【実際に】プロが教えるもっともシンプルなショーベタの水槽立ち上げ!【飼ってみた】
運命の出会い!
↑今回買った子ではありません
今日はストックしているイエコが在庫切れしたのでペットショップに。
そこで偶然見かけた一匹のベタさん。
ベタは元々大好きで、タイからショーグレードを取り寄せたり繁殖させてショップに卸していたほどです。今だからいえますが、ベタのために当時の年収と同じぐらいの金額を5年間で使っています。どうやって生活してたんだ・・・?
しかしながら品評会なんかは土地柄もあり出していなかったので、あくまで似非ブリーダーです。
ハーフサンなんかも名前を知る前に自分で作っていました。売られているほど綺麗なものはできなかったので、やはり本場のブリーダーの努力と技術は凄いですよね。
そんな思い出もあってまたベタを飼いたいなぁと思っていたときに、運命的に出会ってしまいましたベタさん。
グレードは並のクラウンテールですが、カラーが好きでした。
条にスチールブルーが入っているいわゆるブラックオーキッドですかね。
結構ベタの管理も並な感じだったので、病気になる前にと
衝動買いしちゃいました。
せっかくなので立ち上げの風景と使っている餌や飼育環境をご紹介します。
本当に何もしていないので勝手に日本一とつけさせていただきましたが、おそらくある程度ベテランの方はコレに近い立ち上げ方法でやっていると思います。
これからベタを飼おうかと思っている方は参考にしてみてください。
金魚は衝動買いだめなのに、ベタはいいの?
このブログではかねがね魚を飼育するならバクテリアを準備してからと言います。
そのくせベタ衝動買いしてるじゃん!と言われてしまいそうですが、ベタは大丈夫なんです。
ベタは元々水質に依存できない環境で生きてきたので非常に丈夫です。
基本はエラ呼吸ではないので、水槽内にアンモニアなどが多い環境でもあまり影響がありません。
とはいえ、改良ベタはそこまで簡単にいきません。
改良ベタは日本でおなじみの綺麗なヒラヒラしたベタです。
これはいわば無理やりヒレを伸ばした状態で、薄く伸ばしたピザ生地のようにちょっと負担がかかるとやぶれてしまいます。
すこし切れた程度ではベタ自身気にもしませんし心配ありませんが、あまりに激しく切れたり解けたりしまうようだとそこから病気になってしまうこともあります。
つまり、ヒレの状態に注意してあげれば立ち上げが楽なのがベタという魚です。
経験上で言えば、細かく気を使って立ち上げた水槽よりも今回ご紹介する簡単な立ち上げ方法のほうがトラブルも少なかったりします。
早速水槽立ち上げ!
本当にすぐに終わってしまうので、用品解説なんかで無理やり引き伸ばしますがお付き合いください。
今回買ったのはこんな子
今回購入したのはクラウンテール。税込み800円弱でした。
キングクラウンは3年前に買いましたが、ノーマルのクラウンテールはそれこそハーフサンもどきを作ったとき以来なので7、8年ぶりでしょうか。
ちなみにクラウンテールが一番好きです。
ボディがブラックでヒレの一部にスチールブルーが入った綺麗なブラックオーキッドですね。
10年ぐらい前だと数百円のベタだと雑多な色が多かった記憶ですが、最近はミックス入荷でも綺麗な色が多くて、一緒に並んでいたミックス入荷であろうハーフムーンもコイカラーで魅力的でした。
水槽を準備
水槽は部屋にころがっていたグラステリア250。
古い水槽がころがっているのはアクアリストあるあるかと思います。
ベタは最低2Lあれば十分ですが、繁殖まで見越してすこし大きめにしてみました。
もちろん大きいに越したことはありません。
とはいえ準備といってもなにもありません。
今回のように使い回ししたり、まったくの新品であれば一度洗うぐらいです。
フィルターも取り付けませんし、砂利も入れません。レイアウトも基本不要です。
フィルターに関しては特別な理由がなければ必要ありません。
というか入れないことをおすすめします。
改良ベタは無理にヒレを伸ばされているので泳ぎが不得意です。
