奥深すぎてお手上げ!?狙う色があるなら繁殖前に確認したいベタの遺伝のお話
現在ベタの繁殖に挑戦しているわたしですが、残念ながらいまのところ産卵にいたらず。
メスが未熟だったりオスが巻かなかったりメスがやるきなかったりと、どうにも相性のいいいいペアが見つからず、稚魚のまえに親候補がどんどん増えていっています。
みんな可愛すぎて繁殖でぼろぼろにしたくないとすら思っちゃいますね。
yasasiinettaigyosan.hatenablog.com
で、その繁殖させる固体の掛け合わせですが、基本的なことは以前お話しましたね。
長くなりそうだったので、一番大切な遺伝のお話をすっとばしたので、何回かシリーズに分けて解説していこうと思います。
今回はごくさわりの部分について解説していきます。
ベタの色はなぜ様々あるの?
ベタって本当にいろいろな色がありますよね。
同じ色にしても、強弱でグラデーションにもなるので、特定の色が無いといっても過言ではありません。
その色がどうなっているのかというと、単純に特定の色があるというわけではなく、4層の重なりによって表現されています。
ベタの色は、それぞれ出せる色の決まった細胞の層が重なっています。
その4層それぞれの発色があり、透けてその下が見えることでそのベタの色を表しているというわけです。
薄い色が重なって発色していることもありますね。
それぞれどの色が出るのか解説しましょう。
虹色細胞
一番上の層は、メタリックやドラゴンといわれる金属光沢を出したり、ブルー系の色を出したりする層です。
黒色細胞
二層目はブラックを出す細胞です。
ブラックも数種類あり、そのどれかがこの層に出現する可能性があります。
赤色細胞
3層目はレッド系を出す細胞です。
赤もなん種類かあり、そのどれかがこの層出現する可能性があります。
薄く出現することによって、淡いオレンジなどの発色も助けます。
黄色細胞
一番下にあるのが黄色を出す細胞です。
黄色のベタにあまり造詣が深くないので詳しくはわからず。
レイヤーを考えてペアリングしよう
4層の細胞によって色が変わるということは、たとえば「赤+青=紫」なんて簡単な話ではないわけです。
パープル系のベタもいますが、濃い紫色の固体っていまのところ居ないですよね。
これは赤色細胞が赤すぎると薄い青が赤に打ち消され、青色細胞が強すぎると薄い赤が打ち消されてしまうから。
このため紫を表現するベタは、淡いラベンダーのような紫が多くなり、ヒレなどに赤、青が出やすいと想像できますね。
ここにブラックを掛け合わせるとどうでしょう。
黒が出現すると青色の層と赤色の層を隔てて、青色も見えなくなるので、黒くなってしまいます。
つまりキャンディやマーブルをあわせるときに、出ているカラーより上の層に色が出てしまうと、下の層のマーブルが見えなくなってしまうというわけです。
というあくまで予想なわけですが、色相が重なって生まれているというのだけは確かなので、私は掛け合わせるときにこのレイヤーを重視して掛け合わせています。
つまり、たとえば赤と青のマーブルを出したいときは、赤単に、青斑を合わせるということです。
これ逆に青単に赤斑をあわせると青単になりやすいということです。
まあ実際には黒っぽくなるんですが、それはまた別のお話。
しかし、実際のブリーディングではここまで正確に予測できるわけではありません。
ベタファームの人にこの話しても「勘でやってるからわからんし、どうせ考えても無駄」っていわれました。
ただいろいろ有意義なお話を聞けたので、そのときのお話はいずれコラムにでもしようと思います。
話を戻して、では予測できない理由は?
メンデルの法則覚えてる?
中学校の授業で出てきたと思いますが、子への遺伝はメンデルの法則で現れます。
もともと植物の品種改良からヒントを得た法則ですね。
これは魚にも人間にも当てはまるもので、もちろんベタのカラーにも当てはまります。
まず重要になるのが、「優劣の法則」です。
遺伝子には優性(顕性)と劣性(潜性)があり、合わさって2つの因子を持っている場合、優性の形質が出現するという法則。
優性が2つそろっていれば優性しか現れません。
逆に、劣性が2つあれば劣性が現れるというわけ。
たとえば、
タカシくんはコカコーラが大好きです。(優性)
ペプシコーラをあえて選ぶことはありません。(劣性)
冷蔵庫にコカコーラとペプシコーラが1本ずつ入っていたとき、タカシくんはかならずコカコーラを飲みます。(優性が現れる)
コカコーラが2本入っていれば間違いなくコカコーラを飲みます。(優性が現れる)
もしペプシコーラが2本入っていれば、ペプシコーラを飲みます。(劣性が現れる)
という具合です。
わかり易いたとえなのかよくわかりませんし、なんかサントリーに申し訳ない気もしますが、私もタカシくんと同じです。(?)
ペプシゴールドは好きですが(聞いていない)
で、こんな図みたことありますよね。
これはパネットの方形といって、遺伝を図にしたものです。
Aが優性、aが劣性です。
AAとAaで優性が現れるので、Aとaを掛け合わせても、結構な確立で優性が現れることがわかります。
ちなみに優れている、劣っているという話ではなく、現れる、現れないの話です。
仮にそうなってしまうと、劣性遺伝のハーフムーン より、優性遺伝のベールテールのほうが優れているという話になってしまいますが、そういうわけではありませんよね。
もっといえば、人間の耳垢は湿っているほうが優性遺伝らしいですが、べつに湿っているから優れているとかいうことはないですよね。
関係ないですが、コカコーラよりペプシコーラが劣っているというわけでもないです。
つまり優劣を決めるという意味ではないんです。
このため最近では優性・劣性ではなく、顕性・潜性という表現になっています。
ベタのカラー別優劣
ではベタのカラー別優劣をといきたいところですが、これはまた次回にしましょう。
というのも、単純な優劣の話ではなくなってしまうから。
さすがに5000文字超えると読むほうも書くほうもだれるので、この下に記事のリンクがあればとてつもなく暇で気が向いたということで。
なぜ予測不可能なのか
さて、ではなぜここまでわかっていて予測できないのかといいますと。
大きな理由が2つあります。
隔世遺伝が起こる
簡単に言えば、いわゆるおじいちゃん似、おばあちゃん似というやつです。
メンデルの法則で、劣性遺伝は持っていても現れないということがわかりましたよね。
でも現れないだけで、劣性遺伝を受け継いでいるのは確かです。
つまり、その子供に子供ができたとき、掛け合わせ次第で隠れていた劣性遺伝が発現する可能性があるというわけです。
ベタにおいては色でわかりやすく現れるので、この隔世遺伝がとてもわかりやすく出てきます。
ベタのカラーはしっかり確立した血統があるわけではないので、どこかで劣性遺伝を受け継いでいるといって間違いないでしょう。
逆に、その固体の出現しているカラーが劣性の場合、それは次世代で優性と掛け合わせた場合消えてしまう可能性が非常に高くなります。
遺伝子の組み合わせパターンがめちゃくちゃある
今回はわかりやすく優性と劣性だけであらわしましたが、実際にはもっともっともっともっと様々なパターンがあります。
四層にそれぞれ様々な色が現れているということから、多いということは予想できますが、その数は2万以上、3万通り以上といわれています。(もしかすると体格やヒレの形も合わせてかもしれませんが)
このパターンすべての優劣を調べるのは無理ですよね。
優劣を調べたところでどれが優性でどれが劣性、優性同士でどちらが完全優性なのかなど、考えなければならないことは山ほどあります。
そもそもどの遺伝子を受け継いでいるかわからないので、実質確実に予想するのは無理というわけです。
つまりは
最終的な結論を言えば、見えている色同士掛け合わせて、そうなってくれることを願うしかわれわれにできることはないということです。
以前お話しした子供同士の子供、F2,F3個体は遺伝の確証がある程度あるのでより確率をあげることはできますが。
歴戦のブリーダーさんも大体運だというだから間違いないでしょう。
ファームのブリーダーさんいわく、「ビンの数がファームの強さだ」とのこと。
つまり予想してもしょうがないから、作出数で勝負するんだということですね。
より多く自家繁殖させれば遺伝がある程度わかっている個体を掛け合わせられるので、より優良個体を作出しやすくなるというわけです。
とはいえ、見えているカラーがレイヤーになっていることは間違いないので、そこだけ意識するのが少しでも確立をあげる鍵になりそうです。
実際、ここを無視してしまうとたいていめちゃくちゃな色が生まれたり、どちらかの親に依存した色になってしまいます。
これは数ペア繁殖させた後データとしてまたアップできればと思いますが、このレイヤーと同時に、どちらの親の色が出やすいかという問題もあります。
経験上、カラーは父親から受け継ぎやすく、ヒレはメスから受け継ぎやすいです。
購入したメスの血統のヒレはわからないので、結構運否天賦ですよね。
というわけでざっくりでしたが、遺伝的なカラーのお話でした。
これまで私が繁殖させたのは十数ペアとまだまだデータが足りないですし、あまり頭のいいほうでもないのでどこか間違っている情報があればすみません。ご理解ください。
機会があれば、次はヒレのお話もできればと思います。
それではまた次回ノシ
怖い顔して愛嬌抜群!プロが教える雷魚・スネークヘッドの飼育方法とおすすめ5種
最近ベタのお話ばかりだったので、今回はちょっと趣向を変えて肉食魚のお話。
私がベタの次に愛する魚というと、いろいろいて結構迷ってしまうんですが、悩むうちのひとつがスネークヘッドです。
日本だと雷魚の名で知られるスネークヘッドですが、実は見た目の割りに愛嬌抜群で、なついているような錯覚すら覚えます。
これまでスネークヘッド類は全部で6種類飼育してきましたが、どれもかわいくて本当におすすめな子ばかり。
というわけで今回は、雷魚・スネークヘッドの飼育方法と、おすすめのスネークヘッドをご紹介します。
- スネークヘッドとは?
