飼っているアマガエルが動かない!?樹上性カエルが動かない理由と対処法
カエルといえば、飛んだりはねたり忙しいイメージですよね。
特にアマガエルは樹上性のカエルなので、ジャンプ力もあり活発なカエルです。
そんなアマガエルが動かずじっとしていると心配になってしまいますよね。
今回はアマガエルをはじめとした樹上性ガエルが動かない理由と対処法をご紹介します。
実はカエルはそもそもそんなに動かない!
カエルがせわしなく動いているというイメージは、実は間違いです。
カエルは昆虫を狙う捕食者でもありますが、食物連鎖ではかなり下の方にいる弱い生き物です。
ネコやキツネ、イタチなど多くの哺乳類や鳥類、オタマジャクシのころや繁殖期で水に入る場合は水生昆虫が天敵になりますね。
食物連鎖の下にいるということは、天敵を恐れて警戒心がとても強いということ。
肉食性の天敵をやり過ごす一番の方法は「動かないこと」なので、カエルは必要以上に動かないのが普通なんです。
しかし、実際に自然界で良く動いているアマガエルを目撃したという方も多いでしょう。
僕もその一人です。
その時期や場所、タイミングをよく考えてみると、カエルが活発に動いてくれる環境を導き出すことが出来ます。
飼育環境が適正か?
アマガエルはとても丈夫な生き物ですが、適切な飼育環境となると意外と幅が狭い生き物です。
まずは飼育環境を見直してみましょう。
飼育ケースの広さは適正か?
アマガエルは飛び跳ねて移動するので、飼育ケースはある程度の幅と高さが必要です。
樹上性のカエルは歩くことも出来ますが、ジャンプするのが基本的な移動方法です。(大きい種類は除く)
なので、飼育ケースが小さすぎる場合はうまく移動が出来ず、あまり動かなくなってしまいます。
最低でも幅20cmが理想的で、ジャンプすることを考えると高さ30cm以上あるとよいでしょう。
我が家では高さ35cm、幅60cmの水槽で飼育しています。
跳び移れる植物やレイアウトがあるか?
ジャンプして移動するアマガエルですが、さすが一日の長があって目標をつけてうまく飛び移っている姿には感心します。
時には餌をめがけて30cm以上離れたところめがけてジャンプすることもあります。
このため、ある程度立体的なレイアウトの方がアマガエルが移動しやすい環境になります。
これは多くの樹上性のカエルに共通する環境です。
レイアウトは流木や石などが扱いやすいです。
流木は川原や砂浜にもありますが、十分に煮て乾かし殺菌駆虫して使用するようにしましょう。
可能であれば、コシのある硬い葉を生やす観葉植物もおすすめです。
湿度を保ってくれる効果や、アマガエルの鮮やかな緑色を保持してくれる効果もあります。
観葉植物の管理自体にも手間がかかるので、上手に育成できなさそうであればプラスチックで出来たフェイクプランツも有効です。
飼育管理は適切か?
実は観察目的でよく動く樹上性のカエルを活発にしたい場合、飼育環境よりも日々の管理が重要になります。
もちろん過酷な状況に追い込んでしまうと今度は弱って動かなくなってしまいます。
あくまで自然界でありうるような環境の変化を作ってあげると、カエルも環境の変化を感じで見合った行動を取ってくれます。
飼育ケース内の温度は適切か?
カエルを初めとした両生類は変温動物なので、外気によって行動が大きく変わる生き物です。
特に寒くなると冬眠に入るのは特徴的な行動ですよね。
このためある程度温度に気を使ってあげることで活発な行動を見ることが出来ます。
ただ暑くすればいいかというとそうではなく、アマガエルの場合あまり暑さに強くないため逆に「温度を下げよう」とするので、日陰でじめじめした場所で動かなくなります。
経験上最も活発に動くのは18~21度の間で、まさにこの記事を書いている今ゲージ内の温度が21度(湿度85%)ですが、活発にゲージ内をピョンピョン跳びまわっています。
我が家のアマガエルの採取地は繁殖期の気温もこれぐらいなので、なにか関係あるのかもしれませんね。
実際には湿度が適正であれば15~28度ぐらいまで平気な生き物なので、そこまで緻密な温度管理は必要ありませんが、活発な活動を意識するならやや低めがおすすめです。
湿度の管理は適切か?
カエルの飼育で重要なのは温度より湿度で、 湿度が少ないと弱ってしまいます。
適正な湿度は70~90%で、極力これを下回らないようにします。
とは言え普段の環境で湿度が60%を下回ることはよくありますよね。
アマガエルは自然環境だと湿気の多い土の地面、とくに湿度がこもりやすいある程度背の高い草が茂っている草原を好みます。
自分の好みの湿度で暮らすために、日光が強かったり湿度が低いときは地面に近い場所で、雨が多く湿度が高すぎたり水に浸かってしまった場合には草の上を活動します。
つまり日々の管理の中である程度湿度の変化をつけてあげることで、カエルが活発に動き出すことがあります。
自然環境でもありえる程度の低い湿度(50~60%)になったときに加湿してみましょう。
もちろん健康を考えると高めの湿度が望ましいので、なるべく高めの湿度を維持するか、底砂に水分を多く含むものを使用してあげるようにしましょう。
餌が多すぎないか?
凄く根本的な話ですが、人間もお腹が一杯だと餌を取ろうとしませんよね。
少し感覚は違いますが、カエルもお腹が一杯だと角に隠れて動こうとしません。
人間には血糖値などから満腹を感知する機能がありますが、カエルにはこれがないので入るだけ食べてしまいます。
ただ体が重くて動かなくなるとそれを自覚して餌を取らなくなります。
つまり満腹な状態だと動かなくなるので、餌の量の管理が重要になります。
まずカエルは消化に時間がかかるので、毎日あげる必要はありません。
通常は2~3日に1度で十分です。
餌の量が難しく、だいたい頭の大きさと同じ量の餌を与えます。
我が家のアマガエル(体長約4cm)だと、おおよそSサイズのイエコが2匹です。
この量だと食後でもある程度活発に動いてくれます。
小さいゲージで飼育している場合、フンの状態もチェックしてあげましょう。
カエルは排泄した後体が軽くなるからかとくに活発に動くようなので、フンを見つけたら餌を与えるようにするとよいでしょう。
大きいサイズのケージやテラリウムでフンが見つけにくい場合は、体の大きさを目安にします。
アマガエルの場合は少しポテっとして太り気味の方が適正なので、痩せすぎには注意しましょう。(もちろん太りすぎにも注意です)
健康を基本に環境の変化を
このように、カエルは適切な飼育ケースで環境の変化をつけてあげることで活発に動いてくれます。
ただ健康を害してはなんの意味もありません。
カエルの健康を重視した上で環境に変化をつけて、観察を楽しみましょう!