【プロが教える】モコモコこんもり!繁殖に向けてベタの泡巣を立派に作らせる方法は?
現在繁殖にトライ中。
試す中でこっちのほうがいいかも?と思うことは随時追記しています。
2019年3月8日追記
「あれ?泡が付いている」
ベタを飼っていると、水槽のふちに泡が付いているのを見つけることがあると思います。
これ、実はベタが作った「泡巣」と呼ばれるもの。
昨日連れて来たクラウンテールベタもさっそくこんもりと泡巣を作っていますね。
ショップではやる気なしの引きこもりくんだったんですが、環境を整えてあげればここまで立派な泡巣を1日で作り上げてくれます。
これまで数百匹の繁殖に成功させている私が、ベタのブリードの最重要ポイントを語るならまずこの「泡巣」をあげるでしょう。
繁殖目的でなくても、ベタの健康のバロメーターにもなります。
というわけで今回は昨日に引き続きベタのお話。
泡巣の意味や作らせる方法まで優しく解説していきます。
泡巣はベタの産卵床
ベタは美しい見た目だけでなく、産卵する姿までもが美しいと人気の熱帯魚です。
オスがメスを抱きかかえて産卵させる姿は愛情すら感じますね。
このベタの繁殖に必要なのが泡巣です。
産み落とした卵は親がつど拾い上げて泡巣にくっつけていきます。
泡巣が十分でなくても繁殖しますが、泡巣が立派であるほど孵化する稚魚の数は多くなります。
泡巣が薄いと卵が底に落ちてしまい、オスがそれを拾い上げてくるので卵が痛みやすくなってしまうようです。
泡巣はオスのテリトリーでもあるので、環境に良くなじんでいれば泡巣も立派に作ってくれます。
水質がおかしい場合は全くと言っていいほど作ってくれません。
感情がわかりやすい魚だからか、水換えなどでこの泡巣がなくなるとあからさまに悲しんでいます。
元々泡巣があった場所をうろうろして泡巣を探す姿はちょっと気の毒です。
なるべく泡巣を崩さない管理をしてあげてくださいね
まさに水の泡。作らせ方にはコツがある!
この泡巣、丈夫に見えて所詮水の泡で、かんたんに崩れてしまいます。
しかし繁殖には必須です。
泡巣を作らせるのもブリーダーの腕の見せ所で、秘密の技がたくさん・・・!
というほどではありませんが、泡巣を作らせる方法や作りやすい水、泡巣を壊さないためのアイテムなどなどがあります。
今回は僕が経験から得た方法を大公開しちゃいます!
特にベタでお金を稼いでいるわけではないので、おしみなく全部紹介してみます。
まず基本的な飼育環境を整えるのが第一
ベタは顔を見てわかるとおりワガママなので(?)、体調がよくないと絶対に泡巣を作りません。
餌、pH、水温、どれを欠いてもへそを曲げて泡巣を作りません。
なので、まずはこれらの環境を整えてあげましょう
ベタに適した餌
ベタはヒレを健康に保つため、たんぱく質が高い餌をおすすめします。
繁殖固体に関しては推さないうちからたんぱく質を重視した餌を与えることでヒレに厚みが生まれ、ドレスのような質感が生まれます。(血統やトレーニングも重要ですが)
たんぱく質を重視した餌というと難しく感じますが、一般的なベタ用の餌でも必要な量は含まれています。
商品名を挙げるなら、入手しやすいところだと「ひかりベタシリーズ」がおすすめです。
特にこだわりは無いんですが、この餌は単純によく食べてくれます。
海外だと高級品扱いされるほど。いうて日本で言えば数百円の安い餌です。
数匹買うぐらいであればこういった食い付きがよく入手しやすいものでも十分です。
心配であれば定期的に冷凍赤虫や活イトメも与えるといいでしょう。
消化不良でふん詰まりを起こしやすいので、乾燥は避けています。
冷凍赤虫はなるべくカットしてあげてくださいね。
赤虫やイトメを与えると消化不良が起こりやすいので、僕は「おとひめ」を使ってたんぱく質を与えています。
各種魚の稚魚にベストだとおすすめしてもらって使っていましたが、栄養もばっちりで食いつきも一番いいので成魚にも愛用しています。
ただし、小袋が入手できるならおすすめしますが、通常の袋売りだと2kgからなのでおすすめしません。
ベタに適したph
なんかちょっと心霊写真チックになっちゃいましたね。
ベタは幅広い水質に適応しますが、泡巣だけを重視するなら弱酸性がおすすめです。
実際には弱酸性というより「ブラックウォーター」が良いです。
