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ベタの色は体調のバロメーター!プロが教えるベタの色が落ちてしまった、抜けてしまった場合の治療法

ベタは様々な形に加えて、きらびやかな色も魅力ですよね。

しかし、あるときベタのきれいだった色が抜けて、なんだか別人のようになってしまうことがあります。

実はこれよくあることで、ちょっとしたことで色が抜けてしまうことも少なくありません。

というわけで今回は、色が抜けてしまったベタの対処法をご紹介します。

 

 

 

 

 

ベタの色抜け・色落ちはよくあること

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こちらのベタ、一目ぼれして連れ帰ったスーパーデルタのオスです。

バンドはちょっといびつですが、ブルー・レッド・ブラックのトリカラーで価格も安く、ぜひ繁殖用にほしかった個体です。

 

水槽に入れて1週間経ち、突然色が落ちてしまいました。

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ブルーがグレーっぽく、レッドも暗くなってしまいましたね。

実はこれほとんどの場合病気ではなく、ちょっとした環境の変化でこうなってしまいます。

実際この子も元気いっぱいで、餌食いも問題ありませんでした。

今回は復活したので原因は特定できているんですが、せっかくなので色が落ちる原因について考えてみましょう。

 

 

 

 

ベタの色が落ちる原因は?

ベタの色落ちは、端的にいえば環境があっていないことが原因です。

合っていないと必ず色が抜けてしまうというわけではなく、その固体によって抜けない場合も有ります。

とくに今回のようにブルー(グリーン)系は変化がわかり易いですね。

原因になりえる環境と、その対処法を考えてみましょう。

 

 

水流が強すぎる

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ショーベタの場合、水流を極端に嫌います。

これは大きなヒレが水流を拾いやすく、流されてしまうから。

流されてしまうと空気呼吸できず、大きなストレスになります。

ベタにフィルターを使わないのはこのためで、水質変化に強いからではなく、水流のストレスを避けるためです。

 

対処:フィルターは使わないor工夫する

水をきれいに保つこと自体はベタにも理想的なので、フィルターに意味が無いとは言いません。

基本的には水換えで対応するのが理想的ですが、水質の変化にも繋がります。

もし設置したい場合は、「エアリフト式スポンジフィルター」「エアリフト式投げ込みフィルター」「エアリフト式底面フィルター」など、水流を極力弱くできるものを使用しましょう。

また排水がベタにあたることのないよう、壁に向けて流したり、仕切りを作ったりしましょう。

 

 

餌不足・栄養不足

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人間が栄養失調で顔色が悪くなるのと同じように、ベタも栄養が不足すると発色が悪くなります。

ベタの専用の餌を与えていればそこまで極端に悪くなることはありませんが、あまりに古い餌だったり、ベタ専用の餌を与えていないと色落ちの原因になります。

また小食の場合も同様に栄養不足の色落ちの可能性が出てきます。

 

対処法:餌を見直す

餌に原因がある可能性があれば、まずは餌を買い換えてみましょう。

古いものなら新しいものに、新しいものなら違うメーカーのものにしてみるといいでしょう。

餌食いが悪い場合には、生餌(なまえさ)もおすすめです。

手軽なところでいえば、冷凍赤虫や冷凍ブラインシュリンプ、ミジンコなどですね。

とくにブラインシュリンプには発色を助ける効果があるといわれているのでおすすめです。

万が一それでも食べない場合、生餌というか活き餌(いきえさ)になりますが、イトミミズが抜群の食いつきを見せます。

イトミミズが動くことでベタの興奮を誘い、発色をよくすることもあります。

本気でベタを飼うなら活きイトミミズはぜひ用意したい餌です。

これらをバランスよく与えれば、栄養が原因であれば徐々に色が戻ってくる可能性が高いです。

yasasiinettaigyosan.hatenablog.com

 

 

水温が低すぎる

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ベタの適温は28度と、比較的高めです。

このため低水温に弱く、20度付近まで落ちると色落ちすることがあります。

原産地では年中温暖な気候なのでヒーター無しでもこの水温になりますが、日本では秋~春の気温では低すぎるので、この時期に色落ちした場合には水温に原因がある可能性が高いです。

 

対処法:ヒーターを使う

水温が適温から大きく外れてしまう寒い時期は、暖かい部屋においてあげるか、ヒーターの設置などが必要になります。

ヒーターの設置は、水槽などある程度スペースのある入れ物でなければいけません。

このため、ビンなどで飼育している場合は水槽に移す必要があります。

 

