優しい熱帯魚さん|飼育記録から飼い方まで

熱帯魚屋さんが熱帯魚の買い方をれくちゃーするブログです

移転先サイトが出来上がってきたのでご報告

さて、とても久々な更新です。

新型ウイルスなども流行していますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?

 

今回はご報告のための更新です。

しばらく前から移転先を立ち上げているということをにおわせていましたが、少しづつ形になってきたのでご報告させていただこうと思います。

 

サイトの名前は、このブログから分岐して運営することから

やさしい熱帯魚さんサテライト

https://mr-tropicalfish-satellite.com/

とさせていただきました。ちょっと長いですね。

 

このブログは割と適当に好きなことを書く方針ですが、サテライトではより精査して、飼育書のようなサイトを目指しています。

こっちに慣れている皆さんからすれば、ちょっとお堅い印象を持つかもしれませんね。

 

巷で流行っている、ググッてまとめるいわゆる「いかがでしょうかサイト」にはしたくないので、私を含めた熱帯魚屋店員と、動物関連施設出身者で運営しています。

今後はアマチュアアクアリストの方からの投稿ページも増えていくかと思いますが、基本的には私や、ほかの専門家の方にチェックしていただき、よりリアルでためになる情報を紹介していくつもりです。

 

読者投稿の質問に答えるQ&Aのコーナーや、アンケートでアクアリウム界を分析する記事なんかも書いています。

 

mr-tropicalfish-satellite.com

 

mr-tropicalfish-satellite.com

 

 

アクセス数が1日1ケタなのでまだまだ先ですが、すでに収益化もしているので、今後プチアクアリウムコンテストなども計画しています。

ひとまず、年内に「100均ボトルアクアリウムレイアウトコンテスト」の開催を目指して動いていますので、興味がある方はぜひに。

 

かなり後出しじゃんけんなので正直これで食べていこうなどとは考えていませんが、冷え込み続けているアクアリウム業界を少しでも盛り上げるお手伝いができればと思い、寝食を犠牲にしながら運営しています。

 

といいながらも最近時間に余裕があるので、こっちのメインブログも徐々に拡充していこうと画策し、投げ売りのオールガラス水槽を買ったりしている日々です。

 

もしかしたらこちらの読者の皆さんにも協力してほしいことがあるかもしれないので、その折にはこちらでまた募集させていただこうと思っています。

 

というわけで、優しい熱帯魚さん、ならびにやさしい熱帯魚さんサテライトを、今後ともよろしくお願いいたします!

 

あなたのアクアリウムをプロがトータルコーディネート│優しい熱帯魚さんサテライト

アマガエル×アカハライモリのアクア・テラリウムを作ってみた!作り方解説

めちゃくちゃ久しぶりの更新でございます。

ぶっちゃけ生き物のほうも増やさず減らさず、アイテムも新しく買うこともなく書くネタがなくここまできてしまいました。

 

が、さすがにテラリウムが伸び放題で崩壊気味&省スペース化のために、ちょっと工夫して小型水槽にアクアテラリウムして生き物を集約する作戦をたくらみまして。

今回偶然システム障害で午後休をいただいたので急遽実行してまいりました。

 

ポイントは

以上の3つ。

 

アマガエルにかんしては6cmを超えて地表性のカエル並みに動かないので、高さはなくてもいいとして、植物多目で隠れられるような環境に。

アカハライモリは陸と水中を行き来できるような環境に。

小型水槽でそれを両立するので少し工夫が必要ですね。

見た目はないものねだりのセンスでなんとかします。

 

結果的には、完成系としてはクリアできているのかな?と思っていますが、最後まで見て頂いて皆さんの心の中で評価して頂ければと。

 

では作業の紆余曲折を駆け足でご紹介して行きましょう!

 

 

 

用意したのはこちらのアイテムたち

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基本はダイソー商品と、家にあるものでなんとかしました。

  • 25×25×30cmオールガラス水槽
  • ダイソー積み重ねボックス(薄いヤツ)
  • ダイソー観葉植物の土
  • ダイソーカーラー小(5個入り)
  • ダイソー装飾グリーンモス・水苔
  • グルーガン・グルースティック
  • 枯れかけでセールになっていた観葉植物たち6個
  • いつぞやのプラ段の端材(40cm×20cmぐらい)
  • 家に転がっている流木・石・ウイローモスなど

 

意外と材料は少なく済みましたね。

新たに購入したものすべてで1500円程度、新品ですべて集めても10000円までしないでしょう。

流木や石がやっぱり高くなりそうですが、元のテラリウムからすべて流用するので安く上がりました。

この有象無象がどう形になっていくのでしょうか。

 

 

 

①陸地の作成

今回はアマガエルと、アカハライモリが気分転換に上るための陸地が必要になります。

幅がある水槽なら石で陸を作るところですが、面積が狭く高さのある水槽なので陸地をリフトアップしてみようと思います。

 

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作り方というほどでもないんですが、まずプラ段をこんな感じにカットします。

 

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そしてグルーガンで接着して組み立て。

ボンドなどの接着剤は基本NG.

