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手間をかけるかお金をかけるか?プロが教えるレッドビーシュリンプの簡単な飼い方・育て方

近年のアクアリウムで一大ブームを築いたのが、レッドビーシュリンプです。

赤と白の日本で言えばおめでたい色で、爆発的に人気になりましたね。

ブームは落ち着いたものの、いまでも愛される小型の淡水エビです。

 

が、どうにもその飼育には癖がある。

ブームになる少し前に、私のショップでも「まぁいうてもミナミヌマエビに毛が生えた程度だろう」と思い仕入れたところ、ポツポツおちて営業的にも精神的にも疲弊した思い出があります。

 

最近では価格も落ち着き、飼育方法も確立してきました。

水槽レンタルサービスでも、待合室などにレッドビー水槽を置きたいという依頼が増え、なるべく簡単な飼育方法を模索してきました。

というわけで今回は、魅惑のレッドビーシュリンプの飼育方法について解説していきます。

 

 

 

 

 

レッドビーシュリンプとはどんな生き物?

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レッドビーシュリンプは、透明と黒のバンドを持つ「ビーシュリンプ」の色彩変異種、つまり赤を発色するビーシュリンプを固定させた改良種です。

ビーシュリンプは自然に生息しているといわれていますが、現在のところ原産地は特定されておらず、なぞに包まれています。

 

基本的な飼育環境は、ミナミヌマエビなど陸封型(淡水域で繁殖できる種類)の小型淡水エビと同じです。

しかし交配を繰り返した結果、いわばそれらの悪い部分を増幅させたような形になってしまい、とてもデリケート。

高水温により弱く、低酸素により弱く、水質変化により弱くなっています。

 

体調は2~3cm程度。

寿命は約3年です。

弱酸性~中性の水を好みます。

食性は雑食で、草食性の餌から動物性の餌まで幅広く好みます。

 

というわけで、以上の条件から適切な飼育環境を考えてみましょう!

 

 

その前に、そもそもなぜレッドビーシュリンプは飼育が難しいのか

実際の飼育方法の説明に入るまえに、そもそもなぜレッドビーシュリンプが落ちやすいのかを考えてみましょう。

ここを理解するだけで、かなり飼育が簡単になります。

 

私も恥ずかしながら、繁殖できるほど適切な環境を作り上げるまでに1年ほど試行錯誤しました。

実際には繁殖にまではこぎつけるものの、大人にならなかった。

つまり特に弱い固体では生きられない環境だったわけです。

これは一重に専門店のコマーシャルするような高級な用品を使わなくても飼育できると信じきっていたから。

結論から言えば、専門店の言うことは基本的に正しいです。

 

それはなぜか考えてみました。

簡単に言えば、レッドビーシュリンプ「過密飼育になるハードルが低すぎる」んじゃないかと思うわけです。

通常、適切な環境を作り上げた場合、ミナミヌマエビで60cm水槽なら100匹程度飼育できるぐらい丈夫です。

レッドビーシュリンプを、60cm水槽で200匹飼おうとするとかなり困難です。

 

逆に、20cmキューブに5匹程度であれば、ショップがコマーシャルするような難しい飼育方法はほとんど必要ありません。

20cmキューブに大磯砂でキープしたこともありますがまったく問題なく飼育できましたし、ネットを見ると大磯砂で繁殖した例もありますよね。

 

つまり、求められる環境がシビアすぎて、ちょっと入れすぎるとすぐに過密飼育になるんじゃないかと思い当たったわけです。

でもあんな小さいエビが4、5匹泳いでいたところで、見ていてもちょっとつまらないので多めに入れたいですよね。

そこで必要になるのが、専門店が用意するビーシュリンプ専用商品です。

これらはレッドビーシュリンプの飼育環境を最適に保てるように作られたものです。

これらを使えば、多少多く入っていようが許容範囲の環境を作り上げられるというわけです。

 

逆に、とりあえず飼育してみたいだけならそこまで難しい飼育環境は必要ありません。

ただ飼育匹数を減らせば対応できます

もし、たくさん飼いたいけど専用品はちょっとお財布的に・・・という方は、手間をかけてあげましょう。

専用品がうたう環境をほかの方法で再現してあげれば上手くいきます。

 

 

 

 レッドビーシュリンプの飼育環境

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ライトをリフトアップしているのは、蛍光灯の熱で水温を上げないためです。

 

 飼育環境自体はそこまで難しく考えなくても大丈夫です。

 今回は専用品を極力使わず、あまりコストをかけずに飼育する方法で解説していきます。

条件はとりあえず、20匹を想定して考えてみましょう。

 

