いい兆候?悪い兆候?ベタの種類別値段一覧と最近の価格変動
お久しぶりでございます。
なんやかんや忙しくてこちらに手が回らず。
しかしペットショップには足しげく通っていて、最近もまた一匹飼ってしまいました。
それがこちら。
んー、下手な写真でもいい個体だということは十分伝わりますね。
ガラスのこれはもう取れないです。買い替え時とは思うものの、漏れがないので使ってしまっています。
この個体、もちろんいろいろ惜しいところはあれど、個人的に好きなのでよしとしてください。
ところで、これいくらだったと思います?
- ヒレは180度開いています。
- カラーは見てのとおり。
- 欠損はありません。
- 私が即決できる価格です。
正解は980円。
いいんですかねこれ。
店員さんにも3回ほど聞きなおしてちょっと迷惑掛けました。
OKってことだったので遠慮なくそのお値段でお連れしました。
正直、並んでいるときからちょっと怪しかったんです。
スーパーデルタで入荷したそうで、実際買ったときは開いても180度ないかな?って感じでしたが、1週間こまめなフレアリングで広がったんで、隣との目隠しがなかったのでフレアリング不足でおそらく固着して開かなかったか、筋肉がまだ未発達で開けなかっただけだったのかと思っています。
カラーだけみればその値段だともう文句なしですよね。
白も濃くて、オレンジも鮮やかで赤青黒のマーブル。
たぶん兄弟からすごくいい個体が出たんじゃないかと思います。
なぜこれが私が見つけるまで売れなかったのか。
というわけで今回はベタの値段のお話です。
ベタの価格の相場
私は地方都市在住なので、もしかすると総量上乗せで、養魚場が近くにある関東や関西と値段が違うかもしれませんがこんな感じです。
トラベタ(ノーマルカラー)・・・280円~
クラウンテール・・・400円~
ダブルテール・・・400円~
スーパーデルタ・・・900円~
ハーフムーン・・・1200円~
プラカット・・・2000円~
※すべてオス
最近はトラディショナルの優良カラーをベールテールとして販売していますが、まだ売られているのを見たことがないんですよね。
メスは大体50~100円引きで売られていますが、個人的には高くなってもいいから優良個体を選べる環境がほしいです。
安い個体と高い個体の違い
さて、私のイメージだけの価格表ですが、トラベタとハーフムーンでも約1000円差がありますね。
これはなぜかというと、繁殖にかかる手間の違いです。
今でこそマーブルのベールテールがそこそこの値段で取引されはじめていますが、もともとトラベタは雑多でかわいそうな扱いをされる残念な命でした。
トラベタは血が濃くて、色を出すという目的には適さなかったんですね。
そこで質より数で勝負されたわけです。
クラウンテールは軟条の伸びがキモなので、残念ながらそこまで伸びない個体は流通させることはできません。
また、トラベタに比べると色も出やすいので、もし人気のない配色になった場合もしかりです。
流通させられる個体が少ないので、その分やや値段が上がるというわけです。
ではハーフムーンはというと、より様々なカラーが出やすく、なおかつヒレの開きが最低でも180度なければいけません。
つまり流通させられるカラーで、かつ180度以上ヒレが開く選ばれた個体が流通されるというわけです。
すべてのファームがそうというわけではありませんが、ファームの威信を掛けてコンテストに出品できるような固体を狙い、その選別落ちが流通することも多いです。
ベタの価格はだいたいこんな感じで決まります。
これは私が大好きなそこらに流通する固体なので、専門店で扱われるような固体はまたちょっとちがう価値観で価格が変わります。
たとえば新しい体格やカラーが出るとバーンと価格が上がりますよね。
スーパーデルタがお買い得?