水槽用バスコークなど生体OKの接着剤でもいいのですが、アク抜きなどを考えればグルーガンが手っ取り早いので愛用しています。

下にも骨組みすればよかったですが、プラ段の断面が結構鋭いので、イモリのことを考えてとりあえずなしにしました。

 

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その土台の上にダイソーの積み重ねボックスを載せて、陸地のベースにします。

陸地が1kg前後になると想定して500mlのペットボトル2本載せましたが、ぜんぜん余裕でした。

こうすることで水量と泳ぐ面積を確保できますし、積み重ねボックスごと外して掃除できるので、管理やメンテナンス、今後の増築もかなり楽になりますね。

 

残念なのが積み重ねボックスと壁の間に隙間があるのと、プラ段がどうしても側面から見えてしまうこと。

今回は置き場所的にプラ段は露出していても問題ないのですが、なにか対策を考えたいところではあります。

 

 

 

陸地の装飾用モス床の作成

さて、ダイソーの積み重ねボックスの側面、このままだと見栄えが悪いですよね。

人工物が露出しているのはアクアテラリウムとして微妙です。

というわけでいろいろ考えて用意したのが、髪の毛を巻くカーラーです。

 

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カーラーを半分にカット。

マジックテープはカットするときに剥がれてしまうので、これもグルーガンで接着しなおしました。

 

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で、半分にしたカーラーを上段に、カットしていないカーラーを下段に設置します。

下段のほうが出っ張るようにするとより立体的で、かつアカハライモリが上り下りしやすくするための配慮です。

 

これ有名な方法かと思いますが、マジックテープつきのカーラーはウイローモスを手っ取り早く活着させるのにいいんですよね。

適当にカットしたウイローモスを押し付けるだけで活着します。

ふちの見た目をよくしつつ、アカハライモリが登りやすくするための加工ですね。

どうなるかは完成図でのお楽しみです。

 

 

観葉植物の植え付けとレイアウト

ここからはセンスの世界、レイアウトです。

あと植物を枯らさないための基本的な知識も必要になりますね。

 

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今回の方法だと、土は水はけの悪い容器に植えることになります。

かならず鉢底土などを入れ、水はあげすぎないようこまめに少量あげるようにしましょう。

 

植えつけるときに入れる土には、保水性の高いものがおすすめです。

でないと、今後水をあげても浸透せず弾いて、表面じとじと中カラカラになります。

 

今回購入したような若い観葉植物の場合、ポットの土を落とすと根へのダメージが大きく、たいてい枯れてしまいます。

ただポットから抜いてそのまま植えても根付きが悪いので、少し押して根の塊をほぐして入れてあげましょう。

 

レイアウトはセンスと好みですが、大きいのをひとつ左右どちらかに寄せて配置し、寂しいところに好き勝手置いていけばOKです。

葉の高さがでこぼこになるように植えると日光の当たり方が悪くかれてしまう部分ができるので、高さを調整して植えてあげるか、ライトをあててあげるようにしましょう。

 

流木を置く場合は、土を入れる前に置いて埋めるといい感じに自然になります。

石を置く場合は、土をある程度入れてから石を置き、設置面が埋まる程度にすると自然になります。

 

微妙かな?寂しいかな?と言うときは、水ゴケを入れるとごまかせます。

枯れ草色と緑色の二種類用意してグラデーションにするとよりいい感じになります。

ダイソーではその2種類ともそろいます。

 

 

水を入れて完成!

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写真がそもそも微妙ではありますが、実物を見せると結構好評な仕上がりになりました。

自画自賛ですが、格安で省スペースだとは思えないですね。

下に敷いている板が湿気でぼろぼろなのは震災のときの大浸水のなごりです。(はよ換えようよ)

 

なにより生き物たちが喜んでくれているので、仕上がりが微妙だとしても飼い主としては大満足です。

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元々陸地に上りにくいテラリウムだったので、今回久々に陸に上れるレイアウトになってノッシノシ草を掻き分け歩いています。

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組んだ石から好き勝手に上ったり下りたりしてくれています。

 

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やはりウイローモスを段々に植えつけたのが上りやすいようで、手間はかかりましたが正解でしたね。

 

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アマガエルもウイローモスの中に器用にもぐってくつろいでいます。

 

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元々流木で陸地を作っていたので白っぽい色ですが、今回は陸地の9割緑色なので、緑色のアマガエルを久々に見られるかも知れませんね。

 

本たちの隣に置いているので管理がちょっと神経使いますが、それは近々本棚を買う方向で調整しようと思います。

 

 

そうそう、この規格の水槽だと爬虫類向けのフタが市販されていないんですよね。

そこで格安で自作してみました。

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茶色のプラスチックアングルを斜めにカットして枠にして、ダイソーの鉢底ネットを貼り付けました。

両サイドにPPボードを貼ってあるのは、プラスチックアングルだと強度がなく、付けはずしで鉢底ネットがたわみむので、強度を出して剥がれにくくするためです。

あとは網目の面積を減らして湿度調整の効果もあればいいかなと思っています。

500円ぐらいなもんですが、見た目も悪くないですし、ピッタリ閉められるので結構気に入っています。

 

 

こんな感じで、3時間程度で寄せ集めの材料で作った割りにはいい出来だと自画自賛しています。

陸地をリフトアップする方法は小型水槽だと面積を確保できますし、管理が簡単になるのでおすすめですね。

 

見た目の粗は差し置いて、なにより生体が生き生きしているので個人的には大成功だったと思っています。

 

というわけで今回はこの辺で。

またなにかネタがあれば更新しようと思います。

それではいつのひかまたノシ

 

 

決定版!メダカの餌にもバツグンのミジンコの飼育方法と培養方法

一回書くと続くもので3日連続の更新です。

 

というわけで今回は、ミジンコの飼育方法と増やし方についてです。

もともと興味は持っていたものの種ミジンコを確保できずに挑戦できなかったのですが、このたび思い切って購入しまして。

苦節半年、やっとこれだ!という飼育方法と培養方法を見つけましたので、ここにメモがてら記しておきます。

 