そこに水流を当てるとストレスにしかならず、体力も消耗し最悪水流でヒレが裂けてしまいます。
特別な理由とは、繁殖目的で長期水代えが出来ない場合や、ヒーターを取り付ける場合です。
ヒーターは正しく動かすために水流が必要です。
水流の弱い底面フィルター、いわゆるブクブクと言われる投げ込み式フィルターを弱くしてうごかすようにしましょう。
状態のいい水槽だと成熟したオスのベタは「泡巣」と呼ばれる気泡を集めた巣を作るので、フィルターを付ける場合はそれを壊さないような配慮も必要です。
泡巣が突然なくなるとベタがショックを受けてしまいます。泡巣があったはずの場所をうろうろして泡巣を探すような仕草すら見せます。かわいそうですよね。
長くなりそうなのでここはいずれ別記します。
砂利に関しても入れなくてOKです。
というか、入れないことをおすすめします。
改良ベタはヒレが重たいのかよく底の方で休んでいる姿を見ますが、人間が近づいたときや、あるときふとなにか思い立ったようにビョビョビョーと急に泳ぎだすことがあります。
このときにヒレを砂利に擦って破ってしまう可能性が上がるので、なるべく砂利は入れないほうがよいでしょう。
ソイルなどならそこまで影響が無い気もしますが、僕は入れないようにしています。理由は後術。
レイアウトを入れない理由も同じです。
ひっかかってヒレがぼろぼろになってしまうから。
マツモのように柔らかい水草はOKですが、流木やフェイクプランツ(偽者の水草)は避けるようにしましょう。
レイアウトは入っていることがありますが、こういった環境をベアタンクと言います。
水を入れる
水はもちろん塩素を抜いた水です。
気が向いたら水換えするので、部屋にいつもタンクに入れておいてあるのでそれを使いました。
カルキ抜き剤を使用して水を作る場合には、水温が低すぎたり高すぎたりしないようにしましょう。
袋ごと水に浮かせて温度あわせをすればぴったり同じ温度でなくて大丈夫です。
水質に関しては水道水で問題ありません。
日本の水道水のpHは平均約7.5で、ベタにも十分適応します。
ただし、購入店がこだわってブラックウォーターにしていたり、あまりにひどい環境の場合はphが過度に低い場合があります。
この場合は飼育水のpHを無理に上げるのではなく、慎重に水あわせをして導入するようにしましょう。
ヒーター取り付け
我が家は室温を高めにしている(水槽の本数を考えると個別にヒーターつけるより燃費がいい)ので基本的にヒーターは付けないんですが、使った水が廊下に有ってすこし冷たかったので立ち上げ時だけヒーターを付けてみました。
これ横着に袋浮かせてヒーター付けていますが、本来はやらないほうが無難です。
ショップ勤めのときに「水あわせ中に魚が死んだ!」とクレームを受けて客先に見に行ったら、袋がヒーターの真上にあって水が温くなっていたことがありました。
ヒーターの真上は水流が滞ると簡単に40度ぐらいになるので、水合わせするときは水温が落ち着くまで水槽の外に置いておくか、室温が低いならヒーターから離した場所に洗濯ばさみなどで動かないようにしておくとよいでしょう。
水あわせ
水温をなじませたら水合わせを行います。
両手を使うので写真がなくて申し訳ないです。
袋の中の水を抜いて水槽の水を入れるといったごく一般的な水あわせ方法ですが、ここが一番のコツといっても過言ではありません。
なるべく水流を起こさず、少量ずつ行います。
経験上ベタの水あわせでpHショックを起こしたことは無いので、先述したように見るからにpHが違う場合以外水質は気にしなくても良いかと思いますが、水合わせするときの水流でヒレを破ってしまう方がとても多いです。
特にハーフムーンはジャバジャバ水を入れてしまうとほぼ確実にヒレが裂けるので、ショップではハーフムーンやフルムーンなどのベタにはコックとエアチューブを使って水を落としながら水合わせをしていました。
ここに関しては基本的に注意しすぎて悪いということはないので、じっくり行うことをおすすめします。
立ち上げ完了!
