熱帯魚のブリード販売は副業になるのか?実際の収入やデメリット、狙い目の種類を解説
昨今話題の働き方改革。
私としてはどこ吹く風なのですが、なんだかいろいろ話題になっていますね。
大して意味のなさそうなものもありますが、なかでも注目されたのが「副業の推奨」です。
これは法律でしなければいけないとか、企業が許可しなければいけないとかではなく、あくまでガイドラインで推奨するという話。
ただでさえ忙しいのにそんなもんできるかーいという声も聞こえてきますが、趣味としてならどうでしょう?
というわけで今回は、「熱帯魚は副業になりえるのか」という話を、本業熱帯魚屋だった私が解説していきます。
結論から言えば、やり方によってはホームブリーダーは本業にもなりえますが、好きこそ物の上手なれの理論が働きます。
ついでにアクアリウム関係のほかの副業もご紹介してみようと思います。
熱帯魚は副業になりえるのか
さて、そもそも熱帯魚は副業になりえるのかというお話。
これは間違いなく「なる」と言えます。
実際私は今も熱帯魚関係で小遣い稼ぎしていて、来年には規模を拡大して、いずれ本業と半半の収入を目指しています。
ただ、あくまで専門性の高い分野なので、素人が利益目的に始めて何もせずにお金になるなんていう類の副業ではありません。
しかし、しっかりやれば儲かるというのは私の経験上も間違いなく、今はそれを本業にしてしまっている人たちもとても多いです。
実際いくら稼げるのか
では実際いくらになるのか。
これは本気度や狙う分野にもよるので一概には言えませんが、あくまで私の例だと一番調子のいい時期で月10万円程度は稼げていました。
実働時間は1日3時間程度、土日は5時間程度になったかと思います。
本業のほかにこれだけ時間をかけると考えると大変ですが、ここはやはり好きだからできること。
むしろ、元々熱帯魚が好きじゃなければ、お金にならないとまでは言いませんがあまりおすすめはしません。
当時は熱帯魚業界も上り調子で、出せば売れるといった状態でした。
今はさすがにそこまでではなく、当時よりは難しくなっています。
熱帯魚を副業にする方法は
では、実際にどうすればお金になるのか。
熱帯魚系、アクアリウム関係の副業にはいくつか種類があります。
簡単なものから大変なもの、もっといえば簡単でそこそこお金になるものや大変なのにお金にならないものもあるので、初期投資して始めようと考えているならある程度この段階で想像しておかなければなりません。
・ホームブリーダー
ぽんと思い浮かぶのが、熱帯魚・観賞魚を繁殖させて売るブリーダー業じゃないでしょうか。
まぁ一番一般的な方法といえば一般的な方法で、これもお金にならないわけではありません。
私もこれがメインです。
ただし一番プロに近いので、それなりの知識や経験、設備やコネクションなども必要です。
またブームが移り変わるので、早ければ半年で1/10ぐらいの値段まで落ちてしまうこともあります。
ホームブリーダーで稼ぐ方法
ホームブリーダーは意外と販路が広く、ちゃんとやれば熱帯魚専門店に卸すこともできます。
熱帯魚専門店で、そこそこいい個体がびっくりするほど安い個体が出ているときはホームブリーダーから買い取っている場合もありますね。
熱帯魚店に卸すのであれば、ある程度安定して繁殖させ、綺麗で状態のいい個体を作出する必要があります。
それには飼育だけでなく、遺伝的な組み合わせなど専門的な知識も必要です。
ホームブリーダーから間口を広く買取しているショップもあるので、そういったお店を相手にするのもひとつの方法ですが、やはり雑多な繁殖では二束三文、買取拒否の場合もあるので専門的な知識は必須です。
あとはネットオークションで販売するのもひとつの方法ですね。
ヤフーオークションなどで熱帯魚を検索すれば、山のように出品されているのがわかります。
これは熱帯魚をパッキングし、発送するノウハウが必要なので詳細はいずれ別記します。
いずれにせよ、ほかの副業に比べ販路が広いことは間違いありません。
狙うべき種類は
熱帯魚とひとくちに言っても、よく熱帯魚店で扱っている品種だけでも千種類に上るのでどれを商売にするか決めて、専門性を持たせるのがおすすめです。
私は本格的にやっていたのはショーベタでしたが、正直お勧めしません。手間がかかりますし、1ペアから50匹生まれても、利益が出るようなグレードの固体はせいぜい3,4匹だからです。
1匹2000円で卸せたとしても8000円。販売まで4ヶ月程度かかるので、かなり水槽の本数が必要になります。
熱帯魚専門店に卸していましたが、ベタだけの売り上げは一番いいときでもせいぜい月3万円程度でした。
調べればすぐにわかってしまうので名指ししてしまいますが、今狙い目なのは
変わりメダカです。厳密には熱帯魚ではないですね。
いわゆる品種改良されたメダカで、熱帯魚や和鯉顔負けのカラフルな個体が多く作出されています。
