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熱帯魚を小さい水槽で飼うのは難しい?小型水槽で熱帯魚を飼うコツとおすすめ用品

熱帯魚を大きい水槽で飼うのは理想ですが、日本の住宅事情だとなかなかそうも行きませんよね。

ショップ勤めだったときも、圧倒的に小型水槽が人気でした。

しかしネットを探ると「小型水槽は難しい」という評判もちらほら。

というわけで今回は、小型水槽で熱帯魚を飼育するポイントと、実際に使っておすすめできる用品を紹介していこうと思います。

 

 

 

 

 

小型水槽が難しい理由は?

小型水槽は大きい水槽に比べて難しいと言うのが通説です。

このため、小型水槽では丈夫な魚を飼育するようにと言われることも多いです。

しかしある程度覚えがある人からすれば、小型水槽でも様々な魚を飼育することができるというでしょう。

私も20cmキューブ水槽で海水魚、あのニモで有名なカクレクマノミを飼育したことがあります。

結局管理のしにくさから30Lクラスの水槽に移しましたが、問題なく飼育できました。

 

ではなぜ小型水槽が難しいと言われるのか、その理由を紐解いてみましょう。

 

 

水量が少なく有害物質が濃くなる

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熱帯魚を水槽内で飼育すると、熱帯魚や餌から発生するアンモニア亜硝酸などの毒素は水槽に漂います。

その後バクテリアが除去してくれますが、バクテリアが不十分な場合は水槽内に溜まりますし、バクテリアが除去してくれるまでの間に魚に悪影響を及ぼす可能性もあります。

 

そういった場合、水槽が小さいことが大きなデメリットになります。

水量が多い大きい水槽なら毒素の濃度は薄くなり、水量の少ない小さい水槽だと濃くなりますよね。

魚へのリスクもこれに比例します。

 

小型水槽が難しいと言われる最たる理由はここにあります。

 

 

ろ過装置(フィルター)も小さくなる

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小型水槽では、水量が少ないだけでなくろ過装置も小さくなります。

ろ過装置が小さくなると言うことはその分ろ過能力が落ちて、水槽内に汚れが漂うので管理が大変になります。

 

外部フィルターなど、水槽の大きさに関わらず取り付けられるものもあります。

しかし水流が強くなり、魚には大きな負担となるので、実際には使えないものがほとんどです。

このろ過装置のサイズも水中に毒素を充満させる理由のひとつになり、魚には大きなリスクになります。

 

 

水質・水温の変化が激しい

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水量が少ないと、その分水質や水温の変化が激しくなります。

たとえば水質で言えば、餌などが腐ってpHが落ちすペースがとても速くなり、結果的に魚の病気を誘発してしまうことになります。

水温も水量が少ないと上がりやすく、下がりやすくなります。おなべに少ない量の水を入れると沸くのが早いのと同じです。

 

これは直接の死因にならなくても、病気のリスクはかなり高くなります。

個人的には、いろいろな用品で対処しやすい問題よりも、外的要因による水温の変化が一番厄介です。

人間は気軽に衣服やエアコンで外気温に適応しますが、魚はそうもいきません。

予想外に気温の変化は生き物の命に影響が強いんです。

 

 

 

 

 

小型水槽で熱帯魚を飼育するコツ

では、小型水槽での熱帯魚飼育を楽しむためにはどういった点に注意すればよいでしょうか。

ここで紹介するポイントは私が海水水槽を作ったときに注意した点なので、淡水である程度強い生体だとここまでしなくても大丈夫かもしれません。

重要なポイントから順に紹介しますので、どうしても成功しないと言う場合に順を追って対応してみてください。

 

 

1日中気温の変化の少ない場所に置く

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小型水槽でもっとも難しい管理は水温です。

水量が少ない以上どうしようもないので、まずは水温が変化しにくい場所に置くことは最重要ポイントです。

 