今回飼った個体もそうですが、私は基本スーパーデルタを狙って選んでいます。
ギリギリ気軽に買える価格というのもありますが、実は空けてみればけっこうお得な種類でもあるんです。
スーパーデルタは、スーパーデルタとして作出されることはまれです。
タイで露天をやっているような副業ファームを除けば、ないといっても過言じゃないかもしれません。
じつはほとんどがハーフムーンのなりそこないなんです。
よーく観察すると、条の数でその違いがわかります。
10年ほど前は、ちゃんと三角形にピンとフレアリングするデルタらしいデルタもけっこういたんですが、最近はほとんどハーフムーンのなりそこないデルタな気がします。
じゃあハーフムーンになれる固体となれなかった固体のどこがどう違うかというと、まずはさっき言ったとおり条の数。
細かく枝分かれして多くなければびらっと広がりません。
つぎに、その固体の性格です。
性格で体格が変わるのかと疑問に思うかもしれませんが、ベタのヒレはいやな言い方をすれば無理やり伸ばしているんです。
それはフレアリングで伸ばしていくので、気弱でフレアリングしにくい場合は伸びにくくなるというわけです。
他にも細かい違いはありますが割愛で。
もちろん一見する美しさは、広くヒレが広がって閉じたときもベールのように流れるほうがいいでしょうが、それさえ度外視すればスーパーデルタも負けていません。
しかも、血統がよくて繁殖行動さえしてくれればその子供にも期待できます。
今回連れ帰った固体はちょっともったいないので相当いいメスがいなければ繁殖は考えていないですが、ちょっと子供も見てみたい気がします。
繁殖を楽しみたい方であれば、ここらへんの区別がつけばスーパーデルタもとってもいいですよというお話でした。
ついでに言えば、ダブルテールとクラウンテールも、オーバーハーフムーンやキングクラウンテールの登場で同じような個体が流通していたりします。
高級個体の価格の変化が激しい
もう業界を離れてしばらく経つので最近の内情は予測でしかないのですが、流通になにかしら変化があったのか最近ベタの価格がかなり落ちているのがわかります。
もともと底値だった種類はもちろん変わらないんですが、とくにお値段の高い個体はかなり変動がありますね。
代理店ができたのかなんなのか、マーケットで選んで仕入れたような個体がショップにもよく並ぶようになりました。
いわゆる「惜しい個体」で、血統的にはハーフムーンやオーバーハーフムーン、キングクラウンを狙ったけどそこまでに至らなかった個体です。
一昔前は安い個体は安いなりの繁殖をさせた業者から数指定で仕入れていたので、色はぜんぜん期待できませんでした。
選別落ちは安くて綺麗なのに問屋経由で来ることはなかったので、私がわがままいって直接指定して買い付けたこともあったほどです。
選別落ちの優良個体が日本にもよく流通していることを考えると、どこかの段階で変化があったのは間違いないかと思います。
個人でベタショップを始める方が増えた関係もあってか、大手卸業者も仕入れ方法を工夫して値段を変えているようですね。
もともとは、優良個体も通称「ベタ通り」といわれるタイの一次卸のショップから買い付けることが多かったんですが、最近はファームとの直接取引も当たり前のようにしています。
それによってマージンが減るので、少しだけ安く仕入れられますね。
それでも直接仕入れには勝てず、私の地元でおそらく現地から直接仕入れているショップでは、当時考えられなかったような価格でいい個体を買えるようになっています。
なんか私の時代に損していたような気にもなりますが、今は一ベタファンなのでうれしい限りです。
というわけで
ベタの自慢をしようと思っただけでキーボードを叩き始めたんですが、いろいろいいたくなったんで長くなってしまいました。
私が業界にいたころから考えると、今は本当に予想もできないほど市場が楽しい感じになっています。
あの手この手で優良個体を安く確保しようとしていますね。
最終的には間にいくら人の手を入れないかで決まりますが、最近ではキングクラウンが2000円で売られるようになって当時の現地価格を大きく下回っていますから、おそらくタイの市場でも価格が落ち始めているのではと思います。
これがいい兆候なのか悪い兆候なのか、外から見ているだけではわかりませんが、買う側としてはいい兆候と考えていいでしょう。
現地でも、ベタ通りで閉店ラッシュがあったり、ファームが潰れたという話も聞きません。むしろ新しいお店ができたという話すら聞きます。
今後なにか悪い方向に進まないよう願いつつ、私はショップでベタにへばりつく気持ち悪いお客として楽しんでいこうと思います。
次回更新は来年かな・・・笑