 

 

今回ご協力いただきましたのは「タマミジンコ」

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今回購入したのはタマミジンコさんです。

ヤフオクで20匹+死着保障20匹で540円+送料。

淡水で培養できるベタの餌という目的は達成できますし、なにより安価で導入できたのでオールオッケーです。

 

タマミジンコといえどけっこう大きいんですよね。

2~3mmあります。

これぐらいのサイズだと、魚を移すときに使う網でも採取できるのでかえって扱いやすいですね。

 

正直卵の形がタマミジンコっぽくなく、オオミジンコなのではと疑いつつ飼育しています。

ちなみにオオミジンコは外来種なので、増えすぎたから捨てようというのはご法度です。

 

 

 

飼育環境の基本

ミジンコはシンプルな飼育方法でキープ可能です。

というか、シンプルでなければいけないといったほうが正しいでしょう。

ちゃんと熱帯魚を飼育したことがある方にはお分かりのとおり、そのシンプルさを維持するのが難しいわけです。

 

PH-水道水のままでOK。

水温ー原則常温でOK。

水量ー多いほうがいい

エアレーション(水流)ー厳禁

餌ー植物性プランクトン

 

「ミジンコ増やすのなんか簡単だよ!」という方は、上の3行までを言っているんでしょう。

下の2行を本当の意味で維持するのは本当に大変で、かわいそうなことに分譲した5つのボトルのうち3つが全滅しました。

 

それでは各項目を解説していきます。

 

 

 

水質の管理

リストで言えば上の3つの項目をまとめて水質とします。

 

phの調整は一切していません。

水道水の塩素を極限まで自然の方法で抜いて使います。

カルキ抜きは使用してもいいのかもしれませんが、なるべく日光(5日ほど汲み置いて当てる)で塩素を抜いて使用しています。

塩素が残っているのはご法度です。

 

水温に関しては、あくまで北海道の室温の変化であれば保冷保温は必要ありません。

最高水温32度、最低水温14度です。

ここ半年の水温を平均してだいたい22度です。

急激な水温上昇などは危険だと思うので、窓辺の直射日光などは避けたほうがいいですね。

私は部屋の窓から遠い場所においていますがそれで問題ありません。

 

水温変化対策にも繋がりますが、水量は大いにこしたことはありません。

我が家では60cm水槽に25L程入れています。

これぐらいの水量でも、1日1回100匹程度安定して採取できる数を培養できています。

 

 

 

ろ過が難しい

問題がろ過で、水流が厳禁なので一切できません。

そもそもフィルターを通せばそこに吸い付いて死んでしまうのでできないでしょう。

エアレーションすら不可能で、1つのボトルにエアレーションをしたところ3日ほどで全滅しました。

 

ろ過問題の解決策としてはやはり水量の確保で、最低でも20L以上をおすすめします。

どうしようもないほどに汚れたり、以下で紹介する餌の追加をしても増えないようなら分譲して増やし、もとの水槽を全水換えでリセットという方法になるでしょう。

つまり安定供給するなら水槽が2つ必要ということですね。

我が家もこんなコンテナ2つを予備として培養しています。

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酸素に関しては、こんな感じに水面積が多い容器なら基本的に水面から溶け出す酸素量でも十分かと思います。

 

 

ミジンコは何を食べるの?

問題の餌ですが、植物性プランクトンを与えます。

具体的に何よというと、植物性プランクトンをそのまま入れてあげることは不可能です。

植物性プランクトンは水槽内に自然発生しているので、しっかり立ち上げた水槽には一定数は存在しています。

ただし水槽内の食物連鎖に必要な数しかいないので、ミジンコを入れると足りなくなります。

つまりは植物性プランクトンを水槽内で増やすための餌が必要になるわけです。

 

ミジンコの餌の餌

ミジンコの餌になる植物性プランクトンの餌になるものは、意外とたくさんあります。

ただし水を汚したり、魚に害があるものもあるので要注意です。

私が試したのは以下の5つです。

 

 

くず野菜はろ過できないので、入れれば入れるほど水中に食物繊維が残るのでNGです。

しかも、農薬が残留していたのか洗剤が付いていたのかなんなのか、入れた数時間後に全滅したことがあったので避けたほうがいいかもしれません。

 

熱帯魚の餌はほぼ効果がなかったです。

ただ水が腐っただけでした。

 

インフゾリアの元は、手に入れにくいですが効果はありました。

ただその手に入れにくさが面倒でやめました。

 

エビオス錠も目に見えて効果がありましたが、1ヶ月ほどキープすると匂いが気になり、水も白くにごってきたので、どうやらなにか水中に残ってしまうようです。

 

一番よかったのが強力わかもとで、ばんばん増える上に安く、ドラッグストアにもあります。

匂いもなく、1週間に2錠のペースで入れても、現在のところいやなにおいはありません。

 

 

実はこれらの餌はインフゾリアの増やし方をもとに考えたものです。

このほかにインフゾリアの培養で使う効果的な餌があれば、試してみる価値は十分にあると思います。

 

yasasiinettaigyosan.hatenablog.com

 

 

 

肉食魚水槽で爆殖

ちなみに我が家で一番増えているのは、そんな小難しい方法をしていない水槽です。

じつは我が家のスネークヘッド水槽は、スネークヘッドの老衰で水流が起こせないので、基本的に水換えで対応して無濾過状態です。

そこに何かの拍子にミジンコが入ってしまったようで、今はその水槽で爆発的に増殖しています。

スネークヘッドはミジンコを食べないですし、スネークヘッドにストレスを掛けたくないので採取することもできず、バンバン増えて死んで累代しています。

 

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ツブツブ全部ミジンコです。

ここまで増えているなら正直売ってもいいぐらい。

 

つまり、肉食魚水槽を持っているなら、その水を採取して使えばミジンコの繁殖に適している可能性があるというわけです。

もちろん農薬つき水草を使っていたり、なにか薬品を入れている場合はだめですが、高たんぱくな餌の残骸や糞などが植物性プランクトンを増やし、ミジンコ繁殖に適した栄養は十分入っているのでしょう。

 

 

熱帯魚大喜びのミジンコを培養してみよう!