- 雷魚・スネークヘッドの水槽作り
- スネークヘッド・雷魚の水槽レイアウト
- スネークヘッド・雷魚の飼育管理
- スネークヘッド・雷魚の飼育についてもう少し掘り下げてみよう
- おすすめのスネークヘッド・雷魚トップ5
スネークヘッドとは?
スネークヘッドは、中型~大型の肉食魚の総称です。
タイワンドジョウ属のお魚たちですね。
日本では雷魚の名で知られていて、釣りだとゲームフィッシュとして扱われていますね。
代表的なものだと
・コウタイ
・カルムチー
・レインボースネークヘッド
・チャンナプルクラ
・バンカスネークヘッド
・インディアンスネークヘッド
・アフリカンブロッヂドスネークヘッド
あたりでしょうか。
種類によって、十数センチから1m程度まで、成魚のサイズは様々です。
共通するのはすべてフィッシュイーターで、流れの緩やかな小川や、沼地に生息するということ。
閉鎖的な沼などに生息し、空気呼吸できるので水質変化に強く、飼育は比較的容易です。
寿命が長いものもおおく、10年以上になることもあります。
原生地の環境悪化や乱獲により個体数が減り、近年流通数が減っています。
以上のような点を踏まえて、飼育環境を考えてみましょう!
雷魚・スネークヘッドの水槽作り
前述したとおり、スネークヘッドは大型種もいます。
基本的な飼育方法は同じですが、大型ならではの問題もあります。
種類によって変わるので、それを踏まえて考えてみましょう。
スネークヘッド・雷魚に適した水槽
スネークヘッドはあまりギュンギュン泳ぐタイプの魚ではありません。
どちらかといえばグイグイ泳ぐといったイメージ。
このためそこまで大きな水槽は必要ありませんが、いくつかポイントがあります。
あらかじめ大き目の水槽を用意しよう
スネークヘッドの成長速度はとても速く、稚魚だと1週間で倍程度に成長する種類もいます。
このため、まだ小さいからと甘く見て小さい水槽にしてしまうと、すぐに買い換える必要が出てくるだけでなく、成長に問題が出ることもあります。
スネークヘッドは筋肉質で、比較的からだの硬い魚なので、狭い水槽だとうまく旋回できません。
つまり狭い水槽だと無理が出て、飛び出しや背曲がりなどの問題に繋がります。
このため、魚のフルサイズから考えて、幅は3倍以上、奥行きは2倍以上あるのが望ましいです。
たとえば成魚の全長20cm弱のレインボースネークヘッドであれば、幅60cm、奥行き40cmの水槽が適しています。
水量が十分な水槽を用意しよう
スネークヘッドはすべてフィッシュイーター、つまり肉食魚です。
肉食魚はスネークヘッドに限らず、水を汚す餌を与えます。
場合によっては生きた魚を与える場合もありますね。
水量が十分でないと、水質悪化が激しく、スネークヘッドといえど病気になることもあります。
小さいうちはとくに病気になりやすいので、できれば大きい水槽で飼育し、水量に余裕を持たせておくといいでしょう。
逆に大きくなれば本当に丈夫な魚なので、小さいうち特に注意して成長させればその後はほぼメンテナンスフリーになります。
蓋を取り付けられる水槽が必須
スネークヘッドはよくライズする魚なので、とくに小さいうちは落下事故が多いです。
活発な性格の子だと、夜中に常夜灯の電気に向かってジャンプして、蓋をバチコン叩いて驚かせてくることもあります。
このため蓋は常に閉めておく必要があります。
このため、上部が斜めにカットされていて蓋が取り付けられない水槽は避けたほうがいいでしょう。
小さいうちは隙間から飛び出してしまうこともあるので、アクリル板や塩ビ板、プラ段などをカットし、ぴったり閉められる蓋を自作するのもおすすめです。
スネークヘッドにおすすめのフィルター
スネークヘッドに限らず、肉食魚はけっこう迫力のあるフンをします。
つまり物理ろ過が重要で、定期的に掃除するためメンテナンスしやすいフィルターがベストです。
この条件を満たすのは上部フィルターで、多くの飼い主が上部フィルターを愛用していますね。
我が家も上部フィルターを使用しています。
スネークヘッドのヒーター
スネークヘッドは、種類によってはヒーターが必要です。
というより、ほとんどの種類でヒーターが必要になります。
必要ないのはコウタイ、タイワンドジョウ、カムルチーですが、これらも水温変化が激しいと体力を消耗し病気の原因になるので、できればつけたほうがいいです。
基本的には26度設定のヒーターで問題ありません。
もし、はやく大きくしたいといった場合には、代謝を活発にするため28度程度にしてもOKです。
コウタイ、タイワンドジョウ、カムルチーに関しては、めだか用金魚用ヒーターにあるような18度設定のヒーターでも大丈夫です。
スネークヘッド・雷魚の水槽レイアウト
スネークヘッドや雷魚の生息環境を考えるとレイアウトはあまり必要ないですが、種類によっては入れてあげるととても喜ぶ場合があります。
底砂はないほうがいい
底砂は、管理面を考えるとないほうがいいです。
我が家ではベアタンク気味にしています。ちょっとだけ砂利入れています。
ただし、ドワーフスネークヘッドなど一部では、入れてあげたほうがベストです。
彼らは砂利にもぐるのが好きなので、もぐれる深さ、もぐれるやわらかさの砂利を入れてあげるといいですね。
なるべく細かい砂がおすすめです。ソイルは避けたほうがいいですね。泥が舞いフィルターが詰まってしまいます。
大型種ももぐるんですが、大型のスネークヘッドがもぐる深さの底砂を入れるのは困難です。
水草は懲りすぎないように
入れても悪影響は無いですし、入れてあげるとあえて水草にもぐりこむような姿を見せてくれるので愛らしいのですが、懲りすぎ注意です。
というのも、先述したとおり底砂にもぐりたがるので、しっかりレイアウトするような水槽には不向きです。
全部抜かれてしまいます。
たとえば流木に活着させるなど、工夫して入れてあげるといいですね。
また、浮き草などを多めに入れてあげるのもおすすめです。
流木がおすすめ
スネークヘッドの水槽のレイアウトは、なにをおいても流木がおすすめです。
見た目的にいいだけでなく、流木からタンニンが染み出してブラックウォーターを作ってくれるからです。
スネークヘッドのほとんどの種類がブラックウォーターを好みます。
また隠れ家としてもベストで、したにもぐる姿や、溝に体をはめ込んで眠る姿も見られます。
スネークヘッド・雷魚の飼育管理
丈夫な魚なので、飼育管理もあまりむずかしくかんがえなくてOKです。
ほとんどセオリーどおりです。
スネークヘッド・雷魚の餌の種類
スネークヘッドはフィッシュイーターなので、肉食魚用の餌を食べます。
たいてい人工飼料に慣れているので、肉食魚用の人工飼料を与えれば問題ありません。
主なものは
・ひかりクレストキャット
・ひかりクレストカーニバル
でしょうか。
水面をよく泳ぐ個体にはカーニバルを、底面を泳ぐ子はキャットをという選び方で問題ありません。
もしこれらを食べないようなら冷凍赤虫を与えましょう。
冷凍赤虫だけでは栄養が偏るので、できれば生きたメダカを与えるのが理想的です。
生きた魚は入れただけ食べてしまうのであげすぎ要注意。
フィルター・底面の掃除
フィルターの掃除ですが、肉食魚だと物理ろ過がかなり負担が大きいので、こまめに洗ってあげるといいでしょう。
あとはフィルターがすいきれなかった泥状の汚れが水槽の底に溜まるので、それも定期的に吸い出してあげます。
それによって減った水を足すぐらいの水かえで十分です。
むしろ水はぴかぴかの状態にしたほうが体調を崩しやすいです。
スネークヘッドは丈夫なので、やることといえばこれぐらいです。
スラッジ(泥)が水槽内に沢山あると、爆発的にスネールが増えます。
我が家ではアベニーなどフグの餌になるのでほっといてますが、景観を乱すので気になる方はスラッジのたまりだけ十分にご注意を。
スラッジを除去すれば徐々に減っていきます。
スネークヘッド・雷魚の飼育についてもう少し掘り下げてみよう
というわけで、基本的な飼育方法は非常に簡単です。
ここからは、スネークヘッドの飼育方法についてもう少し掘り下げてみましょう。
スネークヘッドの混泳は困難
スネークヘッドは基本的に単独飼育推奨です。
同種同士はもちろん、ほかの魚との混泳もおすすめしません。
一部同種同士で混泳できるといわれる種類も、経験上けんかしてしまうことも少なくありません。
