優しい熱帯魚さん|飼育記録から飼い方まで

熱帯魚屋さんが熱帯魚の買い方をれくちゃーするブログです

元熱帯魚ショップ店員が考える評判のいい熱帯魚ショップを選ぶ3つのポイント

いきなり悲しいお話ですが、最近管理のひどい熱帯魚屋がとても多い。

正確には、熱帯魚屋というかホームセンターなどの「熱帯魚コーナー」ですが、コケまみれ貝まみれ病気だらけ。

正直なところ、利益の取れない場合は見捨てるのもやむなしの業界です。

しかしそれを理由に見捨てるならば、利益を最大化するためロスの少ない管理は必須です。

でなければ悪い状態を放置するのはただの怠慢

魚好きからいえば、命を無碍に扱う虐待といってもいいでしょう。

運営方針など大きな力も働くため、単純にそこの管理をしている店員さんが悪いわけではないので、変に暴言を用いて罵倒するのはよくないとだけ言っておきますが、その状態にしておいていいとは思いません。

 

では逆に、いい熱帯魚屋とはどんなお店なのか。

私も元々その業界の人間なので、自分の飯の種になってくれる魚への思いやりと、買ってくれるお客さんに対する責任。ついでにいえば変なクレームをはじき返せるいい状態にしておくために意識した3つのポイントがありました。

 

どんな熱帯魚屋で魚を買えばいいのか、また、いい状態を保つために何を意識すればいいのか悩んでいるお店の管理者の方に向けて、私が重視した最低限守られているべき3か条を再確認してみようとおもいます。

 

 

第壱条:飼育の三大要素にこだわる

魚を飼育する上で、どんな種類でも考えるべき3つの要素があります。

それが

  • 水温
  • 水質

です。

雑多な熱帯魚コーナーだと、この3つどれも守られていないこともあります。

またこの1つとしておろそかにしているなら、そのお店で買うべきではないといえます。

 

水温は種類別に最適化されているか

水温は観賞魚を飼育する上でまず重視されるポイントです。

たとえば金魚なら15~25度、熱帯魚なら24~28度、海水魚は20~30度など、細かく言えば種類や生育状況によっても変わってきます。

この水温がしっかりと管理されているか。

水温が管理できていないと、病気を誘発したり、魚に負担がかかって水温自体で死んでしまうこともあります。

というのはすこし熱帯魚を飼ったことがある方なら知っていますよね。

しかしそれを重視していない熱帯魚コーナーが多いのも事実。

水温計を常設していない場合は、購入前に店員さんに水温を聞いてみるといいでしょう。

ろくに管理していなければ、すぐに答えられないはずです。

私の勤めていたショップでは、景観と管理を考えて(掬うときに邪魔になるので)水温計は常に水槽内にあるわけではなかったので、水温計がないから管理がおろそかというわけではありません。

 

 

最低限守っていなければいけないpH

水質と一口に言っても、様々な要素があります。

たとえばバクテリアの定着度合いやそれにともなう有害物質の濃度、魚に有効な成分の濃度、高度などなど、様々です。

なかでもまず注意するべきはpH。

難しくいえば水素イオン濃度を表す言葉ですが、簡単に言えば酸性かアルカリ性がを指す指標ですね。

これも酸性アルカリ性どちらがいいというわけではなく、魚の種類によります。

もしpHが適切でないとどうなるかというと、ビオレなど弱酸性石鹸でお肌に負担をかけないとうたうものがあるとおり、体表に負担がかかり病気の確立があがります。

また水は魚が体内に直接取り込むものなので、急激なpHの変化は魚を直接死に至らしめることもあります。

 

つまりは魚に適したpHを保っていないと魚が弱った状態にあるだけでなく、あなたが適切に管理している水槽に買った魚を入れたときに、魚がそのpHの変化で死んでしまう可能性すらあるということです。

お客さんに売り渡す、つまりお店は環境を変える前提で飼育するのだから、お店をやる上でpHの管理は最重要といっても過言ではありません。

 

 

適切な餌を適量与えているか

魚にはそれぞれ適切な餌があり、飼料メーカーはそれを重視して開発します。

適切な餌を長い間与えていないとどうなるか。量を食べても栄養失調になることがあります。

また観賞魚は、原種から考えて特異な体をしている場合があります。

たとえば金魚のらんちゅうやオランダなんかは、元の姿とは似ても似つかない様相ですよね。

その特異な体格を維持するために、ある程度餌の栄養成分を重視しなければならない場合があります。

体格だけでなく色をきれいに発色させるため、エビなら脱皮で失う栄養素を補給するなど適切な餌があります。

 