というわけでちょっとマニアックなお話でした。

ミジンコは小型の熱帯魚が大喜びするので、私も今回増やしてみたしだいです。

若い固体は成長率もあきらかに変わるので、栄養も十分なんでしょう。

小難しい書き方をしましたが、飼育方法、培養方法はシンプルなので、スペースが余っている方はぜひ増やして熱帯魚を喜ばせてあげてはいかがでしょうか。

 

 

 

もうねたがないです。

 

 

 

 

 

スーパーデルタベタとハーフムーンベタの違いは?見分け方を覚えてお得な個体を選ぼう

さて、まさか2日連続で更新するとは思いませんでしたが、久々にスターをいただいてやる気になりました。ありがとうございます。

 

というわけで今日もベタのお話。

昨日書いた「お得な個体」でもあるスーパーデルタと、ハーフムーンの違いについて解説します。

似ていますがこの選び方を覚えておけば、より深いところでベタを選別できるようになります。

 

yasasiinettaigyosan.hatenablog.com

 

 

 

 

 

スーパーデルタ・ハーフムーンの条件

まず覚えておいてほしいのが、ショーベタは基本的にベタスプレンデンスの改良種類だということ。

これはトラディショナルもクラウンテールも同じです。

 

それでも同じお店でも区別されているということは、それぞれその種類として販売する条件があるということです。

どういう条件で区別されているのでしょうか。

 

 

スーパーデルタ・デルタテール

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こちらがデルタ。スーパーデルタかな?

尾びれが扇状になっているのが特徴ですね。

価格は1000円ほどからで、カラーに関わらずこの価格で安定しているのも私が好んで買う理由のひとつです。

デルタテールとスーパーデルタの違いはヒレの開き方で、より広角に開くのがスーパーデルタです。

ここには明確な違いがなく、近年流通している個体のほとんどがスーパーデルタの名前で売られていますね。

一昔前はひれがほとんど開かない個体はベールテールとして売られていることもありましたが、最近は見ないですね。

 

 

ハーフムーン

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こちらがハーフムーンです。色の違いは今回スルーしてください。

スーパーデルタと同じ扇状の尾びれが特徴で、スーパーデルタよりさらに大きく開きます。

具体的には180度以上開くものをハーフムーンと呼んで販売しています。

価格は1200円ほどから、細かいヒレの形状やカラーによって高いものは数万円にもなります。

 

 

 

スーパーデルタとハーフムーンの細かい見分け方

こんな感じで、明確な違いはヒレの開き具合だけです。

しかし運否天賦で繁殖させて選別しているわけではなく、高く売れるハーフムーンをなるべく出しやすいように品種改良し、その血統を維持しています。

では具体的な違いはどこに出るのでしょうか。

 

それもやはりヒレで、ヒレを支える軟条と呼ばれる部分に違いがあります。

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これはスーパーデルタのヒレですが、ヒレに通っている軟条が付け根から後ろに向かってまっすぐ伸びているのがわかるかと思います。

 

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ハーフムーンに適した画像がなかったのでこちらもスーパーデルタなんですが、軟条が放射状に束になっているのがわかるかと思います。

 

わかりやすくイラストにすると、こんな感じの違いがあります。

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条の数と、分岐する場所の違いで綺麗に開ける個体かどうかが決まります。

ただし、レーニングの失敗やその個体の性格によって最終的にどれだけ開くか変わるので、そこで最終的にスーパーデルタになるか、ハーフムーンになるかわかれるというわけですね。

本来血統を考えるなら軟条の状態で判断すべきなんですが「観賞」魚なので、ヒレがどれだけ開くかという観賞的価値が高いかどうかで決まるというわけです。

 

 

 

繁殖目的や若い固体ならスーパーデルタがお得

近年、市場にはハーフムーンになりきれなかったスーパーデルタがよく流通しています。

つまりは軟条の状態がいい優良血統のスーパーデルタが安く購入できることもあるということです。

カラーもハーフムーンとして繁殖されている場合、マーブルや特定のカラーパターンが出ている場合もあるので綺麗な固体が多いです。

繁殖も楽しみたい方はもちろん、若い固体なら私の購入したスーパーデルタのように、しっかりフレアリングでトレーニングすれば綺麗に開くこともあります。

 

 

もちろんすべてのスーパーデルタがハーフムーンに近いというわけではないのでよく吟味する必要がありますし、よりよいカラーとなるとさらに数が少ないですが、これからベタをもっと楽しみたいならスーパーデルタを少し深く楽しんでみるのもお勧めですよ!