ポリプテルスセネガルスと混泳させたい人が多いようですが、基本的にはやめておいたほうがいいでしょう。
口に入る細長い魚は、飲み込めなくても食いつかれてしまいます。
可能なのはプレコなど、あまり視界に入らない種類の魚ですね。
我が家でもプレコだけ成功しました。
あとは過密飼育にすれば様々な魚と混泳できなくもないですが、成功するとは限らない上に管理しにくいですし、スネークヘッドのなつく姿が見られなくなるのでおすすめはしません。
スネークヘッドの繁殖も至難の業
同種同士の今栄も困難ということは、繁殖も難しいです。
そもそもオスメスの区別が付きにくい種類が多いので、ペアリングも困難です。
まれに成功したという事例がありますが、あえてやるのはおすすめしません。
いつか完璧な環境が作れたら挑戦してみようと思います。
スネークヘッドがなりやすい病気
基本的にめちゃくちゃ丈夫な種類なので、相当劣悪な環境でなければ病気になりません。
我が家のレインボーは8年目のおそらくおばあちゃんですが、病気は一度もありません。
お店でまれに見かけたのは白点と水カビぐらいです。
もし白点になったら、メチレンブルーか塩浴で。
水カビになたら、水カビをピンセットで取り除いてあげて、塩欲でOKです。
スネークヘッドの色飛びの対処法
まさにうちのレインボーもそうなんですが、スネークヘッドは色が薄くなってしまうことがあります。
うちの子はほぼ加齢によるもので、もう戻らないと思います。
まだ若い固体が色飛びしてしまったら、様々な対処法があります。
まずは水質を改善してあげること。
早い話がリセットですね。
ブラックウォーターぐらいは作ってあげたほうがいいので、安い流木か、ピートモスを煮出して作ってあげましょう。
あとは砂利の問題。
ベアタンクで砂利を敷いていない場合、ライトの照り返しで底が明るくなるので擬態のように白くなってしまうことがあります。
底砂を入れてあげるか、濃いブラックウォーターで対処しましょう。
ブラックウォーターの場合はpHを落とし過ぎないよう要注意。
うちは色飛び防止のために半分だけ砂利を敷いています。
次に餌の改善。
一部の餌は色揚げ成分が入っていません。とくに赤虫ですね。
そういった餌をあげている場合は、おやつとしてクリルなどを与えてあげましょう。
最後にフレアリングです。
これベタの飼育のセオリーですが、色が飛んでしまった場合は、敵が現れることで興奮して戻ることがあります。
これは活き餌をあげたときも同じなので、メダカや子赤などを与えるか、鏡を見せて敵を意識させてあげるといいでしょう。
結構賢いのか鏡に反応しない子もいます。
おすすめのスネークヘッド・雷魚トップ5
せっかく様々な種類を飼育してきたので、おすすめな種類をランキング化してみます。
5位:カムルチー
川辺をサイクリングしていたとき、氾濫した川から流されて浅い水溜りに横たわっていた固体です。
川の水を採取し、給水用のボトルに入れて連れ帰りました。
打ち上げられていたので大きな擦れ傷があり、持ち帰った後に水カビになりましたが簡単な治療ですぐになおるところが生命力を感じますね。
すごく警戒心が強かったですが、しばらくするとなれてグイグイ泳ぎ回る姿が楽しめました。
屋内ならヒーターも必要なく、非常に飼いやすい種類です。
ただし巨大になるので要注意。飼育下でも50cm前後になるので覚悟が必要です。
4位:アーモンドスネークヘッド
中型のスネークヘッドですね。
飼育下では30cm程度で止まる事が多く、比較的飼育しやすい種類です。
体色が変わりやすく、土のような色になったり、まだらになったりと見飽きません。
ひとつ残念なのが、わりと臆病な種類なのであまり人になれることが無く、鑑賞目的と考えると面白みにかける個体が多いということ。
あまりおすすめはしませんが、基本的に隠れているので比較的混泳の成功例も多い種類です。
3位:ドワーフスネークヘッド
小さくて見づらいですが、これドワーフスネークヘッドのベンガルオレンジです。
アクバスでみつけて、混泳できるの一言で購入に踏み切りましたが、残念ながら失敗して一匹は里子に出しました。今も元気だそう。
数が減って価格が上がり気味なスネークヘッドですが、ドワーフは比較的安価ですね。
また40cm水槽でも生涯飼育可能なので、大きい水槽が置けないというかたにもおすすめ
写真の画像は50cm水槽です。
2位:コウタイ
これまだ手を出していないんですが、すごく飼いたい種類です。
友人が90cm水槽で飼育していて、すごく綺麗な体色で毎度見とれてしまいます。
星をちりばめたようなスポットがとても印象的ですね。
飼育下でも30cm以上になり、けっこう活発に泳ぐ種類なので90cm以上の水槽がおすすめです。
1位:レインボースネークヘッド
飼育魚のスネークヘッドとしては代表格ですね。
わがやのレインボーの若かりしころです。
なんやかんやもう一番の古株ですね。買ったときもうフルサイズだったので、少なくとも9歳以上になると思います。
性質としては、基本は穏やかで餌や敵を見ると獰猛になります。
今17cmちょっとなので、比較的小型種になりますね。
比較的中層を好んで泳いでいるので、見やすいですしよくなつくのではまって飼ってもうこれが3匹目です。
かなり丈夫ですし、はじめての肉食魚にもおすすめです。
最近はなかなか流通せず、ちょっと希少になってきているかもしれません。
というわけで
今回はちょっと趣向を変えて肉食魚スネークヘッドのお話でした。
ほんとに好きな魚で、お店の水槽一面スネークヘッドにしておこられたのもいい思い出です。
丈夫で飼い易く、よく人に慣れるので初心者も環境が整えられるならおすすめの魚です。
数を減らしているという話もよく聞くので、大切に飼育して長生きさせてあげてくださいね。
ベタ・メダカ・金魚などに!繁殖成功に欠かせない「インフゾリア」の繁殖や管理、採取方法をプロが解説
現在ベタの繁殖にトライしている私です。
初体験の2人の下手な繁殖が痛ましくて心がきゅっとなる思いをしていますが、なんとか丁寧にがんばってもらいたいところ。
ベタの繁殖にあたって、人間がこの間することといえば餌の準備です。
特に幼いときの餌が重要で、その後の生存率や成長率、体格などに影響します。
ベタやめだか、金魚など、1mm前後の小さな体で生まれてくる淡水魚の初期餌として重要なのが「インフゾリア」です。
最近はなんとインフゾリアも生きたまま売っているようですが、ブリーダーからすればこのインフゾリアを増やすのもテクニックの一つ。
というわけで、今回はインフゾリアについてのあれこれをご紹介します。
そもそもインフゾリアってなんじゃね
百聞は一見にしかず。
これはインフゾリアを培養してみたボトルです。2Lコーラのボトルです。
若干にごって見えますね。
ではカメラの光学ズームだけで引き伸ばして見ましょう。
なにやらツブツブが見えますね。
小麦粉の粒ぐらいの小さな生き物が動いています。
では簡易顕微鏡でもっと引き伸ばして見ましょう。
丸みを帯びたものがビッシリいますね。
これがインフゾリアです。
実はこの中にも多数の種類がいて、それらをまとめてインフゾリアと呼びます。
インフゾリアとは、簡単に言えば動物性プランクトンの総称です。
代表的なものが「ゾウリムシ」ですね。小学校の理科でよく出てきたと思います。
これが稚魚の初期飼料として最適で、ブリーダーには必須の餌。
自然界の水にはやまほど微生物がいて、食物連鎖の一端を担ったり、水質の改善に役立っていたりします。
こういったものを培養して、魚のブリードに利用するわけです。
ベタファームでは、インフゾリア豊富な池の水を直接取って与えている場合もあります。
インフゾリアを与えなくても問題ないといえば問題ないんですが、とれる稚魚の数がぜんぜん違いますね。与えないと半分程度になります。
とはいえ、先述したとおり最近ではこれらも売っています。
インフゾリアの卵などパウダー状で販売されているものや、生きているものもありますね。
なので無理に沸かせなくても、各種観賞魚の育成にはことかかないでしょう。
ただ、買わなくてもある程度の知識と設備があれば簡単に沸かせることができるのも事実。
もし今すぐに必要なのでなければ、自家繁殖も試してみましょう。
インフゾリアの採取方法は?