レッドビーシュリンプにおすすめの水槽

 レッドビーシュリンプ

・高水温に弱い

・水質悪化に弱い

・低酸素に弱い

これらの弱点を前提に水槽を選びましょう。

 

高水温と水質悪化に関しては、ある程度水量を確保することで対応できます。

酸素飽和度に関しては、水面の広さで対応します。

 

今回の20匹を前提に考えると、おすすめなのは60cmLOWの水槽です。

60cm幅で、背の低い水槽ですね。

だいたい35Lなので水量も確保できます。

水面も広く、酸素が全体に浸透しやすいのもメリットです。

 

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レッドビーシュリンプにおすすめのフィルター

 レッドビーシュリンプに限らず、小型の淡水エビにおすすめなのはスポンジフィルターです。

 エアレーション効果もあり、強い水流もなく、エビのだす汚れならろ過能力も十分だからです。

酸欠に弱く、強い水流に弱いレッドビーにぴったりですね。

繁殖したときも、ちいさな稚エビが吸い込まれないのもメリットです。

 

あとは、可能なら底面フィルターもあるといいですね。

基本的に使う底砂がソイルになるので、目詰まり防止と、バクテリアの定着をうながすためです。

こちらもエアリフト式推奨です。

 

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レッドビーシュリンプにおすすめの底材は?

エビは足で歩くので、ベアタンクは避けたほうがいいでしょう。

また、水質調整も重要なので、適切な底材(底砂)を選ぶ必要があります。

 

まず間違いないのが「ソイル」です。

水質調整効果が高く、バクテリアの定着もしやすいです。

銘柄を指定するなら、我が家で使って一番無難だったのがマスターソイルです。

いわゆる吸着系のソイルで、弱酸性の水を作ってくれます。

底面式フィルターを使う場合はパウダー、スポンジフィルターのみならスーパーパウダーを使用します。

アマゾニア、プロジェクトソイル、シュリンプ一番、ピュアソイル、カスタムソイル、ダイソーソイルなどを使いましたが、それぞれいい所もありましたが一番失敗が少なく使いやすかったのがマスターソイルです。

 

もし、何らかの理由でどうしてもソイルを使いたくないという場合は、アルカリ性に傾けないものなら大体なんでもOKです。

この場合は、流木やヤシャブシの実などで弱酸性の水を作ってあげましょう。

水質調整剤で強制的に酸性に傾けるのはなしです。急激な水質変化に繋がります。

 

底材の厚さは、使うものにもよりますが5cm程度あるといいですね。

あまりに厚く敷くと底面フィルターを使うなら目詰まりのリスクがあがり、使わないと死水域が広くなりすぎて突然落ちることがあります。

 

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レッドビーシュリンプ向きのレイアウト

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 最低限の環境を整えたら、レイアウトしてあげましょう。

レッドビーシュリンプの水槽にレイアウトを入れるのは見た目だけでなく、環境的なメリットもあります。

エビは底面を歩きますよね。エビは平地だけでなく立体的に歩けるので、歩ける面積を広くすることによって、生息する面積を増やすことができるんです。

またエビは専用の餌だけでなく、コケやバクテリアも食べます。

面積を増やすことができれば、そこにコケが生えバクテリアが住み着き、餌を十分に確保できるメリットもあります。

というわけで、なるべく立体的なレイアウトがおすすめです。

 

レッドビーシュリンプにおすすめの水草

まず大前提として、水草は農薬を使っていないものに限定されます。

農薬というか検疫のための駆虫薬で、これがエビにも悪影響があります。

多少洗ったとことで簡単に落ちないので、必ず「エビに使っても大丈夫」という確証のあるものを選びましょう。

 

私が使っているのは、ウィローモス、アマゾンフロッグピット、マツモです。

ウィローモスはそのまま入れても問題ありませんが、管理が面倒なのでなにかしらにまきつけて使いましょう。

アマゾンフロッグピットは浮いていてどんどん増えてくれるので、日光を遮断して水温の上昇を防ぎ、水中のリンや窒素などを吸収するので日光をさえぎる効果と合わさってコケが生えすぎるのを防いでくれます。

マツモはどんどん伸びてくれるので、エビがつかめるスペースを増やしてくれます。

 

流木・石もおすすめ

流木や石を入れるレイアウトも、レッドビーには様々なメリットがあります。

 

まず流木は足場や隠れ家になるだけでなく、水質を弱酸性へゆるやかに調整してくれます。

レッドビーは弱酸性の水質を好むので、ぜひ入れたいレイアウトです。

 