コレで終わりです。
まとめると
- 水槽に塩素を除去した水を入れる
- 水槽に袋後と浮かせて水温をあわせる(必要に応じて加温)
- 水流を起こさないように水あわせ
以上です。
途中に書いた注約が意外と重要だったりするので理解した上で行っていただけるとよろしいかと思います。
とはいえこのレベルのブログを見てくださる方は急に数千円数万円するベタを飼わないと思うので、正直やりすぎなぐらいです。
ちょっとベタ自慢してみましょう。
ショップでは縮こまっていてろくに状態を見れなかったので、早速フレアリングしてみます。
思った以上にいいですね。
軟条は不ぞろいで短めですが、色のバランスもいいですし、写真で見るより深みのあるスチールブルーでとっても綺麗。
800円でここまで愛情を感じられるすばらしいお魚ですベタ。
ただ自慢しても参考にならないので、もうちょっと飼育環境についてお話しましょう。
お守り代わりに塩を入れよう
日本らしい文化ですが、なにも本当に厄除けで塩を入れるわけでは有りません。
これは偶然ですが、えせブリーダーとして繁殖させていたころ、成魚は水槽をプラダンで3分割して複数飼育していました。
ヒレが裂けたり溶けてしまったベタの病気を予防するために塩を入れると、隣の健康なベタの状態が目に見えてよくなったんです。
特に顕著なのが泡巣で、こんもり立派な泡巣を作る固体が多くなりました。
白点予防や殺菌作用があるのは知っていたので、それからベタの飼育では塩を入れるようにしたのですが、理由はわからず本当にお守り代わりといった感じです。
ちなみに繁殖時にも同様の濃度で塩を入れていました。
先日偶然見つけたんですが、この動画でそのナゾが解けました。
なんとベタファームで使う井戸水には海水が溶け出していることが多いので、塩分濃度の高い飼育水が本来の飼育環境であるという要因があるそうです。
元々魚に使用するのは博多の塩だったんですが、フォーチュンさんではミネラル分を重視して海水の元を推奨していると言うことで、お守り代わりに今回は海水の元を使用してみました。
泡巣はベタの繁殖に必須なので、繁殖を目標にしている方はためしにすこし塩を入れてみるのもおすすめです。
繁殖に関しては他にもポイントがたくさんあるので、これも後日ご紹介できればと思っています。
pHは中性~ややアルカリ性
ベタは酸性の水を好むというのが通例です。
が、僕は酸性の水にいい思い出が有りません。
酸性の水よりも、水道水そのまんまのpHのほうが発色が良く、はるかに病気が少なく状態がよかったんです。
繁殖させるとき、泡巣が丈夫になるよう水に濃度を出したかったのでピートモスや流木を煮た水を使っていましたが、わざわざ中性に戻していたほどです。
これもリンクした動画から答えがわかります。
海水が溶けているということは水質もややアルカリ性に傾いているわけです。
ただ、経験則では水道水のpH(中性)でも十分です。
なので、無理にアルカリ性に傾ける必要は無いが、無理に酸性に近づける必要も無いという認識でいいかなと思います。
これがソイルであっても底砂は入れない理由です。ソイルは酸性に傾けるものが多いですし、ものによっては塩水に使用すると固まってしまうからです。
水質的にサンゴ砂はOKということになりますが、これはヒレへの影響を考えて避けたほうがいいでしょう。
入れるならネットに入れてですね。
水換えがおざなりになりやすい瓶や小型水槽で飼育している場合は酸性に傾きやすいので特に注意してあげたいポイントです。
SUMA(スーマ)使ってます
ベタマニアの間でまことしやかにささやかれているナゾの薬SUMA。
これ僕も成分がナゾで不安だったんですが、結果から言えば効きます。
カラムナリスが原因であろうヒレの溶けなどもすぐに止まります。
成分はいまだナゾですが、おそらくですが自然由来ではないでしょう。
であればここまでガッツリは効きません。
ただ、効きすぎると言うのは副作用もあるということ。
冗談じゃなく最悪死にます。
常用は厳禁です。
ふん詰まりに効くと言うことで、初期のふん詰まりだったメスに使ってみたんですが、翌日には死んでしまいました。
ココアで治っただろうにかわいそうなことをしてしまいました。
ただ効果があるのは間違いないので、常に一本常備しています。
塩を入れて適切に管理している状況でひどい病気になることはないのですが、特に導入直後に良く起こるヒレのひどい溶けをすぐ止めるのに使用します。
長くなったけど立ち上げは簡単ですよ
ちょっと余計なことを言い過ぎて長くなってしまいましたが、適切な水温を保って塩を入れてさえいれば本当に飼育は簡単です。
立ち上げらしい立ち上げはほとんど必要ありません。
最低限必要なのは水を入れるだけです。
いまチラッと見てみたら一生懸命泡巣を作っています。
いいメスが見つかり次第繁殖にもチャレンジしてみたいですね。
ベタに関しては語っても語りきれないので、今後また個別にご紹介できればと思っています。
それでは次回更新も宜しくお願いします!
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