈夫なので金魚にも適しています。
カモンバと同じく金魚に食べられやすい水草でもあります。
国産無農薬も多いので金魚に食べさせる目的なら安心ですね。
ホテイアオイ(ホテイ草)
睡蓮鉢に浮かせることでもおなじみのホテイアオイですが、金魚にもおすすめの水草です。
ころっとした見た目でかわいい浮き草で、こちらもメダカの産卵用にも使われています。
葉が水上に出ているので餌には適さないですが、水面を覆えば日光をさえぎってコケが生えるのを防いでくれますし、水中から養分を吸収するので水質浄化にも役立つとされています。
日光と水中の養分が十分であれば子株を増やしていく丈夫な水草でもあるので、おすすめな水草のひとつです。
ミジンコウキクサ
こちらも浮き草のひとつで、名前の通りミジンコのように小さな浮き草です。
日本にも自生しているので、池や沼を覆っている姿を見たことがあるかもしれません。
これは金魚の餌として販売されている場合が多いです。
実際金魚もよく食べてくれますね。
ただし、日光が良く当たる環境や、水に養分が多い環境では爆発的に増えて景観を崩すので注意しましょう。
このように、カモンバやアナカリスだけでなく、様々な水草が金魚向けとして販売されています。
ホームセンターだけでなく、ぜひ機会があれば本格的な熱帯魚屋さんにも足を運んで水草を吟味してみてくださいね!