石については、水質を過度に変えないものに限定されます。

種類によっては、急激にアルカリ性に傾けてしまうことがあるので注意しましょう。

ゆるやかにアルカリ性に傾けるものは通常の飼育ではほとんど影響がないので、心配であれば木酢液などで処理して入れてあげるのがおすすめです。

さて石のメリットですが、水の硬度を上げてくれることにあります。

エビは脱皮するので、代謝の激しい生き物です。

このためミネラルなども重要になりますが、そのミネラルの一部を石が補ってくれるのです。

ビーシュリンプ用のソイルなどであればこの部分も加味して開発されているものもありますが、今回紹介したマスターソイルだとこの効果が少ないです。

今回紹介したようにシンプルに飼育するなら、石を入れて硬度を上げてあげるのも有効です。

 

 

レッドビーシュリンプの飼育管理

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環境を整えたら、実際にエビを入れてあげましょう。

水あわせに関しては、お店の水とpHを極力近づけて、慎重水あわせしてあげましょう。

 

その後の管理ですが、ほかの魚とはちょっと違ってきます。

 

レッドビーシュリンプの餌やりと餌の種類

まず餌に関してですが、ほかの魚と意識するところが違います。

 

まずなにより重視するのがあげすぎないこと。

餌をあげすぎるとたちまち水が汚れ、エビにダメージを与えます。

このため、少ないぐらいでやめておきましょう。

大きい粒をそのまま与えるのも食べ残す原因なので、大きい粒なら荒塩サイズまで砕いてあげたほうがいいでしょう。

 

餌の種類は、様々なものを食べます。

・エビ用の餌

・ケール・ホウレンソウ

・生き物の死骸

・イトミミズ

・赤虫

などなど。

 

ケールやホウレンソウはスーパーに並んでいるものは避けましょう。

残留農薬がエビにダメージを与える場合があります。

 

生き物の死骸は簡単に言えばニボシなどです。これも無添加のものを選びましょう。

 

イトミミズは活きた物を指します。ただしこれも農薬などが残っている場合があるので、国産無農薬に限られます。

 

赤虫に関しても、市販品のなかにはエビに有毒な成分が付着しているものがあるので、選ぶならキョーリンのクリーン赤虫がおすすめです。

UVは殺菌だけなのでクリーンがおすすめ。

 

レッドビーシュリンプの水温管理

レッドビーの水温管理は、なににおいても下げるほうに重点をおきます。

レッドビーに適切な水温は、経験上23度です。

これ以下だと動きが鈍くなり、これ以上だと危険な水温まで上がりやすくなるからです。

23度でも十分繁殖してくれるので、この水温がベストだと思います。

 

ヒーターをおすすめしなかったのもこのためで、一般的なオートヒーターを入れるとレッドビーの生活水温ギリギリで推移してしまうので、外気温が上がったときにすぐに限界を突破して落ちてしまうから。

またヒーター付近の高水温のダメージも大きいからです。

冬場寒すぎるので入れなければいけない場合は、温度調節できるサーモスタットを使うヒーターか、めだか・金魚用のオートヒーターを入れましょう。

めだか・金魚用なら設定温度も低いので、あがりすぎるリスクが少ないです。

 

水換えは慎重に

レッドビーを失敗する一番のリスクが水換えです。

水換えは慎重にやりすぎて悪いということはありません。

むしろしなくていいならしないほうがいいです。

 

私は1ヶ月程度は水換えをせず、足し水で管理します。

餌の量を極力減らし、十分なろ過をすればこれでも問題ありません。

 

水換えをするときは、一気に水を抜くのではなく、コップ1杯抜いて、綺麗な水を足す形で水換えします。

合計して半分抜いて半分入れるかたちにして調整します。

先に紹介した35L程度の水槽なら、コップ1杯抜いて足してを50回以上繰り返すことになります。

気が長い話ですが、これなら一気に水質が変わる心配がなく、エビへの負担も少なくなります。

 

そんな面倒なことしてられっかという方は、1/4程度水を抜いて、軽くしばったエアチューブなどで水を点滴していれてあげましょう。

エアチューブの中にあらかじめ水を通して洗ってあげると安心です。エアチューブの中に薬品が入っている場合があるそうです。

 

正直ここまでやらなくても大丈夫なんですが、なんかあってもいやなので極力リスクの少ない方法で紹介します。

 



 

というわけで

もっともっと書きたいことはあったんですが、予想外に長くなってしまったのでこの当たりで。

繁殖についてはいずれ別記しようとおもいます。

 

値段も下がってきて、いまだと300円台もざらですね。

夏になると導入しにくいので、ぜひこのタイミングでレッドビーシュリンプ水槽に挑戦してみてはいかがでしょう?

 

 

 

 

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