 

 

 

 

 

移転先の作業が進まず困っています汗

いい兆候?悪い兆候?ベタの種類別値段一覧と最近の価格変動

お久しぶりでございます。

なんやかんや忙しくてこちらに手が回らず。

しかしペットショップには足しげく通っていて、最近もまた一匹飼ってしまいました。

 

それがこちら。

 

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んー、下手な写真でもいい個体だということは十分伝わりますね。

ガラスのこれはもう取れないです。買い替え時とは思うものの、漏れがないので使ってしまっています。

この個体、もちろんいろいろ惜しいところはあれど、個人的に好きなのでよしとしてください。

 

ところで、これいくらだったと思います?

 

 

  • ヒレは180度開いています。
  • カラーは見てのとおり。
  • 欠損はありません。
  • 私が即決できる価格です。

 

 

 

 

 

正解は980円。

 

いいんですかねこれ。

店員さんにも3回ほど聞きなおしてちょっと迷惑掛けました。

OKってことだったので遠慮なくそのお値段でお連れしました。

 

正直、並んでいるときからちょっと怪しかったんです。

スーパーデルタで入荷したそうで、実際買ったときは開いても180度ないかな?って感じでしたが、1週間こまめなフレアリングで広がったんで、隣との目隠しがなかったのでフレアリング不足でおそらく固着して開かなかったか、筋肉がまだ未発達で開けなかっただけだったのかと思っています。

カラーだけみればその値段だともう文句なしですよね。

白も濃くて、オレンジも鮮やかで赤青黒のマーブル。

たぶん兄弟からすごくいい個体が出たんじゃないかと思います。

 

なぜこれが私が見つけるまで売れなかったのか。

 

 

というわけで今回はベタの値段のお話です。

 

 

 

 

ベタの価格の相場

私は地方都市在住なので、もしかすると総量上乗せで、養魚場が近くにある関東や関西と値段が違うかもしれませんがこんな感じです。

 

トラベタ(ノーマルカラー)・・・280円~

クラウンテール・・・400円~

ダブルテール・・・400円~

スーパーデルタ・・・900円~

ハーフムーン・・・1200円~

プラカット・・・2000円~

※すべてオス

 

 

最近はトラディショナルの優良カラーをベールテールとして販売していますが、まだ売られているのを見たことがないんですよね。

メスは大体50~100円引きで売られていますが、個人的には高くなってもいいから優良個体を選べる環境がほしいです。

 

 

 

 

 

安い個体と高い個体の違い

さて、私のイメージだけの価格表ですが、トラベタとハーフムーンでも約1000円差がありますね。

これはなぜかというと、繁殖にかかる手間の違いです。

 

今でこそマーブルのベールテールがそこそこの値段で取引されはじめていますが、もともとトラベタは雑多でかわいそうな扱いをされる残念な命でした。

トラベタは血が濃くて、色を出すという目的には適さなかったんですね。

そこで質より数で勝負されたわけです。

 

クラウンテールは軟条の伸びがキモなので、残念ながらそこまで伸びない個体は流通させることはできません。

また、トラベタに比べると色も出やすいので、もし人気のない配色になった場合もしかりです。

流通させられる個体が少ないので、その分やや値段が上がるというわけです。

 

ではハーフムーンはというと、より様々なカラーが出やすく、なおかつヒレの開きが最低でも180度なければいけません。

つまり流通させられるカラーで、かつ180度以上ヒレが開く選ばれた個体が流通されるというわけです。

すべてのファームがそうというわけではありませんが、ファームの威信を掛けてコンテストに出品できるような固体を狙い、その選別落ちが流通することも多いです。

 

ベタの価格はだいたいこんな感じで決まります。

これは私が大好きなそこらに流通する固体なので、専門店で扱われるような固体はまたちょっとちがう価値観で価格が変わります。

たとえば新しい体格やカラーが出るとバーンと価格が上がりますよね。

 

 

 

 

スーパーデルタがお買い得?

今回飼った個体もそうですが、私は基本スーパーデルタを狙って選んでいます。

ギリギリ気軽に買える価格というのもありますが、実は空けてみればけっこうお得な種類でもあるんです。

 

スーパーデルタは、スーパーデルタとして作出されることはまれです。

タイで露天をやっているような副業ファームを除けば、ないといっても過言じゃないかもしれません。

じつはほとんどがハーフムーンのなりそこないなんです。

よーく観察すると、条の数でその違いがわかります。

10年ほど前は、ちゃんと三角形にピンとフレアリングするデルタらしいデルタもけっこういたんですが、最近はほとんどハーフムーンのなりそこないデルタな気がします。

 

じゃあハーフムーンになれる固体となれなかった固体のどこがどう違うかというと、まずはさっき言ったとおり条の数。

細かく枝分かれして多くなければびらっと広がりません。

つぎに、その固体の性格です。

性格で体格が変わるのかと疑問に思うかもしれませんが、ベタのヒレはいやな言い方をすれば無理やり伸ばしているんです。

それはフレアリングで伸ばしていくので、気弱でフレアリングしにくい場合は伸びにくくなるというわけです。

他にも細かい違いはありますが割愛で。

 

もちろん一見する美しさは、広くヒレが広がって閉じたときもベールのように流れるほうがいいでしょうが、それさえ度外視すればスーパーデルタも負けていません。

しかも、血統がよくて繁殖行動さえしてくれればその子供にも期待できます。

今回連れ帰った固体はちょっともったいないので相当いいメスがいなければ繁殖は考えていないですが、ちょっと子供も見てみたい気がします。

繁殖を楽しみたい方であれば、ここらへんの区別がつけばスーパーデルタもとってもいいですよというお話でした。

 