インフゾリアは、実は買わずともそこらへんにいます。
水道水など、まったくいない水からでは増やしようがないので、まずはインフゾリアを採取しましょう。
池などから自然採取
小学校の科学の授業でやったかもしれませんが、ゾウリムシは池など自然の水辺から採取できます。
具体的にいえば、藻や沈んだ落ち葉などの近くに多く潜んでいます。
とくに水深の浅い場所を好んでいますね。
そこから水をそのまま採取すればOK。
網ですくっても多少はとれますが、小麦粉の粒レベルなので網だと大半が通過してしまいます。
場所さえ正しければ、コップ半分程度の水で十分種水の役割は果たしてくれます。
飼育水から採取
そんな池近くにないよ・・・という場合は、お手持ちの水槽を観察してみましょう。
インフゾリアはかなり小さいですが、目で見て見えないことはありません。
ガラス面などをよく見ると、小麦粉の粒レベルの小さな生き物がビビビッと動いていることがあります。
それが沸いていれば、十分飼育水から増やすことが可能です。
我が家の環境でも1つだけインフゾリアが沸いている水槽があるので、稚魚に与えるインフゾリアはそこから種水をとって沸かしました。
インフゾリアが沸きやすい水槽の条件としては、
- ある程度酸素がいきわたっている
- 栄養分が豊富(端的にいえば少し汚い)
- 輸入水草を使っていない
などです。
経験上栄養豊富になる肉食魚の水槽でめちゃくちゃ沸いてきますね。
砂利を敷いているなら砂利の中の水をスポイトで吸い取る。ベアタンクならろ過材の一部を失敬して種に使えばOKです。
インフゾリアの増やし方
種になるインフゾリアを確保したら、その後はあなたの腕の見せ所。
ここでプロの技術を・・・!
と、いいたいところですが、ぶっちゃけるとたいしたことはしません。
そもそもそんな難しいものならそこらじゅうの池で増えないですよね。
というわけで基本的なことがすべてです。
これ以上やってもダメだし、これ以下はもちろんダメです。
これがうちのインフゾリア培養装置。
ボトルは味海苔の容器です。
インフゾリアを沸かすといろいろな種類が増えてきて、ときに餌として不要なものも増えてきます。
カイミジンコとかが代表的な邪魔者ですね。ミジンコなのに魚は食べません。
そういうのを選別して、有効そうなヤツを味海苔ボトルにいれて増やし、大きい容器に移してさらに増やす方法をとっています。
最初はここから直接与えていたんですが、増殖のスピードより消費のスピードが上回ったので大きいボトルも2本用意しました。
では、このなかでなにをやっているか解説していきます。
①水は十分に塩素を抜いた水と種水を混ぜる
種水を多めにとってそのまま使ってもいいですが、いちいち採取するのも面倒ですよね。
これは難しいこと考えずに、水道水から塩素を抜いて使えばまったく問題ありません。
重要なのは塩素を十分に抜くというだけ。
ここが最大のポイントです。水道水を直接入れると最悪全滅します。
飼育水に沸いているなら、もちろんその飼育水をまるまんま使ってかまいません。
②インフゾリアの餌の餌を入れる
インフゾリアも生き物なので、餌が必要です。
インフゾリアの餌はいわゆるバクテリアになるんですが、さらにそのバクテリアの餌になるものを入れてあげるというわけです。
野菜の切れ端
正直ゆっくり腐るものならなんでもいいんですが、お手ごろなところだと葉野菜ですね。キャベツなんかです。
これはほんとにわずかでOK。1Lぐらいの水なら居酒屋で出てくるうま塩キャベツ1枚分ぐらい。
入れすぎるとどうなるかわかりますよね。ドロドロに腐ってインフゾリアどころではなくなります。
葉野菜を入れるときは、なるべくくちゃくちゃにつぶして入れます。
こうしないと痛みにくく、バクテリアの元になりにくいです。
強力わかもと
もしあればベストなのが強力わかもとです。
胃もたれのときとかに飲むやつですね。
これ昔お客さんから聞いて試したんですが、めちゃくちゃいいです。
1.5Lペットボトルに半分程度水を入れて、「種水」と「塩素を抜いた水」、そこに「強力わかもとを1錠」入れるだけでわさわさ増えていきます。
最初は強力わかもとの成分が魚に影響あるのではと思いましたが、成分表から見る限りは問題ないですし、魚よりはるかにデリケートなインフゾリアで問題ないなら飼育水に多少入り込んだところで問題もないでしょう。
理想を言えばなにか無農薬の水草を入れておくといいです。マツモあたりですかね。
ペットボトルの水を半分にしたのは、1日1回程度攪拌して酸素を取り込むためです。
エアレーションするならその必要はありません。
同じ効果はエビオス錠にもあると見たことがありますが、エビオスはまだ試したことはありません。
PSB
よく「稚魚の餌にいい」と言われるPSBですが、PSB自体にバクテリアが残っているかどうか、よく議論になりますよね。
結論から言えば、よくわかりません。あの密閉ボトルで開封までちゃんとバランスを保った環境が整っているのかはわかりませんし、保っていてもどういう環境でいつまで大丈夫なのか確証がないからです。
が、インフゾリアに対して効果があるのかないのかでいえばあると実感しています。
というのも、これバクテリアの培養液みたいなものなんですね。
つまりその中に生きたバクテリアが入っていようがいまいが、入れればインフゾリアの餌の元になるバクテリアを増やす効果があると考えられるからです。
PSBも最近いろいろな種類あるので一概には言えませんが、今回紹介している増やし方に関していえば入れて害はありません。
PSBそのものを培養する方法もあるそうですが、私はそんなリッチな使い方はできないのでまた未経験です。いずれ試してみようかな。
③定期的に振る・もしくはエアレーション
インフゾリアも生き物なので、酸素がなければ生きられません。
ペットボトルなど密閉できる容器なら、水を少なめにして1日1回ぐらい振れば十分です。
面倒だったり、増えてたくさんインフゾリアがいる場合はエアレーションしたほうがいいでしょう。
エアレーションならごく弱い空気量でOKです。水面が少し揺れて、水にかるく流れが生まれる程度に。
むしろ強すぎると存分に増えないことがあります。特にクズ野菜を入れているときは、腐った野菜が巻き上がって与えるときにも厄介なので、強いエアレーションは避けましょう。
酸素を出す石は避けましょう。水質が変わりすぎてインフゾリアが死ぬことがあります。
インフゾリアの与え方
成功すれば、1週間ほどで気持ち悪いほどに増えているはずです。
これをそのまま稚魚のいる水槽にいれれば餌になります。
もし葉野菜などを入れているなら一緒に入れてしまわないように注意。
インフゾリアは淡水の生物なので、水槽内でも特別環境が悪くなければ生きられます。
なので、多少与えすぎてもあせる必要はありません。
むしろ多めなぐらいがベスト。
もし自然からとってきた水を飼育水に持ち込むのがいやだという場合は、暗い部屋でインフゾリアのボトルにライトを当てれば集まってくるので、そこから吸い取って与えてください。
もしくは、エアレーションをしばらくしなければ水面付近に集まります。
これでなるべく飼育水に異物を持ち込まないようにできます。
インフゾリアが減ってきたら?