ブラックウォーターは写真のように流木や落ち葉からタンニンなどが染み出し、濃い茶色になっている水のことです。
この水槽はあく抜き中の流木水槽の水です。真っ黒ですけど透き通っていますよね。
どういう原理かは正直わからないんですが、ブラックウォーターにすることで繁殖するやる気が起きることが多いです。
ブラックウォーターは性質上弱酸性の水を作ります。
ただ、pHだけを見ればベタはpHが7程度ののほうが病気も少なく調子がいいです。
これはおおくのベタの養殖場は井戸水を使っていて、その井戸水に海水が溶け出しているからだそう。
とはいえアルカリ性の水の管理は全体的に見ると難しいので、僕の場合は無理に水道水からphをいじらずに中性で飼育し、どうしても繁殖行動に入らないときだけブラックウォーターに頼っています。
ベタに適した水温
24~30度でも十分繁殖しましたが、我が家の飼育環境だと28度がベストでした。
水温が高すぎると尾ぐされが気になりますし、高温でキープする場合は水質にちょっと注意しましょう。
なにより水温の変化が悪いので、安定させてあげることが大切です。
水温の変化でみるみるうちに病気になってしまいます。
水温の変化が激しいなら、泡巣とか繁殖は一旦あきらめて水を清潔な状態に保つことを重視しましょう。
泡巣を作らせるには?
まず、泡巣を作るきっかけを作る方法について解説します。
飼育環境でもすこし触れてしまっていますが、改めて解説してみようとおもいます。
水温を高めに
これは熱帯魚全般で言えることですが、たいてい水温が安定して上がっているタイミングで繁殖しようとします。
オートヒーターだと26度設定が多いのでこれでも問題は無いです。
普段から26度のヒーターをつけていて泡巣を作らないようなら、28度ぐらいまであげてあげることで泡巣を作るようになることがあります。
泡巣を作っているけどばらけてしまう、すぐにはじけてしまうという場合は水温はそのままでOKです。
ブラックウォーターを作ってあげる
ブラックウォーターは先述したとおりタンニンなどが染み出た茶色っぽい水です。
ベタはブラックウォーターになると繁殖したくなるようで、泡巣も活発に作るようになります。
ブラックウォーターは「アンブレラリーフ」、「ヤシャブシの実」を入れることで再現できます。
とくにアンブレラリーフは泡巣の基礎にもなってくれるのでおすすめです。
ただし、先述したとおりベタはアルカリ性の水のほうが健康状態がいいです。
なので、あまり過度に酸性に傾きすぎないようにしましょう。
中性のpH7.0前後から大きく外れないように、水に色づいてきたらヤシャブシやアンブレラリーフは取り除くのがおすすめです。
塩を入れてあげる
これも因果関係が良くわからないですが、塩分濃度の高い飼育水だとベタは活発に繁殖行動に入ります。
おそらく元の生活環境に近づいて調子が上がるからでしょうか。
普段塩を入れていないなら、塩分濃度が上げることで泡巣を活発に作ることがあります。
食塩やあら塩でも大丈夫ですが、せっかくならミネラル分も補給するために海水魚用の海水の元(シーソルト)もおすすめです。
僕が入れている量は10Lに大匙1~2ぐらいです。
海水レベルに入れている方もいるようですが、あまり急に入れすぎるとかえって体力を落とすことになるので、泡巣を誘発させるならこの量でも効果が見えてきます。
おそらくワイルドベタの繁殖時期が雨が多く水質が変わるタイミングなので、そこに起因するのではと思います。
縄張りを意識させる
泡巣は自分のテリトリーだと主張する意味合いもあるようで、泡巣の近くに混泳させているエビや魚が近づくと鬼の形相で襲い掛かります。
逆に自分のテリトリーを意識させることで泡巣作りも活発になります。
一番簡単な方法は、おなじみのフレアリングですね。
鏡を見せて外敵だと勘違いさせる方法です。
ベタのヒレを綺麗に伸ばすストレッチとして行う方も多いですが、フレアリングによって外敵を意識させることで縄張り意識を持つので泡巣を作ることがあります。
フレアリングをさせた後は、狂ったように泡を泡巣にくべていく姿を良く見られるので効果が高い方法かなと思います。
泡巣が作りやすい水
よく泡巣を作ってもバラバラになってしまったり、作った泡巣が小さくなってしまうこともありますよね。
水の気泡なので、非常に繊細で割れやすいのが泡巣です。