ついでに言えば、ダブルテールとクラウンテールも、オーバーハーフムーンやキングクラウンテールの登場で同じような個体が流通していたりします。

 

 

高級個体の価格の変化が激しい

もう業界を離れてしばらく経つので最近の内情は予測でしかないのですが、流通になにかしら変化があったのか最近ベタの価格がかなり落ちているのがわかります。

もともと底値だった種類はもちろん変わらないんですが、とくにお値段の高い個体はかなり変動がありますね。

 

代理店ができたのかなんなのか、マーケットで選んで仕入れたような個体がショップにもよく並ぶようになりました。

いわゆる「惜しい個体」で、血統的にはハーフムーンやオーバーハーフムーン、キングクラウンを狙ったけどそこまでに至らなかった個体です。

 

一昔前は安い個体は安いなりの繁殖をさせた業者から数指定で仕入れていたので、色はぜんぜん期待できませんでした。

選別落ちは安くて綺麗なのに問屋経由で来ることはなかったので、私がわがままいって直接指定して買い付けたこともあったほどです。

選別落ちの優良個体が日本にもよく流通していることを考えると、どこかの段階で変化があったのは間違いないかと思います。

 

個人でベタショップを始める方が増えた関係もあってか、大手卸業者も仕入れ方法を工夫して値段を変えているようですね。

もともとは、優良個体も通称「ベタ通り」といわれるタイの一次卸のショップから買い付けることが多かったんですが、最近はファームとの直接取引も当たり前のようにしています。

それによってマージンが減るので、少しだけ安く仕入れられますね。

 

それでも直接仕入れには勝てず、私の地元でおそらく現地から直接仕入れているショップでは、当時考えられなかったような価格でいい個体を買えるようになっています。

なんか私の時代に損していたような気にもなりますが、今は一ベタファンなのでうれしい限りです。

 

 

 

というわけで

ベタの自慢をしようと思っただけでキーボードを叩き始めたんですが、いろいろいいたくなったんで長くなってしまいました。

私が業界にいたころから考えると、今は本当に予想もできないほど市場が楽しい感じになっています。

あの手この手で優良個体を安く確保しようとしていますね。

最終的には間にいくら人の手を入れないかで決まりますが、最近ではキングクラウンが2000円で売られるようになって当時の現地価格を大きく下回っていますから、おそらくタイの市場でも価格が落ち始めているのではと思います。

 

これがいい兆候なのか悪い兆候なのか、外から見ているだけではわかりませんが、買う側としてはいい兆候と考えていいでしょう。

現地でも、ベタ通りで閉店ラッシュがあったり、ファームが潰れたという話も聞きません。むしろ新しいお店ができたという話すら聞きます。

今後なにか悪い方向に進まないよう願いつつ、私はショップでベタにへばりつく気持ち悪いお客として楽しんでいこうと思います。

 

 

 

次回更新は来年かな・・・笑

 

釣りをするなら動物行動学を学ぶと便利

さてさて

以前さらっとナマズの生息地について調べているというお話しをしました。

 

で、その調査に使用するのが主に釣りで、簡単に言えば釣りあがればそこに間違いなくいる。釣れなければいないかもしれないという可能性が残るという単純な指標になります。

 

ナマズ釣りは比較的難しい釣りで、コツをつかまなければ釣り上げるのは困難です。

私も釣りの中でも特に難しい対象魚になると思っています。

じゃあなぜ調査できるほどコンスタントに釣れるのかというと、動物行動学をかじっていたからだと思います。

専攻していたわけではありませんが、単純に好きだったのでよく授業に忍び込んで聞いたり、本を買って読んだりしていました。

 

というわけで今回もよりによって飼育方法ではないのですが、動物行動学と釣りの関係について暇つぶしがてら書いてみようと思います。

 

動物行動学ってなんぞや

動物行動学は、簡単に言えば動物の行動を研究する生物学の一分野です。

行動学に陶酔した学者は、昆虫記で有名なジャン・アンリ・ファーブルや、チャールズ・ダーウィンなんかが有名ですね。

たしかアリストテレスも研究していたはず。

 

たとえばなんでベタはわざわざ産み落とした卵を泡につけて育児するのかとか、その生き物の行動の意味と理由、それに付帯する結果を考えるわけです。

あんまり日本だと専門的に学べる大学がないので有名ではないですが、かなり楽しいので生物学を本気で学びたい学生諸君はぜひ。

 

 

なんで行動学を知れば釣りが上手くなるのか

さて、早速本題に移って、なぜ動物行動学が釣りに繋がるのか。

話すこと自体が無駄なほど直接的に関係していそうな名前なわけですが、あえて暇つぶしに細かく考えてみましょう。

 

マッチ・ザ・ハッチを例にとって

マッチ・ザ・ハッチとは、フライフィッシング用語で、渓流魚の餌になる昆虫にあわせてフライ(毛鉤・疑似餌)を変えるというもの。

ちなみにルアーの場合はマッチ・ザ・ベイトになります。

これ自体は正直どういうものかやったことがないのですが、聞き伝えられた話だと春先にはユスリカが多いので小さいフライを、初夏にはカゲロウなどやや大きめの昆虫が増えるので大きめのフライをといった具合に、魚に合った疑似餌を選ぶという考え方だそうな。

 

これも生き物の生態を人間(自分)の行動しか知らないと、自分に照らし合わせて「魚が食べる餌なら年中同じでいいじゃん」と思いがちですが、フライフィッシングは500年以上の歴史があり、500年続いた結果マッチ・ザ・ハッチが行われているということは伝統以上の意味があると考えられます。