餌もpHと同じく、売り渡した後の問題もあります。

仮に、ベタに金魚の餌を常用していたとしましょう。金魚の餌とベタの餌はそこまで成分が違わないのでそれで死に至る可能性は低いです。

しかし、魚は獲物を覚えるので、急に本来の餌を与えても食べないことがあるんです。

これ何も知らなかったら困っちゃいますよね。

 

わざわざそんなことをするかと思いきや、割とよくある話なんです。

先日弊店間際のホームセンターで、らんちゅうにカメの餌を与えているのを見ました。

成分的には悪影響はないですし、金魚ならなんでも食べてくれるので問題ないといえばないんですが、よくはないですよね。

これも購入前に「お店で何を与えているのか」を聞いてみるといいでしょう。

 

 

 

第弐条:ショーベタの管理がまともか

私はベタ溺愛人間なので、ベタの管理がおろそかなショップはまず信用しません。

そういう私恨だけでなく、明確な理由があります。

 

ショーベタ、とりわけどこにでもいるトラディショナルタイプのベタの管理は、サルにも覚えさせればできるレベルに簡単です。

そこそこの温度の部屋なら、適度に水換えして、適度に餌をあげていれば、ほとんど死ぬことも病気になることすらもありません。

こだわればいくらでもこだわりようはありますが書き始めると日が変わるので、とりあえずそれはおいておいて。

 

じゃあなぜそれすらできない店があるのか。

単純にやる気が無いからです。

予算がない?わけないですよね。

水道代と餌代だけです。

 

時間がない?わけもないですよね。

水換えて餌あげるだけです。

 

知識がない?なくてもできますよね。

 

つまりは単純に魚に対する本気度がないんです。

管理があれほど簡単であんなに愛嬌のあるなつっこい魚をぼろぼろになるまで無視できるのは、運営元が悪いわけでもなんでもなく、担当者が魚に対する興味がないんです。

 

これもたくさんいる中の1匹や2匹なら仕入れ前の環境も影響してきますし、ちゃんとやっていても起こることがありますが、複数いるならもうダウトです。

そもそもそれを客の目に留まる場所においておく次点でドボンです。

私恨たっぷりになってしまいましたが、つまりはベタの管理もできない程度のお店の魚なんてどの魚も買うべきでないんです。

 

 

余談ですが、「管理のいいお店」と呼ばれるところでは、ベタの状態がすこぶるいいです。

まさに先日ベタを4匹買ってきたんですが、みごとに評判のいい店の固体は状態がよかったです。

色や体格はさておき、餌食いもフレアリングも愛嬌も特に評判がいいお店から買った1匹がダントツでした。

1日かけて5店舗から吟味してきたのでどれも悪くはないんですが、やっぱり評判のいいお店の個体は軍を抜いていました。

 

たとえばネオンテトラの状態なんてそこそこ目が肥えてないと判断できないですよね。

でもベタなら見たとたんにわかります。

ベタの状態はお店のバロメーターにもなるので、初めてのお店に行くなら、買わずともちらっとでもいいのでベタを観察してみることをおすすめします。

 

 

第参条:店員さんとコミュニケーションが取れる

魚は無数の種類があって、ペットとして流通するだけでも数えきれない種類がいます。

一見同じ種類でも産地やブリードかワイルドかなどでも管理方法がすこし変わったりしますし、これらの飼育方法や特徴をすべて把握するのは困難です。

 

そこで頼りになるのが、実際にその生体を管理している店員さん。

実際に管理している人はこれ以上ない情報源です。

私も含め、ショップ店員には変な人も少なくありません。

なので、まれにコミュニケーションがしにくい、好きじゃないといった店員さんがいるのも事実。

飼育方法を聞きたいだけでなく、管理状況を確認したいときにも話しかけられないのではどうしようもない。

 

なにも愛想がいい人を選べと言うわけではありません。

自分が取っつきやすくて知識がある店員さんがいるお店があなたにとって最善のお店です。

 

 

 

というわけで

もちろんこれだけではないんですが、最低限お店に守ってほしい、また、魚を買うときにお店選びで重視しているポイントでした。 

当たり前のことしか言っていませんが、あまりに管理の悪いお店を見つけてしまったので書かずにはいられませんでした。

クレームを入れても、状況がよくなるどころか無知でおろかな責任者があれこれやって悪化することもありますし、あまりクレームで自分のいいようにしようというのは好きではありません。

こういったお店を反面教師にして、せめてみなさんにはいいお店で購入してもらえれば幸いです。

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