【熱帯魚】イトミミズ(イトメ)の冷蔵庫を使わない飼育(キープ)方法と繁殖方法【大喜び!】
イトミミズは熱帯魚の大好物!
見た目に何があるのでぼかしましたが何の画像かわからないですね。
初心者アクアリストでも名前ぐらいは聞いたことがあるだろうイトミミズ。
イトメという名前でも販売されていますね。
乾燥したものが一般的ですが、専門店では写真のような生きたものも販売されています。
近所のお店では20g150円。
食いつき抜群で、プレコなど植物を好む生き物以外は非常によく食べてくれます。
とくに成長途中のベタにぴったりなので、我が家では常時キープしていました。
コリドラスの餌としても人気で、品質に確証がもてればレッドビーシュリンプにもベストです。
ただ、ネットを調べてみるとキープが難しいという声もありますが、個人的にはそう難しいとは感じていません。
イトミミズの栄養成分
イトミミズの栄養成分は一般的な金魚、熱帯魚の餌と比べてたんぱく質、脂質が多く、とくに活発な肉食性の強い熱帯魚に適しています。
また金魚においては、肉瘤の大きいランチュウやオランダの育成に適しています。
我が家では成長途中のベタにイトミミズを与えていましたが、いままでの配合飼料に比べて体の厚みに違いが見られました。
一方寿命の近づいた年老いたベタの場合、消化できずにふん詰まりを起こす可能性が高くなったので注意が必要です。
また生き餌はイトミミズに限らず、状態のいいときと悪いときで栄養価が変わります。
キープに手間がかかるというデメリットもあるので、本格的にキープしない場合はなるべく鮮度が落ちないうちに与えるようにしましょう。
キープは難しい?
生き餌は与えきってしまえば問題ありませんが、余ると飼育(キープ)する必要が出てきます。
イトミミズも同じでキープする必要がありますが、難しいという声がしばしば。
理由は
・酸欠に弱い
・水質悪化が激しい
この2つがよくあげられていますね。
私の勤めていたショップでは、入荷したままの発泡スチロールに穴をあけ、水道水をかけ流す形でキープしていましたが、これでも夏場は10日もすれば死んで白くなったイトメが半数をしめていました。
これはあくまで販売しやすい状態でイトミミズを生かしておく方法なので、長期キープを前提とするとまったく理にかなっていません。
が、私が管理していたもうひとつのキープ方法では年単位でキープできていました。
ことの発端は、レッドビーシュリンプの餌に活きイトメをあげたことでした。
浅い皿に入れて与えていたんですが、数匹逃げて水槽のなかで生きながらえ、なんだかんだ立ち上げなおすまで2年生きていたんです。
イトメの寿命はわかりませんが、数を見れば増えているのが明らかで、水槽のあちこちでにょろにょろされて正直ちょっと気持ち悪かったぐらい。
この経験から「もしかしてイトメって飼育(キープ)できるのでは?」と思い立ち現在の方法に行き着いたんです。
採取するのに手間がかかるので販売用としては適さない方法ですが、自宅では可能なので紹介してみようと思います。
冷蔵庫を使ったキープ方法が一般的
余ってしまったイトミミズはタッパーに入れて冷蔵庫に入れておくのが一般的なキープ方法ですよね。
これは水温を下げることで水質悪化を防ぐという意図でしょう。
ただイトミミズが死ぬ原因はダマになるからなので、この方法では徐々に死んでしまうのは避けられません。
少量短期間キープするならお手軽な方法なので、こまめに買いにいける環境であれば冷蔵庫キープでも十分です。
冷蔵庫を使わず長期間キープできる!