 

マッチ・ザ・ハッチ(ベイト)が有効な方法だと仮定すると、魚は「食べたことがあるから食べる」ではなく、「その時期によく食べられる餌を優先して食べる」ことが予想できますね。

食べたことがあって好きなはずなのに、時期が外れると食べなくなるというのは不思議です。

しかし実際、釣った魚の胃の内容物が、同じ種類の昆虫に偏っていることがあります。

もしかしたら人間の農産物と同じように、旬ではない虫はあまり美味しくないのかもしれませんね。

 

つまり、このマッチ・ザ・ハッチも魚の行動を読んで釣っていると言えるわけです。

もちろんマッチ・ザ・ハッチがすべてではありませんが、対象魚の行動にあわせた釣りが釣果に繋がりやすいというのは間違いありません。

 

 

マッチ・ザ・ベイトではないマッチ・ザ・ベイト

上の例で、行動学と釣りが密接な関係にあることはわかりましたね。

しかし、釣りのすべてが対象魚の餌になるものを選ぶマッチ・ザ・ベイトで上手くいくとは限りません。

なぜでしょう?

では、実際に釣果につなげる上で重要になるポイントを考えてみましょう。

 

今回私が調査対象にしているニホンナマズを例にとってみます。

ニホンナマズの釣りにおいては、ノイジープラグを使ったトップゲームが主流です。

ノイジープラグとは、水を揺らして音や波紋を出すルアーのことで、トップゲームとはルアーを水面で泳がせて誘うスタイルのことです。

しかしナマズのメインの餌は、田んぼなど特定のエリアを除けば水中にいる小魚などで、水面を泳ぐカエルやネズミはそこまで多く食べていないはずです。

これではマッチ・ザ・ベイトの考え方からするとセオリーにならないはずです。不思議ですね。

 

じつはこれもナマズの行動にあわせた理にかなった釣り方です。

ナマズは目が小さく、視力は悪いと考えられています。

実際、淡水であればバスやオヤニラミ、海水であればサバやメバル、マグロなど肉食性の強い魚の多くは、獲物をしっかり見られるようにギョロっとした大きな目をしています。

では同じ肉食魚であるナマズがなにをもって餌を探すのかというと、それは音や振動です。

ナマズは夜行性で、ナマズ釣りも夜行うのがベター。

つまり、目が悪い上に暗い中では水中を泳がせるスマートなルアーを使うよりも、水面をボコボコと揺らしながら泳ぐノイジーナマズは反応しやすいというわけです。

 

自然界での食性に合わせたわけではないので、本来のマッチ・ザ・ベイトとは違いますが、人間が魚を騙すという目的と、釣り上がりやすい時合をあわせた結果、このノイジープラグという選択がナマズに合ったベイトとなるわけです。

これには「水面に食いあがってくるナマズが面白い」という人間側のエゴも含まれているので純粋に動物行動学に照らし合わせた選択とは言えませんが、たしかに行動に裏付けられた選択といえますね。

私は釣りを最大限楽しむというよりは、魚が生息しているか調査することを重視しているのでノイジーに限らず餌でも釣りますが、その上でもナマズが食いつきやすいルアー、ないし餌を選んでいますが、それを書くと長くなるのでまた別な機会に。

 

 

本能行動と学習行動

これはどちらかというと、行動に照らし合わせた釣りをしている筈なのに釣れないという場合に有効な考え方です。

 

動物には、本能行動と学習行動があります。

具体的に、わかりやすく人間を例にとって考えてみましょう。

 

・お腹が空いたから食べ物を探す

これは遺伝子に組み込まれている本能的な行動ですね。

誰に教えられたわけじゃないけど誰でも行います。

 

・お腹が空いたから何か食べたいけど空腹時に甘いものを食べると血糖値が急上昇してフラフラしたり眠くなるので避ける

これは本能的ではなく、過去の経験から学んで自分で選択した学習的な行動です。

甘いものを食べてフラフラした経験がない人は気にせず甘いもの食べますよね。

ちなみに人間の行動のほとんどかこの学習行動にあたります。

 

これが釣りになんの関係があるのかというと、大有りなんです。

釣りにおいて、アピールというのは本能行動に照らし合わせて考えます。

たとえば、先ほど紹介したナマズのように、音と振動で餌を探すのも本能行動です。

本能行動が学習行動に邪魔されることはあれど、有効なアピール方法になるのは間違いありません。

 

一方学習行動は、釣りにおいてはマイナス方面にも働きます。

代表的なものがスレで、魚がルアーに警戒心を持って食べなくなってしまうことです。

これも「なんか最近餌を食べると嫌なことが起こるな」と学習した結果、捕食という本能行動の邪魔をしているわけです。

餌の選別までするかどうか、そもそも学習するのかはその生体、さらには固体によっても違います。

もちろんプラスにも働くこともあり、たとえば人工的な水の流れ込みに魚がよく付くのは、餌がそこに流れてくる可能性が高いことを学習した結果と考えられます。

 

つまりは、魚の行動を「あらがえない本能的なもの」と「学習によって取る二次的な行動」に分けることで、より効果的な釣り方を導き出すことができるわけです。

釣れない時にも、スレたならなぜスレたのか、対象魚はどの程度の認識能力があって何にスレたのかまで考えることが行動学的な釣りの楽しみ方ですし、今後の釣果に間違いなく繋がると思って意識しています。

 

 