与えていると、ある一定時期からインフゾリアが増えなくなってきます。
原因は水が枯れてきたから。
新たに餌を入れれば再起可能ですが、バクテリアコロニーなど余計なものも増えているので立ち上げなおしたほうが簡単です。
方法は、この一度増えたボトルから水をとって、同じ方法で新しく立ち上げるだけです。
これで永続的にインフゾリアを増やすことができます。
あまりにインフゾリアが減りすぎると種水として利用できなくなるので、使用頻度が高いようなら増えたタイミングで種水をとり、もう1本立ち上げてしまってもいいかもしれません。
もうちょっと深く掘り下げてみよう
せっかくなので、盛り込めなかった知識をもう少しだけひけらかしてみようと思います。
牛乳は×
インフゾリアの培養に牛乳がいいと結構いろんなサイトにかいてありますよね。
いいか悪いかでいえばいいんですが、おすすめはしません。
というのも、適切な分量がわからないから。
別なページで、私がベタを入荷しまくってお店にベタ好きコミュニティを作ったというお話をしましたが、その仲間の一人のお客さんが、インフゾリアを沸かせてみたが沸いているかわからないと持ち込んできたことがありました。
その水には牛乳を入れたそうなんですが、端的に言えば大失敗していたんです。
簡単に言えば腐っていて、生き物が住めるような環境ではなかったんです。
原因は見るも明らかに牛乳です。
空けた瞬間まさに牛乳が腐ったにおいがして、デロデロになっていました。
私のボトルを1本あげて、屑野菜とPSBを使う方法でそこから成功したようですが、この事件から牛乳に恐怖心があります(笑)
謎の魔材「魚がいきいき」
これ地元のホームセンターで見つけたんですが、歯に衣着せず言えばまぁ危険なお薬でした。
売り文句としては謎の酵素の力でバクテリアが活性化するらしい。
しかし、ためしに分量どおりに入れた水槽は大崩壊。なんとph3台まで下がりました。
しかもいくら水かえしてもpHが戻らず魚が大量死し、結局リセットに。
クレーム嫌いな私がメーカーにクレームまで入れたんですが、なんともまあ魚に無知識なメーカーだったので、どんなに悪いものかと証明するために自分で実験してみたんです。
で、その過程で見つけたのが、インフゾリアの培養にはめちゃくちゃいいということ。
1Lのボトルに飼育水を入れて、そこに1滴お魚いきいきを入れると、爆発的にインフゾリアが増えたんです。
そしてその数日後にはなかったことのようにいなくなりました。
この結果から予想できることは、魚が生き生きの効果でバクテリアは確かに活性化しているということ。
爆発的に増えた後に減った理由は、phの降下でインフゾリアすら耐え切れない環境になったか、もしくはインフゾリアが増えすぎて餌が枯渇して餓死したかです。
微生物すら住めなくなる環境だと水質調整剤としてはごみ以下。むしろ毒ですが、これたぶんちゃんと適切な分量計算して、低濃度で利用すればめちゃくちゃいい製品になるんじゃないかと思います。メーカーさんにはちゃんと実験してしっかり積み重ねたデータの上で再度製品化してほしいです。
おそらくバクテリア関係で世界最強の製品になると思います。
適切な用量がわからない状態で稚魚に与えることを考えると、飼育水に魚がいきいきが入ったときのデメリットを考えればリスクが大きいですが、インフゾリアを増やすということだけを考えれば有効ということです。
ただ魚がいきいきが無害なレベルまで薄めるとインフゾリアの密度も下がるので、あえて使うメリットはないようにも思います。
大の天敵「ヒドラ」
マーベルコミックの敵の組織ではなく、生き物の名前です。
見た目自体はイソギンチャクみたいで面白いんですが、これがインフゾリアの天敵です。
そして、インフゾリアが爆発的に増えるとほぼ100%ヒドラが沸いてきます。
壁面にくっついてインフゾリアなどを食べる生き物なので、難しいこと考えずに別なボトルにうつせば特段大きな問題にはなりません。
もしそれも面倒だという場合は、いい駆除薬があります。
それが「プラナリアZERO」。
プラナリアは皆さんご存知、あたまを2つに割っても双頭で生きるかわいらしい顔したナメクジみたいなやつですね。
それを駆除してしまう薬なわけですが、これがヒドラにも効果テキメン。
複数のボトルでインフゾリアを沸かせたい場合は、手間を省くためにこういった駆除薬を用いるのもいいですね。
というわけで
今回はインフゾリアのお話でした。
インフゾリアを増やすこと自体はなにも難しいことはありません。
難しいのは、必要以上に増やすということ。
バクテリアは水槽の環境に合わせて数を増やし、それにあわせてインフゾリアも増えていきます。
つまり多く増やそうということ自体に無理がある方法なので、ここにコツがあります。
最重要ポイントは餌の確保ですが、今回紹介した方法のなかではやはり強力わかもとが効果的で、まさに強力だなと。
とはいえ方法はひとつではないので、自分のやりやすい方法でお試しいただければと思います。
色は予想外にいろいろ!?ベタの繁殖で掛け合わせを考えるポイントを実例とともにご紹介
現在ベタの繁殖に挑戦するにあたって、何匹か新しい子をお迎えしてきました。
ベタを繁殖させたいと思うのは、ベタの美しい繁殖行動を見てみたいという動機や、繁殖させて沢山飼育したいなどいろいろありますよね。
私があらためて繁殖させようと思ったのは「この素晴らしい固体を累代して残したい」という動機から。
しかし、現実にはそんなに簡単にいくものではありません。
とくに色はまったくの予想外が当たり前で、狙った色を出すなんてブリーダーでも困難です。
今回ピックアップしてきた子たちも、こうなってくれたらいいなという色はあるものの、そうなるとは限らないどころか、たぶん予想通りの色は生まれないものと思います。
というわけで今回は、私が累代させてきた中での経験からベタの掛け合わせで色がどうなるかをご紹介していこうと思います。
色を思い通りに出すのはほぼ不可能
いきなり結論ですが、ベタの色を繁殖で完璧に予測するのはまず不可能です。
たとえばがんばって探して買ったペアで繁殖させても、親と同じ色が出るのは半分以下。
逆に言えば、少ない個体から様々な色が楽しめると思えればお得でもありますよね。
私は変に画策しないで、気に入ったベタの子供を残したいという意図で繁殖させて、カラーは二の次。出た色を楽しんでいます。
では、なぜ思い通りの色が出ないのか簡単に説明していきます。
カラー・パターンがめちゃくちゃ多い
「ベタって何色の魚?」といわれて答えられないぐらい色が多い魚ですよね。
表現できない色は無いなんていわれています。
で、それは単純な赤青黄白黒なんてもんではなく、もっともっと細かくあります。
たとえば青系を例にとると、
スチールブルー
ロイヤルブルー
グリーン
など。
ベタはもちろん青色だけではなく、赤や黄色や黒、オレンジや白、金属光沢する固体などありますよね。
その色は4層から成っていて、そのどの層がどう見えているかでその固体の色が決まるというわけです。
ちなみに遺伝子の組み合わせで言えば2万通り以上あったはず。3万だったかしら。
発現している色の種類自体はさほど多くないですが、正直その遺伝がどういう関係で色に現れているのか私も正確にはわかっていません。いい書籍があればいいんですが・・・。
カラーは固定されているわけではない
ベタは血統書があるわけではありません。高級店だとついてくる場合もあるのかな?
つまりは、その固体がどこでどう混ざってこの色になったか確証がないんです。
突然ですが、私は祖父似です。
顔つきはもちろん、手先の器用さや思考パターンがとても似てる。
なんなら手の形も似ています。
単純に偶然かもしれませんが、こういうことはベタにも起こりえるんです。
たとえば私が過去に繁殖させた固体で、赤×赤で1匹だけ黒が出たことがあります。
実は黒に関しても数種類あり突然変異ででることもあるので、おそらくですが、どちらかの親に黒が掛け合わされていて、それが突如現れたのではないか。と思います。
隔世遺伝とも言いますね。
人間だとまれですが、ベタは生まれる数が多く、わかりやすく色に表れるので、こういうことが頻繁に起こります。
「現状この色なんだからこの色の系統なんだろう」というのはたしかに正しいんですが、実はそうとも限りません。
ベタファームの繁殖方法は本当に様々で、個人が趣味で水槽でやるように丁寧な繁殖を大きいボトルで行う場合もありますが、安く流通しているベタに関してはそうとも限らないんです。
私が見たファームだと、人間が入れそうな大きな水がめに水草をわっさり入れて、なんと適当にオスメス複数入れて勝手に増えてくださいスタイルを取っていることがありました。
日本のセオリーだと考えられませんよね。
でもこれだとペアリングの手間をそっくりそのまま省けますし、いい個体だけ流通させれば効率だけを考えると理にかなっています。
もちろんすべてがそうではないんですが、繁殖においては見えている色が確定されているとは限らないということです。
じゃあ結局どうすればいいのよ
いきなり大否定から入ってしまいましたが、じゃあ実際に繁殖させるならどう掛け合わせたらいいのかを考えてみましょう。
色は無視
繁殖させたいだけならこれに尽きます。
ベタは人間みたいに肌の色で差別しないので、好きな色で掛け合わせることが可能です。
なんならひれの形も関係ありません。
最後に例を出しますが、ハーフムーンとクラウンなどの繁殖もぜんぜん可能です。
まったく違う色を掛け合わせても、数匹親と似た個体が生まれることも多いです。
唯一メラノブラックだけは注意が必要です。
というのもメラノブラックのメスには繁殖能力が無いからです。
基本的には流通しないので問題ありません。
同系色で繁殖
これが一般的かと思いますが、親の色が近いペアで繁殖させる。
先に述べたとおり、同じ色にしても様々な色があり、遺伝的にはまったく違う場合があります。強弱の色系統もありますね。
このペアだと、先祖のカラーが出たときにわかり易いというメリットもありますね。
まれに、同じ色を掛け合わせると打ち消しあうのか白や透明になることがあります。
ドッグブリーダーは同じ色の子を合わせないという話を聞いたことがあるので、なんかしらの因果関係があるんでしょうね。
F1同士で繁殖
熱帯魚やエビなどにはまっていろいろ調べると、「F1」や「F2」 というなぞの記号に突き当たりますよね。
ちなみに昆虫界隈でもよく使われます。
これ何かというと、「F」はラテン語のFiliusの頭文字で、簡単に言えば子の意味です。
ちなみにPはParensで親という意味です。
F1はというと、1世代目の子供という意味。
じゃあF2はというと、その子供同士の子供ということになります。
難しい言葉で言えば同胎兄妹交配ですね。
F1、F2固体にお店で買ってきた別な固体を掛け合わせると、そこからまたF1、F2と数字がリセットされます。
これのメリットはというと、より体格的な特徴やカラーが出現しやすいというメリットがあります。
赤×赤の固体でいえば、F1世代では赤を中心に、隔世遺伝で青やら黄色やら白やらが混ざることがあります。
で、F2世代になると、さらに赤の固体が増え、混雑した色が出にくくなるというわけです。
ベタファームでも、F固体をしっかり管理していてもそれを流通させることは少なく、ペアでもF同士ではないことが多いです。
ファームから直接買い付けの場合はF1の可能性もありますが、露天買い付けだとたいてい近い色を仕入れてペアで流通させる形が多くなっています。
このため、たとえば知り合いが増やしたのを譲り受けたり、お店で繁殖した固体などかなり限定的なシチュエーションですが、F1同士、F2同士の繁殖なら、カラーや体格はその子供にも発現しやすくなります。
実際の例
これは私が始めて繁殖した固体で、うれしくてバシバシ写真を撮っていたので奇跡的に残っていました。
もう10年近く前ですかね。
ハーフサンを作りたくて、ハーフムーン♂×クラウン♀でなるんじゃないかと安直に繁殖させたペアです。
メスは見てのとおりグリーンで、オスはグリーンのボディにひれが赤系だったと思います。
で、結果はというと
こんな感じ。もちろんこれだけではないですし、メスもいて比率は♂4:6♀ぐらいでした。全部で20匹ちょっとだったかな。
ほぼすべてクラウンテールですね。
ハーフムーンはメスも含めていなかったと思います。
逆に、カラーは大半がオスに似ました。
私の環境だとこれ以外のペアでもカラーはオスからの遺伝が強かったです。
今回は別種でのペアですが、同種同士でもひれの形はメスからの遺伝が強く、良い型を出すならメスの重要度が高い気がします。
ボディは両親とも白ではないんですが、白い固体が多いですね。
これはどのペアにも起こりえることで、体が白くなったりヒレまで真っ白になったり透明になったりはよくあります。
親同士が同系色だったときに起こりやすいので、打ち消しあうような作用が働いているのかと思います。
特に4枚目の写真の子がすごくきれいに育ってくれて気に入っていたんですが、どこ探してもその写真が無く・・・。
とりあえずいえることはオス似、メス似以外にも様々なパターンが出現するということ。
このペアだととんでもないカラーはいなかったですが、まれに見たことも無いような色が出ることも。そういう固体がでても責任が持てるなら繁殖させてもいいかなとおもいます。
というわけで
経験則だけで超ざっくりな情報でしたが、なにかの参考になるのかな・・・?