繁殖も容易で、卵にも高値がつくので発送も比較的楽です。
これ面白いもので、ネットオークションなどでも飼育目的の人が買うということが少ないんですよね。
優良個体を繁殖させて販売し、またそれを買った人が繁殖させて販売するという投資のような形で高値が維持されているんです。
基本的な飼育のノウハウは必要ですが、2019年5月現在もっともおすすめと言えます。
水草の栽培
知識があまりなく、気軽にはじめたい場合におすすめなのが水草の栽培です。
栽培するに当たって熱帯魚ほど種類による違いがなく、販売も簡単というメリットがあります。
リスクは少ない反面、売り上げを狙うのは少し困難。
万単位の売り上げではなく、なるべく手間をかけずに千円単位の売り上げを狙うならこちらのほうがおすすめです。
水草の栽培で稼ぐ方法
水草の繁殖方法は根を這わせて新しい眼を出したり、水草自体が伸びて枝分かれしていくなど様々です。
いずれにせよ、増やすためにある程度スペースが必要です。
魚を観察するための水槽である必要はなく、工具を入れるためのコンテナボックスや浅い発泡スチロール箱、種類によってはダンボールにポリ袋をかぶせる方法でも可能です。
注意点としては、スネール(巻貝)などの混入を防ぐこと。
スネールがついている水草はどんなに綺麗でも売れません。
お店から仕入れた段階でついている場合もあるので、水草専用の駆除剤や、CO2の高濃度添加などで駆除しておくと安心です。
ある程度確保できたら、ネットオークション。といきたいところですが、実はトレンドはオークションではありません。
水草販売はほとんどフリマサイト、つまりメルカリなどに移っていて、かなりコンスタントに売れています。
手数料が多めに取られますし、気軽にコメントが来るので対応が少し面倒ではありますが、販路としてはかなり優秀です。
おすすめの種類
利益を出すためにおすすめの種類としては、需要が高く、コンスタントに増えてくれる種類です。
具体的にはマツモ、ウィローモス類、浮き草系です。
玄人好みの高級水草にも増えやすいものがありますが、育成がシビアだったり、発送時に痛んでしまうこともありますし、なにより数が売れないのでおすすめしません。
捕り子
これは悪い例として解説しておきますが、河川や池から生体を採取して販売する副業もあります。
ただしおすすめしない方法で、最悪逮捕もありえるので避けたほうがいいでしょう。
捕り子とは
捕り子とは、生体卸業者や専門店から依頼を受けて、自然の生体を採取する人のことです。
店頭に並んでいる日淡はたいてい天然モノで、捕り子が採取したものです。
ただしこの捕り子はかなり嫌われ者で、各地でトラブルが絶えません。
簡単に言えば自然を破壊する密猟者だと思われていることが多く、というか実際にはほとんどがそうなので、自然を愛する地元住民から眼の敵にされていて、管理する漁協とのトラブルも絶えません。
また、川からすくった落ち葉などを山のように積み上げてそのまま捨てていく不届き者もいるので、かなり問題になっています。
最近は地元住民だけでなくネットでも問題視されていて、気軽にネットオークションに流そうものならあえて落札して通報されたり、晒されたりすることもあるので、避けたほうがいい副業です。
私もショップから頼まれて、川(用水路)の管理者に許可を得てアメリカザリガニを捕獲する捕り子をしたことがありますが、「漁」になるので法律的にもかなり細かく、漁具なども指定があります。
川に生息する小型魚でこれをすべて守っていると商売にならない数しか取れないので、利益を目的にした捕り子のおそらくほとんどは法律を破っているのではと思います。
法律を守った上で、生態系を破壊しない範囲でやるならいいかもしれませんが、そこまでのリスクを背負った上でやるほどのメリットはありません。
少なくとも、大量に取れそうなアメリカザリガニであっても私はもうやりません。(100匹とって昼飯代にもならなかったので)
というわけで
熱帯魚関係の副業はこんな感じです。
どれもいわば「好きならやれる」といったもので、ちゃんとやろうとするならけっこうたいへんです。
1部屋まるごと明け渡す覚悟で、リアルタイムでトレンドを知り、愛情を持って優良な個体を増やすことは必須です。
ただそれだけ本気でやれば本業にもなりえますし、知り合いにも何人かお店を出して本業にしてしまった人がいます。
手軽にやるなら水草がお勧めで、ちょっとした収入の足し程度なら十分なりえるでしょう。
勘のいい方ならお分かりかと思いますが、本当に儲かるものはここで公開していません。
いずれにせよ、どのジャンルもあなたがお金を出したように、お金を出してもほしいという方はいるはずです。
今アクアリウムを楽しんでいる方は、自分の得意分野や好きな分野を伸ばして商売にするのもいいかもしれませんね。