道具を行動に合わせて選ぶ

最近の釣り具の進化は目覚しく、多種多様の様々な商品が並んでいます。

実際どれを使っても釣れない事はないんですが、専用品でなくとも用途に合ったものを選ぶことでかなり釣果がでやすくなります。

これも、直接的ではありませんが、魚の行動に合わせて選ぶことができます。

 

特に独特な道具を使う雷魚釣りを例にとってみましょう。

雷魚釣りでは、基本的に硬い竿で、太いライン、フロッグを使います。

これは雷魚が大きいからではなく、雷魚が潜む場所は草が茂っているので、草に引っかかっても引き抜けるように硬い竿で、丈夫なラインを使用し、そもそも引っかかりにくいようにフロッグを使います。

では逆に柔らかい竿で、細いライン、フロッグ以外のルアーを使うとしましょう。

すると草に引っかかったときに竿が曲がってしまうと引き抜けず、細いラインだと根を張った草を引っ張ると切れてしまい、引っかかりやすいルアーだと雷魚の潜む場所に打ち込めません。

すると雷魚のいない草のないところに投げるしかなくなるので、釣り上げる確率はかなり低くなります。

 

つまり魚の行動にあわせた釣りができないので、釣果につながらなくなるというわけです。

他の釣りでもここまで理にかなった考え方はせずとも、岸から遠くにいる魚を釣るなら遠投できる竿を、比較的近くの岩陰などに潜んでいるならルアーを投げる精度が高いタックルを使用するわけです。

 

もうひとつ魚の行動にあわせた道具の選び方を紹介します。

またもやニホンナマズです。

ナマズ釣りは、水面を泳ぐルアーで釣るというがセオリーだというのは先ほどお話したとおりです。

では、そこから考えられるナマズの行動に合わせて適切な道具を考えてみましょう。

水面を泳ぐルアーを食べるナマズは、ほぼ間違いなくルアーの下、斜め下から食べてきます。

そしてルアーを食べたら、水中に引き込もうとします。

ではこの行動にあわせた道具選びはというと、柔らかい竿です。

ナマズは70cm以上になる大型の魚なのに、なぜ柔らかい竿がいいのでしょう。

それはナマズがルアーを水中に引き込むときに、硬い竿だと竿の抵抗でルアーがすっぽ抜けてしまうからです。

つまり、ナマズがルアーを離しにくいようにナマズの行動に対して抵抗の少ない竿が適しているわけです。

ついでにいえば、やわらかくて細い竿だと大きいナマズに壊されてしまうこともあるので、太くてやわらかいグラスロッドが好まれます。

 

これは行動学といえるほど難しい話ではないですが、行動に合わせて適切な道具選びをすることは重要だとわかりますね。

 

 

人間らしく脳みそを使って釣りをしよう

行動学といっても、釣りに使う程度の知識だとそんなに難しいことではありません。

その魚に思いをはせて、どういう行動を取るのか、それに対して有効な道具、誘い方はどういったものになるのかというシンプルな思考です。

インターネットの発達から、人間の行動にも大きな変化があるように思います。

それは、途中式を考えず結論を求めるようになったこと。

いまはインターネットに聞けばなんでも答えがすぐに手に入るので、最も重要な途中式を求めなくても結論が手に入るようになりました。

それでは、途中式にある問題点に気付くことはできません。

人間が馬鹿になったとまでは言いませんし、楽しようとするのは人間本来の欲求です。

ただ、そこを考えないと間違いを踏みやすいということは念頭においておいてほしいものです。

 

釣りというのは、人間の知恵を使って生き物を騙す行為です。

これも生き物を騙すことばかり考えて、自分の知恵を使わないと単調で結果が出にくいときに、その答えにたどり着けません。

重ね重ねになりますが、釣りたい魚に思いをはせて、行動をよく観察し、それに適切な行動を取ればおのずと結果は付いてきます。

そうすることで、もっと釣りを楽しめるようになると思いますよ。

 

 

生存確認!

久しく更新せずすみません

生きてます

 

これといって更新しなかった理由はないんですが、新規事業立ち上げのお手伝いでばたばたしててすっかり忘れていました。

 

あとは、魚関係で時間を使っていてあまりがっつりブログを書く暇がなかったというのもあります。

 

その魚関係というのが、ナマズの生息域の調査です。

完全に趣味なんですが、ちょっと疑問に思ったのでいろいろ調べてました。

 

もともと北海道にいなかった魚らしいですが、いまでは道央圏を中心にけっこうな数が定着しています。

ニホンナマズは北海道では淡水のルアー対象魚のなかでは大型で、激しくルアーに食いついてくるので面白い魚です。

トラウトのように熊に恐れながら釣る必要もないのでいいですね。今年特に熊情報多いですし。

 

釣っていくなかで、水は繋がっているはずなのになぜかナマズの居ないエリアがあることがわかりました。

そしてその居ないエリアが、我が家から近い場所なんです。

なぞです。

謎は解き明かすためにあります。

 

というわけで、今は本当にそのエリアにナマズが居ないのかを調べています。

同じ水域とはいえ、総距離にして30kmあるので大変です。

まだ5kmも終わってません。

今年中に終わるはずもなく、来年まで持ち越されそうです。

正直個体数もそこまで多くないですし、ほとんど釣れないんですが、でも考えながら釣り歩くのは楽しいですね。

釣りというよりわからないことを考えるのが楽しいです。

 

というわけで、なかなかブログの時間を作れませんが、ナマズの釣れなくなる秋口ごろにまた頻繁に更新するようになるかなと思います。

ぼちぼち更新はしますので、ぼちぼち見に来ていただければ幸いです。

 

 

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