数十ペア繁殖させた結果は、もう正直
わけわかめです。
古いですがそれはおいといて
もうお手上げです。
何をどうしても突然違う色でるし、完璧だと思ったペアの子供が白くなることもあるし、数年の繁殖家経験からは何もつかめませんでした。
タイのブリーダーさんも、「ほしい色があるなら買ったほうが早いぞ」と言うほど。
結局私の行き着いた結論は、最初に言ったとおり出た色を楽しむ。
これに尽きます。
遺伝と色別の強さを考えればおおよその予想はできますが、それも競馬の予想並みに運否天賦です。
つまり確率は上げられるけど、そうなるとは限らないということです。
改良や固定化を目的とするのでも無ければ、出た色を楽しむ気概で楽しむといいかなと思います。
というわけでベタの掛け合わせに関してでした。
理解していても文章にすると頭が痛くなるので、細かい遺伝の話はまた別の機会に。
こちら別の機会。
yasasiinettaigyosan.hatenablog.com
ベタに大切な筋トレストレッチ!プロが教えるベタのフレアリングの方法と、フレアリングさせるのメリット
ベタは闘魚とも呼ばれ、先頭本能の強い魚です。
大きなヒレを広げて、威嚇する姿は妖艶でとても魅力的です。
この威嚇する姿を「フレアリング」と呼びます。
フレアリングは魅力的なだけでなく、ベタにとって重要な意味も持っています。
今回は、ベタのフレアリングの方法と、フレアリングをさせるメリットや注意点についてご紹介します。
ベタの世話に必ず必要なフレアリング
ベタには様々な色があり、様々なヒレの形があります。
最もひれや色の特徴がわかりやすいのが「フレアリング」をしているときです。
フレアリングはベタの威嚇行動で、体を大きく見せるためにヒレを全開にしてエラも大きく広げます。
カタログや通販の写真にあるのは、たいていこのフレアリング中の様子です。
このフレアリングは人間を楽しめるためだけではなく、ベタの状態を保つために必要なお世話のひとつです。
フレアリングの方法
フレアリングの方法は難しいものではありません。
家にあるもので簡単に行うことができます。
鏡を見せる方法
もっとも簡単なフレアリングの方法は、水槽越しに鏡を見せる方法です。
これによって鏡に映った自分の姿を敵だと勘違いし、フレアリングして威嚇します。
ベタを単体で飼育している場合にはこの方法が一番手軽です。
別のベタを見せる方法
鏡を見せるのは別なベタが自分のテリトリーにはいってきたと思い込むからです。
これは水槽越しに2匹を向かい合わせても同じなので、複数飼育しているなら実際にベタ同士でフレアリングさせることも可能です。
間違っても同じ水槽に2匹入れないようにしましょう。フレアリングだけでなくつつき合ってデスマッチが始まります。
フレアリングさせる時間
フレアリングはベタが命を懸けてするものなので、非常に体力を消耗します。
このため長時間すると、体力を消費しすぎて弱ってしまうこともあります。
固体によって違うので決まった時間はありませんが、私は成魚の場合は長くても5分程度で抑えます。
ハーフムーン系はヒレが切れやすいので、1分程度でやめることもあります。
生後2ヶ月程度の稚魚の場合は10分程度させることもありますが、あまり興奮させるとビンなどに体をぶつけて怪我をする可能性もあるので様子を見て時間を変えています。
フレアリングさせるメリット
フレアリングはさせると美しいだけでなく、状態を保ちます。
このためフレアリングはさせるべきというよりは、かならずするべき世話のひとつともいえます。
その理由は以下のとおりです。
ひれの形を保つ
改良ベタの様々なヒレは、長い年月をかけて固定化したものです。
つまり本来の姿とは違い、体には負担が出ます。
このため、トレーニングをしなければすぐになまってしまいます。
つまりフレアリングはベタの筋トレであり、ストレッチでもあるのです。
フレアリングを怠ればヒレの筋肉が固まってしまい、まったく開かなくなってしまうこともあります。
とくに成長途中のベタはフレアリングによって、成魚になったときの体格がまったく変わります。
稚魚は毎日複数回、成魚はできれば1日1回はフレアリングでストレッチさせてあげましょう。
色を保つ
ベタのフレアリングは、体色を保つ効果もあります。
この原理はわかりませんが、おそらく血行をよくすることで体色を濃くすると考えられます。
フレアリングしなくなったベタは若くても体色が落ちてしまうので、なんらかの因果関係がある可能性が高いです。
求愛行動の練習になり繁殖を成功させる
ベタのフレアリングは、求愛行動でもあります。
ただし、威嚇時の攻撃的な動きではなく、自分を観てもらえるようにユラユラと体をくねらせます。
普段からフレアリングさせることで繁殖時もスムーズにフレアリングできるので、繁殖を考えているベタにはこまめにフレアリングさせておくといいでしょう。
便秘防止
ベタは便秘になりやすい魚です。
人間であればそこまで重く考えない症状ですが、ベタの場合は便秘のままなにもしないと死んでしまうことも少なくありません。
フレアリングさせて体を激しく動かすことで、便秘を予防する効果があります。
もちろん便秘になりにくい餌を与えることも重要なので、全体的な管理と合わせて便秘を予防してあげましょう。
泡巣を作るようになる
ベタの水槽に、気づいたらたくさんの泡が付いていることがあります。
これは泡巣と呼ばれるもので、ベタの繁殖に必須です。
これはベタのテリトリーを表すものでもあるので、フレアリングさせて外敵を意識させると、テリトリーを主張するために泡巣を作ることがあります。
繁殖を考えているが泡巣を作らないという場合には、こまめにフレアリングさせてあげるときっかけになることがあります。
フレアリングさせるときの注意
フレアリングしている姿は愛らしく妖艶ですが、本人たちには死活問題です。
やりすぎることは負担になり、リスクもあります。
ヒレが切れてしまうリスク
フレアリングをさせすぎると、ヒレの条(骨の部分)が開きすぎて、ヒレが裂けてしまうことがあります。
また流木などが入っていると、フレアリングで暴れたときに引っかかって裂いてしまうリスクもあります。
このためベタの水槽にはなるべくレイアウトを入れず、フレアリングをするときにはなるべく短い時間で終わらせるといいでしょう。
やりすぎると外敵に慣れてしまう
フレアリングを長時間続けたり、ずっと隣にベタが見える状況が続くと、外敵に慣れてフレアリングしなくなります。
このため、やはりフレアリングは短時間で終わらせることが重要です。
フレアリングしないベタは?