実はイトミミズが酸欠に弱いというのは少し過剰なイメージです。
実際酸欠に弱いのは事実ですが、レッドビーの水槽でも生きながらえたとおり普通にエアレーションしていれば問題ないレベルです。
最も問題になるのはイトミミズがダマになってしまうことで、これによって中心に居るイトミミズが圧死したり、酸欠になるんです。
この問題を取り除いてあげれば実はキープ自体は容易です。
簡単に言えば、生息環境を再現してあげることで長期キープを実現できるんです。
イトミミズの長期飼育・キープ方法
用意するのは
- 飼育ケース(浅くてもいいので面積が広いもの)
- ソイル(砕けやすいもの。我が家ではダイソー製ソイル)
- エアレーション(ろ過機能は不要)
- 餌(詳細は別記)
以上です。
飼育ケースは量にもよりますが大きめのタッパーでもOK。
我が家ではダイソーのパン屋さんタッパーか、写真のようにガサガサになって中が見えなくなったプラケに入れています。
ベタの繁殖もいけるしパン屋さんタッパー便利。
ソイルと書きましたが、実際に必要なのはドロです。
とはいえドロを入手するのは困難なので、ソイルを潰して使用します。
ダイソー製ソイルは潰しやすいですし少量で買い易いので愛用しています。
エアレーションは本当に簡素なものでOKです。
金魚飼育セットについてくるようなエアポンプ、チューブ、ストーンのみでOK。
水作のような水中フィルターはすぐに詰まるので、使うならろ過材を取り外しておくのが吉です。
エアレーションが上手くいっていると、イトミミズは泥の中に身を隠すようになります。
逆に酸素が足りないとドロから顔を出して尻尾を振って呼吸する様子が見られます。
イトミミズの餌については、結構いろいろ食べてくれます。
ビーに使っていた冷凍ケール・ほうれん草の切れ端を投げ込んでいたこともありますし、米粉や沈下性の金魚の餌、米ぬかなど、割となんでもOKです。
というのも直接これらを食べるわけではなく、土に住む微生物や、これらを分解して生まれた微細な有機物を主に食べるらしいので、元の形はあまり関係ないようです。
実際金魚の餌を直接与えても、食いついているような様子は見られません。
米のとぎ汁を与える方法も紹介されていますが、これは水自体を大きく汚してしまうことにつながるので、有効ではありますが夏場はおすすめはしません。
セッティング、手入れ自体はとくに難しいことはありません。
- 水槽にソイルを入れる
- 少し水を加えてソイルを砕く
- 水を入れる
- 水が澄んだらイトミミズをほぐし入れてエアレーションする
- 2,3日に1回少量餌を与える
これぐらいで十分飼育できます。
水量は酸素をいきわたらせるために極力少なめで。
ただし過密飼育もいいところなので、失敗したときに水が腐りやすくなってしまいます。
自信がなければ水量を多くしてエアレーションを強くしたほうが吉です。
ソイルを砕くときは金属製のザルにいれて押しつぶすようにすると楽に潰せます。
完全にドロにする必要はありませんが、ソイルの粒が残りすぎるとイトミミズのダマが生まれやすいので、ドロと粒7:3ぐらいの比率がいいかと思います。
ドロの深さが結構重要で、入れるイトミミズの量にもよりますが、基本は3,4cm程度。
浅すぎると意味がないですし、深すぎると採取するとき大変になるので注意です。
水を張ってしばらくはドロが舞うので、落ち着くまで待ちましょう。
この舞うドロがろ過材を詰まらせるので、ろ過装置の使用はおすすめしません。
入れるイトミミズですが、ダマのままだと意味がないので、ある程度ほぐして入れるようにしましょう。
ペットボトルキャップ1杯ぶんぐらいずつ小分けにして入れれば勝手にほぐれてもぐっていきます。
餌は少量で十分です。
我が家では3Lの水量にイトミミズ100g程度入れていますが、2,3日に1回冷凍ほうれん草半分ぐらいで十分キープできています。
米ぬかであれば耳かき2杯分程度。
ショップでも店の餌用にこの方法でキープしていました。
問題になるのが水温で、25度を超えると急激に腐り始めます。
売価を考えればクーラーをつけるほどではないので、クールファン等で対処するか、夏場に向けて与えきってしまいましょう。
繁殖(自家養殖)も可能
この方法で長期飼育を実現すれば繁殖も可能です。
採取せず放置した水槽だと、2ヶ月で1.5~2倍程度に増えていきます。
2週間ぐらいで小さなイトミミズが底面を這う姿が見られます。
ただ、もちろん与えていけば減っていきますし、増えていけば飼育も難しくなってくるので、自家繁殖だけですべてまかなうのは少し難しいかも知れません。
採取が少し難しい
この飼育方法の場合、問題になるのが与えるときです。
採取することを考えると、泥の中に居ると少し厄介。
十分な量がいれば、エアレーションをとめれば半日程度で小さなだまが出来上がっています。
それ以外では目の粗いザルでこし取る方法になりますが、ドロやソイルはどうしても残ってしまいますし、与えるときに飼育水槽にドロが移ってしまうことも。
気になるようなら、一度ペットボトルなど別な容器に移して軽く振ってゆすぎ、しばらく待って団子になってから与えましょう。
大量にキープしたいならやる価値あり!
少々手間がかかりますし、少量だと散ってしまい採取が大変になります。
なので、ブリーダーでイトミミズを常備しておきたい場合、もしくは入手が困難で一度に大量購入する場合はこの方法でキープしてみてくださいね。