繁殖を意識するならしっかりとした泡巣をキープする必要があります。
水流をなくす
言わずもがなせっかく作った泡巣を壊してしまっては意味がありません。
室内飼育であれば風の影響は心配ないので、問題は水流です。
すべてのフィルターは水面を揺らしてしまうので、泡巣を散らす原因になります。
水流が強すぎなければフィルターを入れること自体はいいことなのですが、泡巣を壊してしまう、弱くても水流が当たるポイントがベタ自体の負担になることからあまり推奨しません。
産卵した後は水換えが出来ないのと、水に酸素を多く取り込んだほうが孵化率がいいのでのでフィルターが必要になります。
ただ産卵後は泡巣に卵がくっついているので、なおさら崩してはいけません。
そういった場合はスポンジフィルターをなるべく弱く動かし、水槽の壁側に向かって流しています。
↓これが安くて小型なのでおすすめ
飼育水の濃度を上げる
飼育水が純粋に近いほど泡切れが良くなります。
泡巣を重視して考えるとすこし不純物があったほうが泡持ちがいいので、水の濃度を上げてあげると泡巣の持ちがよくなります。
飼育水の濃度を上げる方法は、先述したブラックウォーターにすることがひとつの方法です。
ヤシャブシやアンブレラリーフを入れれば、pHを過度に上げなくても泡巣の保ちはよくなります。
アクアセイフなどの水質調整剤でも効果があります。
アクアセイフはpHを落とす作用があるので、規定量の1/3~半分入れています。
泡巣を定着させられるものを入れる
泡巣は水槽のふちに作られることが多いですが、これはなにか基礎があったほうが泡巣がまとまりやすいから。
なので、泡巣の基礎になるものを入れてあげると泡巣が作りやすくなりますし、泡巣がまとまればベタはそこに泡を集めようとします。
市販品もありますが、水槽の環境や形に合わせて自作するのもおすすめです。
泡巣定着グッズを作ろう!
発泡スチロール
発泡スチロールは手に入れやすく、加工もしやすいのでおすすめの素材です。
適当に切り出して、真ん中に穴を開ければ完了とお手軽ですね。
見た目が安っぽくなってしまいますが、実用性は抜群です。
ボソボソになってクズが落ちるとベタが餌と間違ってしまうので、可能なら表面をかるくライターで熱して固めてあげるといいでしょう。焦がさないように注意!
エアチューブ
熱帯魚を飼っていると何かとお世話になるエアチューブ。
エアチューブを適当にカットして、ジョイントで切り口同士を接続すれば完成です!
あまり物でも作れますし、発泡スチロールのように砕ける心配もありません。
個人的にはこれを良く使っています。
まさに喜んでエアチューブの下を泳いでいますね。
水草(浮き草)
アマゾンフロッグピットやサルビニアなどの浮き草も泡巣の基礎として有効です。
ただし枯らさないように注意が必要ですし、僕のように塩分を入れる場合は使用できないので注意しましょう。
僕は通常飼育ではアマゾンフロッグピットを使用しますが、繁殖期にはエアチューブか発泡スチロールを使っています。
実はそんなに気にしなくていいよ・・・
ここまで持てる知識をひけらかしてみましたが、実際ここまでしなくても泡巣は作ってくれます。
- 成熟したオス
- 最低限の飼育環境
- 泡巣の基礎
この3つがそろっていれば十分泡巣を作ってくれます。
どうしても作ってくれないときは、またこのページを読み返して原因を潰しこんでみると良いかと思います。
ちなみに、今回紹介したポイントをすべて試したところ、3日目でこんな感じになりました。
厚みは2cm弱で、発泡スチロールの基礎が持ち上がるほど立派です。
水温27~28度
pH7.1
アンブレラリーフ投入
餌:おとひめ&活イトメ
メスは水槽内で隔離して常に見える場所に
とくにメスがいることでかなりがんばって作ってくれたみたいですね。
カラーの関係上その子と繁殖させる予定は無いですが、がんばってくれたのでこのままペアリングに入ってもいいかな?
というわけで、今回はベタの繁殖の基本となる泡巣のお話でした。
ベタに関しては飼育が簡単すぎてあまり語ることがないので、次回は繁殖したときですかね。
ちょっと遠くのお話になるかもしれません。
また飼育した魚や気になる話題があれば更新しますので、ぜひ宜しくお願いしますね!
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