ショップでずっと隣のベタが見える状況にいたり、家で適当にフレアリングさせていると、フレアリングしないベタになってしまいます。
先に述べたとおり、フレアリングしないとヒレが開かなくなったり、便秘になりやすくなったりします。
フレアリングをしない場合は、早めに対処する必要があります。
しばらく隔離する
まず行うべきは、一人でいさせることです。
これで回りになにかいる環境を忘れさせ、本能を思い出させます。
これは人間に対しても同じで、ボトルの周りを何かで囲ったりして完全に隔離し、餌を与えるとき以外は姿を見せないようにしましょう。
数日に1度フレアリングを試し、1週間変化がなければ次の方法に移ります。
無害な魚と同居させる
お店で隣に外敵が見え続けたベタが、フレアリングをしなくなる原因のひとつは、見える外敵が自分に襲ってくることが無いと学習してしまうからです。
なので、ベタに危害を加えない魚を同居させ、予想外に接近される経験をさせると警戒心が生まれます。
その後、鏡などを見せると、フレアリングするようになります。
同居させる魚は、出したり入れたりしたときの水質の変化に強く、ベタに襲い掛からない魚です。
おすすめはアカヒレあたりです。
メスを同じ水槽に入れる
ベタは威嚇だけでなく、繁殖時もフレアリングします。
威嚇のためのフレアリングを忘れてしまったベタも、メスを入れると繁殖のためのフレアリングをする場合があります。
もちろんいきなり入れてしまうと攻撃してメスを傷つける、気が強い雌だとオスを傷つける可能性もあります。
フレアリングを誘発させるなら、直接水槽にいれず、穴を開けて口を切ったペットボトルなどにメスを入れて、オスの水槽に入れるといいでしょう。
ヒレが固着してしまっている場合は
あまりに長い時間フレアリングせずに、ヒレが固着してしまっている固体は復活しない場合もあります。
そういった固体は上手く泳げず、酸素を吸いにいったり、餌をとりに行ったりするのも困難です。
こういった固体の場合、なるべく水位を下げて飼育してあげましょう。
水位が低いと水量が少なくなり、水質が落ちたり水温変化も激しくなるので注意して管理してあげてくださいね。
というわけで
ベタはフレアリングひとつとってもこれだけ奥深い魚です。
見た目の美しさを理由にフレアリングさせるのも良いですが、少しこだわってベタの体調管理のためのフレアリングも重視してあげてくださいね。
元熱帯魚ショップ店員が考える評判のいい熱帯魚ショップを選ぶ3つのポイント
いきなり悲しいお話ですが、最近管理のひどい熱帯魚屋がとても多い。
正確には、熱帯魚屋というかホームセンターなどの「熱帯魚コーナー」ですが、コケまみれ貝まみれ病気だらけ。
正直なところ、利益の取れない場合は見捨てるのもやむなしの業界です。
しかしそれを理由に見捨てるならば、利益を最大化するためロスの少ない管理は必須です。
でなければ悪い状態を放置するのはただの怠慢。
魚好きからいえば、命を無碍に扱う虐待といってもいいでしょう。
運営方針など大きな力も働くため、単純にそこの管理をしている店員さんが悪いわけではないので、変に暴言を用いて罵倒するのはよくないとだけ言っておきますが、その状態にしておいていいとは思いません。
では逆に、いい熱帯魚屋とはどんなお店なのか。
私も元々その業界の人間なので、自分の飯の種になってくれる魚への思いやりと、買ってくれるお客さんに対する責任。ついでにいえば変なクレームをはじき返せるいい状態にしておくために意識した3つのポイントがありました。
どんな熱帯魚屋で魚を買えばいいのか、また、いい状態を保つために何を意識すればいいのか悩んでいるお店の管理者の方に向けて、私が重視した最低限守られているべき3か条を再確認してみようとおもいます。
第壱条:飼育の三大要素にこだわる
魚を飼育する上で、どんな種類でも考えるべき3つの要素があります。
それが
- 水温
- 水質
- 餌
です。
雑多な熱帯魚コーナーだと、この3つどれも守られていないこともあります。
またこの1つとしておろそかにしているなら、そのお店で買うべきではないといえます。
水温は種類別に最適化されているか
水温は観賞魚を飼育する上でまず重視されるポイントです。
たとえば金魚なら15~25度、熱帯魚なら24~28度、海水魚は20~30度など、細かく言えば種類や生育状況によっても変わってきます。
この水温がしっかりと管理されているか。
水温が管理できていないと、病気を誘発したり、魚に負担がかかって水温自体で死んでしまうこともあります。
というのはすこし熱帯魚を飼ったことがある方なら知っていますよね。
しかしそれを重視していない熱帯魚コーナーが多いのも事実。
水温計を常設していない場合は、購入前に店員さんに水温を聞いてみるといいでしょう。
ろくに管理していなければ、すぐに答えられないはずです。
私の勤めていたショップでは、景観と管理を考えて(掬うときに邪魔になるので)水温計は常に水槽内にあるわけではなかったので、水温計がないから管理がおろそかというわけではありません。
最低限守っていなければいけないpH
水質と一口に言っても、様々な要素があります。
たとえばバクテリアの定着度合いやそれにともなう有害物質の濃度、魚に有効な成分の濃度、高度などなど、様々です。
なかでもまず注意するべきはpH。
難しくいえば水素イオン濃度を表す言葉ですが、簡単に言えば酸性かアルカリ性がを指す指標ですね。
これも酸性アルカリ性どちらがいいというわけではなく、魚の種類によります。
もしpHが適切でないとどうなるかというと、ビオレなど弱酸性石鹸でお肌に負担をかけないとうたうものがあるとおり、体表に負担がかかり病気の確立があがります。
また水は魚が体内に直接取り込むものなので、急激なpHの変化は魚を直接死に至らしめることもあります。
つまりは魚に適したpHを保っていないと魚が弱った状態にあるだけでなく、あなたが適切に管理している水槽に買った魚を入れたときに、魚がそのpHの変化で死んでしまう可能性すらあるということです。
お客さんに売り渡す、つまりお店は環境を変える前提で飼育するのだから、お店をやる上でpHの管理は最重要といっても過言ではありません。
適切な餌を適量与えているか
魚にはそれぞれ適切な餌があり、飼料メーカーはそれを重視して開発します。
適切な餌を長い間与えていないとどうなるか。量を食べても栄養失調になることがあります。
また観賞魚は、原種から考えて特異な体をしている場合があります。
たとえば金魚のらんちゅうやオランダなんかは、元の姿とは似ても似つかない様相ですよね。
その特異な体格を維持するために、ある程度餌の栄養成分を重視しなければならない場合があります。
体格だけでなく色をきれいに発色させるため、エビなら脱皮で失う栄養素を補給するなど適切な餌があります。
餌もpHと同じく、売り渡した後の問題もあります。
仮に、ベタに金魚の餌を常用していたとしましょう。金魚の餌とベタの餌はそこまで成分が違わないのでそれで死に至る可能性は低いです。
しかし、魚は獲物を覚えるので、急に本来の餌を与えても食べないことがあるんです。
これ何も知らなかったら困っちゃいますよね。
わざわざそんなことをするかと思いきや、割とよくある話なんです。
先日弊店間際のホームセンターで、らんちゅうにカメの餌を与えているのを見ました。
成分的には悪影響はないですし、金魚ならなんでも食べてくれるので問題ないといえばないんですが、よくはないですよね。
これも購入前に「お店で何を与えているのか」を聞いてみるといいでしょう。
第弐条:ショーベタの管理がまともか
私はベタ溺愛人間なので、ベタの管理がおろそかなショップはまず信用しません。
そういう私恨だけでなく、明確な理由があります。
ショーベタ、とりわけどこにでもいるトラディショナルタイプのベタの管理は、サルにも覚えさせればできるレベルに簡単です。
そこそこの温度の部屋なら、適度に水換えして、適度に餌をあげていれば、ほとんど死ぬことも病気になることすらもありません。
こだわればいくらでもこだわりようはありますが書き始めると日が変わるので、とりあえずそれはおいておいて。
じゃあなぜそれすらできない店があるのか。
単純にやる気が無いからです。
予算がない?わけないですよね。
水道代と餌代だけです。
時間がない?わけもないですよね。
水換えて餌あげるだけです。
知識がない?なくてもできますよね。
つまりは単純に魚に対する本気度がないんです。
管理があれほど簡単であんなに愛嬌のあるなつっこい魚をぼろぼろになるまで無視できるのは、運営元が悪いわけでもなんでもなく、担当者が魚に対する興味がないんです。
これもたくさんいる中の1匹や2匹なら仕入れ前の環境も影響してきますし、ちゃんとやっていても起こることがありますが、複数いるならもうダウトです。
そもそもそれを客の目に留まる場所においておく次点でドボンです。
私恨たっぷりになってしまいましたが、つまりはベタの管理もできない程度のお店の魚なんてどの魚も買うべきでないんです。
余談ですが、「管理のいいお店」と呼ばれるところでは、ベタの状態がすこぶるいいです。
まさに先日ベタを4匹買ってきたんですが、みごとに評判のいい店の固体は状態がよかったです。
色や体格はさておき、餌食いもフレアリングも愛嬌も特に評判がいいお店から買った1匹がダントツでした。
1日かけて5店舗から吟味してきたのでどれも悪くはないんですが、やっぱり評判のいいお店の個体は軍を抜いていました。
たとえばネオンテトラの状態なんてそこそこ目が肥えてないと判断できないですよね。
でもベタなら見たとたんにわかります。
ベタの状態はお店のバロメーターにもなるので、初めてのお店に行くなら、買わずともちらっとでもいいのでベタを観察してみることをおすすめします。
第参条:店員さんとコミュニケーションが取れる
魚は無数の種類があって、ペットとして流通するだけでも数えきれない種類がいます。
一見同じ種類でも産地やブリードかワイルドかなどでも管理方法がすこし変わったりしますし、これらの飼育方法や特徴をすべて把握するのは困難です。
そこで頼りになるのが、実際にその生体を管理している店員さん。
実際に管理している人はこれ以上ない情報源です。
私も含め、ショップ店員には変な人も少なくありません。
なので、まれにコミュニケーションがしにくい、好きじゃないといった店員さんがいるのも事実。
飼育方法を聞きたいだけでなく、管理状況を確認したいときにも話しかけられないのではどうしようもない。
なにも愛想がいい人を選べと言うわけではありません。
自分が取っつきやすくて知識がある店員さんがいるお店があなたにとって最善のお店です。
というわけで
もちろんこれだけではないんですが、最低限お店に守ってほしい、また、魚を買うときにお店選びで重視しているポイントでした。
当たり前のことしか言っていませんが、あまりに管理の悪いお店を見つけてしまったので書かずにはいられませんでした。
クレームを入れても、状況がよくなるどころか無知でおろかな責任者があれこれやって悪化することもありますし、あまりクレームで自分のいいようにしようというのは好きではありません。
こういったお店を反面教師にして、せめてみなさんにはいいお店で購入してもらえれば幸いです。
ベタの色は体調のバロメーター!プロが教えるベタの色が落ちてしまった、抜けてしまった場合の治療法
ベタは様々な形に加えて、きらびやかな色も魅力ですよね。
しかし、あるときベタのきれいだった色が抜けて、なんだか別人のようになってしまうことがあります。
実はこれよくあることで、ちょっとしたことで色が抜けてしまうことも少なくありません。
というわけで今回は、色が抜けてしまったベタの対処法をご紹介します。
ベタの色抜け・色落ちはよくあること
こちらのベタ、一目ぼれして連れ帰ったスーパーデルタのオスです。
バンドはちょっといびつですが、ブルー・レッド・ブラックのトリカラーで価格も安く、ぜひ繁殖用にほしかった個体です。
水槽に入れて1週間経ち、突然色が落ちてしまいました。
ブルーがグレーっぽく、レッドも暗くなってしまいましたね。
実はこれほとんどの場合病気ではなく、ちょっとした環境の変化でこうなってしまいます。
実際この子も元気いっぱいで、餌食いも問題ありませんでした。
今回は復活したので原因は特定できているんですが、せっかくなので色が落ちる原因について考えてみましょう。
ベタの色が落ちる原因は?