わかりやすいところから行くと、窓辺は絶対に避けること。

日光の力で水温は簡単に変化してしまいます。

 

次に、冷暖房機器からある程度離すのもポイントです。

クーラーの風で冷えてしまえばたちまち病気になります。

 

水温が下がってしまった場合にはヒーターで簡単にあげられるので、まずは高水温にならないことを心がけましょう。

 

 

ここでおすすめのアイテムは、水温を記録してくれる水温計です。

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私が使っているのはこれですが、とくにこれにこだわる必要はありません。

最低水温と、最高水温を計測できれば十分です。

起きたい場所に生体を入れずに水槽を置いて、この水温計で最高水温と最低水温を確認して問題なければOKです。

 

ろ過装置(フィルター)を十分に

ろ過装置が貧弱だと、管理がとても大変になります。

ろ過装置の多くは水槽のふちなどに取り付けるので、水槽が小さければろ過装置も小さくなります。

 

そこで、複数取り付けるのが有効です。

ふちに2つつけるのは困難ですし、水槽内に配置する水中フィルターや投げ込み式フィルターも難しいです。

 

自作できればベストですが、既製品なら外掛け式フィルターと底面式フィルターの組み合わせがおすすめです。

 

外掛け式フィルターは水槽のふちにつけるタイプのろ過装置で、小型水槽でもあまり邪魔になりません。

 

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底面式フィルターは砂利のしたに設置するので、外掛け式フィルターを取り付けていても問題ありません。

 

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欲を言えば外掛け式フィルターは物理ろ過(大きな汚れを取り除く)を重視して改造したいところですが、まずはそこまでしなくてもOKです。

ストレーナースポンジを取り付ければ十分です。

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こまめにここだけ洗ってあげてくださいね。

 

 

餌の量を最低限に

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水槽内に発生する毒素は餌に起因します。

魚が食べて出す分は元々餌ですし、餌があまればそのまま腐って毒素を出します。

シンプルな話ですが、餌は本当に最低限で大丈夫です。

食べ残さず、魚がやせない量を。

 

 

 

生体の量は物足りないぐらいがおすすめ

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生体の数も重要です。

これによって餌の量も変わり、水槽の汚れの量も変わってくるからです。

画像は使いまわしなので5Lになっていますが、お店でお客さんに説明するときには

魚1cm=1Lで案内していました。

1cmの魚が10匹なら最低10L。

5cmの魚が1匹なら最低5L。

 

もちろんこれはろ過システムが適切な場合の小型水槽での話で、大型魚は話がちょっと変わってきます。

泳ぐ範囲なども考えなければいけないですからね。

 

心配であればこの半分程度でもいいと思います。

1cmの魚10匹で20Lといった感じで。

あくまでひとつの指標としてお考えください。

 

 

水換えは少量こまめに

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通常水換えは月に1回、1/4程度でOK。

なんですが、小型水槽だとどうもこれだと具合が悪いんですよね。

割合は同じなんですが、なぜかトラブルが起こりやすい。

おそらく水温の変化やバクテリアなどではないかと思いますがはっきりしません。

 

そこで、小型水槽の場合は週に1回、1/10程度の水換えがおすすめです。

海水水槽の場合はいろいろ試した結果これでほぼトラブルフリーでした。

もちろんろ過システムや生体の量でもかわってくるので、これを基準に環境に合わせて調整してあげてください。

 

 

 

 

 

 

というわけで

今回は小型水槽を成功させるコツのお話でした。

具体的な数字に関しては、環境によってまったく変わってくるのであくまで一つの参考ということで。

 

この小型水槽を成功させられるか否かが初心者と中級者のひとつの壁になるかと思います。

難しいとは言われていますが、ろ過、生体の数、水温など基本を抑えていればあっさり成功させることができます。

 

ちょっと難しいのでやはり大き目の水槽で余裕を持って飼育してほしいところですが、よければこれを参考に挑戦してみてくださいね。

 

 

 

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