もし複数飼育していてヒーターを用意できない場合は、「湯煎」のような方法で暖めてあげましょう。

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このように、水槽に水を張ってそこにヒーターを設置し、ビンもその水槽で暖めてあげる方法です。

実質の水量が多くなり、冷めにくくなるので電気代も安く済むことも多く、複数ビンで飼育している場合におすすめの方法です。

ただし、この方法は水槽の水が減りやすく、ヒーターが水から出てしまうと故障や火災の原因になるので十分な量の水を常に入れておくこと。

またヒーターから近いビンは適温以上の水温になってしまうので、ビンが直接接触しないようにヒーターにはカバーをつけ、をエアレーションや水中フィルターなどで水槽側の水を循環させてあげるのが好ましいです。

 

 

水質(pH)が合っていない

ベタは水質、とりわけpHに意外とシビアな生き物で、体調を崩さずとも色が悪くなる原因になります。

多くのお店で、「ベタはpH6前後の弱酸性の水がいい」とアナウンスされていますが、実はそうとは限りません。

ベタファームの一部では海が近いことで、地下水に海水が染み出してアルカリ性に傾いている場合があるんです。

こういったファーム出身のベタの場合、pH7~7.5程度の水が適しています。

とくにろ過のできないビンでは、餌の腐敗などで水質が酸性に傾くこともあります。

 

対処法:定期的な水換えorpH調整

日本の水道水は、平均pH7.6と中性~ややアルカリ性で維持されています。

このため、アルカリ性を好むベタの場合は水換えで適切なpHを維持することが可能です。

ただし地域によっては水道水のpHが平均から大きく離れている場合もあるので、もし水が合わない場合は、まずはpHを測定してみましょう。

中性~アルカリ性で発色が悪い場合は、まずは多くの場合で適している酸性にかたむけます。

pH調整剤もありますが、なるべく自然にpHを下げる方法として「ヤシャブシ」や「アンブレラリーフ(マジックリーフ)」の投入をおすすめします。

中性~酸性の水でも直らない場合は、アルカリ性に傾けてみましょう。

こちらもpH調整剤で対応できますが、「カキガラ」や「サンゴ砂」の投入で徐々にpHを上げることができます。

いずれも、急激にpHを変えるのではなく、徐々に上げる、徐々に下げることが重要です。

 

 

レイアウトではげてしまった

全体的にではなく一部だけ色落ちしてしまった場合、キズの可能性があります。

ビンに砂利や流木などを入れている場合、ベタが底に引っかかって体の一部を削いでしまった可能性があります。

ベタのヒレはかなり繊細なので、基本的には底材もレイアウトも入れないほうが好ましいです。

 

対処法:レイアウトを取り除き病気を予防する

まず傷を増やさないために、砂利や流木を取り除きます。

そしてその傷から水カビ病やエロモナス病などを発祥しないよう予防する必要があります。

薬剤を低濃度で入れるのも有効ですが、薬剤はベタの負担にもなります。

まずは塩浴といわれる方法で病気を予防しましょう。

 

 

フレアリング不足

因果関係はよくわからないんですが、フレアリングをあまりさせないことで発色が悪くなる場合もあります。

運動不足で血行が悪くなるのかなんなのか、落ちやすい固体はフレアリングをこまめにしてあげることで色があがってくることもあります。

ベタを買うなら2匹飼うか、鏡を用意して適度にフレアリングさせてあげましょう。

 

 

 

というわけで

ベタの色落ちにはこのような原因が考えられます。

 

上で紹介した我が家のベタの場合は、

  • 白にごりが出たのでフィルターをつけた
  • 餌食いがよくなかった
  • pHが酸性だった

この3つのポイントのどれかが原因だったようで、フィルターのない水槽に引越し、イトメと乾燥ブラインをメインに餌を与え、pH7まであげることで、ある程度色は戻っています。

 

 

このように心当たりがあるものをつぶしこんでいけば、基本的には発色が戻ってくるでしょう。

ただし遺伝的に色落ちしやすい子も存在するので、その場合は基本的に戻りません。

 

今回紹介したのは適切な飼育環境なので、もし色落ちしていなくても配慮してあげたいポイントです。

色が落ちるのは一瞬ですが、戻るのには時間がかかるので根気よく対処してあげてくださいね。

 

 

 

 

 

 

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