ベタの色落ちは、端的にいえば環境があっていないことが原因です。
合っていないと必ず色が抜けてしまうというわけではなく、その固体によって抜けない場合も有ります。
とくに今回のようにブルー(グリーン)系は変化がわかり易いですね。
原因になりえる環境と、その対処法を考えてみましょう。
水流が強すぎる
ショーベタの場合、水流を極端に嫌います。
これは大きなヒレが水流を拾いやすく、流されてしまうから。
流されてしまうと空気呼吸できず、大きなストレスになります。
ベタにフィルターを使わないのはこのためで、水質変化に強いからではなく、水流のストレスを避けるためです。
対処:フィルターは使わないor工夫する
水をきれいに保つこと自体はベタにも理想的なので、フィルターに意味が無いとは言いません。
基本的には水換えで対応するのが理想的ですが、水質の変化にも繋がります。
もし設置したい場合は、「エアリフト式スポンジフィルター」「エアリフト式投げ込みフィルター」「エアリフト式底面フィルター」など、水流を極力弱くできるものを使用しましょう。
また排水がベタにあたることのないよう、壁に向けて流したり、仕切りを作ったりしましょう。
餌不足・栄養不足
人間が栄養失調で顔色が悪くなるのと同じように、ベタも栄養が不足すると発色が悪くなります。
ベタの専用の餌を与えていればそこまで極端に悪くなることはありませんが、あまりに古い餌だったり、ベタ専用の餌を与えていないと色落ちの原因になります。
また小食の場合も同様に栄養不足の色落ちの可能性が出てきます。
対処法:餌を見直す
餌に原因がある可能性があれば、まずは餌を買い換えてみましょう。
古いものなら新しいものに、新しいものなら違うメーカーのものにしてみるといいでしょう。
餌食いが悪い場合には、生餌(なまえさ)もおすすめです。
手軽なところでいえば、冷凍赤虫や冷凍ブラインシュリンプ、ミジンコなどですね。
とくにブラインシュリンプには発色を助ける効果があるといわれているのでおすすめです。
万が一それでも食べない場合、生餌というか活き餌(いきえさ)になりますが、イトミミズが抜群の食いつきを見せます。
イトミミズが動くことでベタの興奮を誘い、発色をよくすることもあります。
本気でベタを飼うなら活きイトミミズはぜひ用意したい餌です。
これらをバランスよく与えれば、栄養が原因であれば徐々に色が戻ってくる可能性が高いです。
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水温が低すぎる
ベタの適温は28度と、比較的高めです。
このため低水温に弱く、20度付近まで落ちると色落ちすることがあります。
原産地では年中温暖な気候なのでヒーター無しでもこの水温になりますが、日本では秋~春の気温では低すぎるので、この時期に色落ちした場合には水温に原因がある可能性が高いです。
対処法:ヒーターを使う
水温が適温から大きく外れてしまう寒い時期は、暖かい部屋においてあげるか、ヒーターの設置などが必要になります。
ヒーターの設置は、水槽などある程度スペースのある入れ物でなければいけません。
このため、ビンなどで飼育している場合は水槽に移す必要があります。
もし複数飼育していてヒーターを用意できない場合は、「湯煎」のような方法で暖めてあげましょう。
このように、水槽に水を張ってそこにヒーターを設置し、ビンもその水槽で暖めてあげる方法です。
実質の水量が多くなり、冷めにくくなるので電気代も安く済むことも多く、複数ビンで飼育している場合におすすめの方法です。
ただし、この方法は水槽の水が減りやすく、ヒーターが水から出てしまうと故障や火災の原因になるので十分な量の水を常に入れておくこと。
またヒーターから近いビンは適温以上の水温になってしまうので、ビンが直接接触しないようにヒーターにはカバーをつけ、をエアレーションや水中フィルターなどで水槽側の水を循環させてあげるのが好ましいです。
水質(pH)が合っていない
ベタは水質、とりわけpHに意外とシビアな生き物で、体調を崩さずとも色が悪くなる原因になります。
多くのお店で、「ベタはpH6前後の弱酸性の水がいい」とアナウンスされていますが、実はそうとは限りません。
ベタファームの一部では海が近いことで、地下水に海水が染み出してアルカリ性に傾いている場合があるんです。
こういったファーム出身のベタの場合、pH7~7.5程度の水が適しています。
とくにろ過のできないビンでは、餌の腐敗などで水質が酸性に傾くこともあります。
対処法:定期的な水換えorpH調整
日本の水道水は、平均pH7.6と中性~ややアルカリ性で維持されています。
このため、アルカリ性を好むベタの場合は水換えで適切なpHを維持することが可能です。
ただし地域によっては水道水のpHが平均から大きく離れている場合もあるので、もし水が合わない場合は、まずはpHを測定してみましょう。
中性~アルカリ性で発色が悪い場合は、まずは多くの場合で適している酸性にかたむけます。
pH調整剤もありますが、なるべく自然にpHを下げる方法として「ヤシャブシ」や「アンブレラリーフ(マジックリーフ)」の投入をおすすめします。
中性~酸性の水でも直らない場合は、アルカリ性に傾けてみましょう。
こちらもpH調整剤で対応できますが、「カキガラ」や「サンゴ砂」の投入で徐々にpHを上げることができます。
いずれも、急激にpHを変えるのではなく、徐々に上げる、徐々に下げることが重要です。
レイアウトではげてしまった
全体的にではなく一部だけ色落ちしてしまった場合、キズの可能性があります。
ビンに砂利や流木などを入れている場合、ベタが底に引っかかって体の一部を削いでしまった可能性があります。
ベタのヒレはかなり繊細なので、基本的には底材もレイアウトも入れないほうが好ましいです。
対処法:レイアウトを取り除き病気を予防する
まず傷を増やさないために、砂利や流木を取り除きます。
そしてその傷から水カビ病やエロモナス病などを発祥しないよう予防する必要があります。
薬剤を低濃度で入れるのも有効ですが、薬剤はベタの負担にもなります。
まずは塩浴といわれる方法で病気を予防しましょう。
フレアリング不足
因果関係はよくわからないんですが、フレアリングをあまりさせないことで発色が悪くなる場合もあります。
運動不足で血行が悪くなるのかなんなのか、落ちやすい固体はフレアリングをこまめにしてあげることで色があがってくることもあります。
ベタを買うなら2匹飼うか、鏡を用意して適度にフレアリングさせてあげましょう。
というわけで
ベタの色落ちにはこのような原因が考えられます。
上で紹介した我が家のベタの場合は、
- 白にごりが出たのでフィルターをつけた
- 餌食いがよくなかった
- pHが酸性だった
この3つのポイントのどれかが原因だったようで、フィルターのない水槽に引越し、イトメと乾燥ブラインをメインに餌を与え、pH7まであげることで、ある程度色は戻っています。
このように心当たりがあるものをつぶしこんでいけば、基本的には発色が戻ってくるでしょう。
ただし遺伝的に色落ちしやすい子も存在するので、その場合は基本的に戻りません。
今回紹介したのは適切な飼育環境なので、もし色落ちしていなくても配慮してあげたいポイントです。
色が落ちるのは一瞬ですが、戻るのには時間がかかるので根気よく対処してあげてくださいね。