皿式?エアレーション?ベタ稚魚の必須餌「ブラインシュリンプ」の孵化方法と殻分離機の作り方【DIY】
ベタの稚魚が孵化して4,5日経ったら、必ず与えたいのがブラインシュリンプ。
ベタの稚魚は動くものしか食べないので、面倒ですが成長率を重視するなら必ず用意しなければいけないものです。
効率よく与えるならいろいろコツがあり、手間をかけた分稚魚の成長率・生存率が上がります。
というわけで今回はブラインシュリンプのわかせ方から、ちょっとマイナーな飼育方法までご紹介します。
栄養価抜群のブラインシュリンプ!
かつてシーモンキーという名前で大流行し、今でもニチドウさんから飼育用で商品化されていますね。ジュラ伝説だったかな?
これ鑑賞魚用として一般的な餌で、とくに稚魚の餌としてとても有効です。
たんぱく質が豊富で、ブラインシュリンプを与えるのと与えないのではまったく成長率が違います。
ベタの稚魚においては生後4、5日あたりから、1ヶ月ぐらいまで与える必須の餌です。
豆知識的にいうと脂質は少なめなので、稚魚が大きくなったら早めに脂質が多い餌に切り替えることをおすすめします。
袋に乾燥した卵が入っていて、海水(塩水)に入れると20時間程度で孵化しはじめます。
卵は適切に管理すれば数年もつので「耐久卵」と呼ばれています。ミジンコなども同じですね。
まずは沸かせ方のポイントについて解説します。
ブラインシュリンプの沸かせ方
といっても説明書どおりで、大してやることもありません。
塩水の用意
まず塩水を用意しましょう。
餌用なら海水の元でなくて全然OKです。味のついていないただの塩を用意しましょう。我が家はダイソーで売っている荒塩です。
それを、1Lに対して20~30g入れて混ぜましょう。
ここは浸透圧の関係なので、そこまで厳密に計らなくてOKです。
パッケージに指定されている場合はそれから大きくはなれないようにしたほうが吉。
産地で微妙に塩分濃度が違うそうです。
ブラインシュリンプエッグを入れる
水が出来上がったら、ブラインシュリンプの卵を入れましょう。
この砂みたいなのがブラインシュリンプの卵です。
量は稚魚の数に応じてお任せしますが、私は生後7日のベタ100匹程度にたいしてみみかき4杯分をわかせています。
朝夜1日2回与えるので、それを時間差で2つ沸かせています。
あげすぎに注意してこまめに与えたほうが稚魚が成長しやすいです。
24時間放置
あとはある程度水温が保てる場所で20時間ぐらい放置すれば、ぼちぼち孵化し始めます。
薄いオレンジ色のミジンコみたいなものがビヨビヨ泳いでいるでしょう。
水温は最低でも21度以上あるといいですね。加温している水槽があればそこに湯煎のような形でおいておきましょう。
ヒーターに近すぎると茹で上がってしまうので注意。
だいたい24時間でほぼ孵化する卵はすべて孵化します。
ブラインシュリンプの採取
そのままドバット入れると殻まで入ってしまうので、孵化したブラインを分離します。
殻は分解されにくいので、なるべく入れないほうがいいですね。
ブラインは光に集まってくるので、ライトをあてて5分も待てば集まってきます。
水流があると集まれないので、あらかじめエアレーションを切って水を落ち着かせておくといいでしょう。
それをスポイトで吸い取ります。
淡水魚は塩抜きしよう
海水魚の稚魚やタツノオトシゴの餌に使う場合はそのまま与えてもOKですが、ベタやめだか、金魚など淡水魚の稚魚に与えるときには塩抜きしましょう。
ブラインの孵化水で塩分濃度があがってしまうので、長い間水換えできない稚魚の水槽だと飼育水の塩分濃度が気になります。
我が家ではコーヒーフィルターをコップにつけて、そこにブラインを入れます。
だいたい水が切れたら、そこに塩素を抜いた水、もしくは稚魚水槽からとった水を入れてまた水を切ります。
だいたい2回ほどやったら、最後にまた水を入れてスポイトで吸い取り、稚魚に与えます。
卵の保管は冷蔵庫で
卵は耐久卵といわれとても長持ちしますが、とはいえ管理が適当だと孵化率がどんどん下がっていきます。
説明書には「冷暗所で保管」と書いてありますが、簡単に言えば冷蔵庫がベストですね。
私は1箱を半年ぐらいかけて消費しますが、冷蔵庫で保管すれば開封後も半年はもってくれます。
孵化率は悪くなるので、なるべく早めに与えたいところではあります。
皿式ってなに?
最近ブラインをわかせる方法として、皿式という方法が一般的です。
簡単に言えば皿のように浅い容器に、水を薄く張ってブラインの卵を入れる方法です。
もちろん皿でなくても、面積が広い容器に少量の水を入れてもOKです。
少量のブラインであればこの方が効率的で手間もかからない方法ですね。
皿式のメリットは?
皿式のメリットは、方法がシンプルなことでしょう。
一般にブラインの沸かせ方はエアレーションしなければならないとなっているので、その手間が不要です。
周りに塩水が飛び散らないので、置き場所にも困りません。
皿式のデメリットは?
皿式も完璧ではなく、私はエアレーションをかける方法を推奨します。
というのも、皿式の場合少量しか孵化させられないからです。
ブラインは卵を割って出てきますが、エアレーションせずに孵化させると卵が重なっているところで生まれたブラインがなかなか出てこられず、死んでしまうこともあるからです。
殻をはがしてあげる意味合いでも、水はまわしたほうがいいですね。
このため、皿式は卵が重ならない程度の少量のみで効率的な方法だといえます。
逆に言えば器が大きければ、エアレーションしなくても孵化率は上がるということですね。
酸素の飽和量に関しては、相当な量孵化させない限りは気にしなくて大丈夫です。
水面から自然と浸透してくる酸素で十分です。
殻の分離機を作ってみよう
ブラインシュリンプを与えることを考えると億劫なのが殻の分離です。
これどんどん水槽内に溜まって、最後に水槽を洗うときにも壁面にへばりついて厄介ですし、フィルターにも挟まってスポンジフィルターだと買い換えることにもなります。
ライトを当てるだけでもだいぶ取り除けますが少し吸ってしまうので、長期あたえるとそれですら邪魔なので分離機を自作してみました。
積み重ねボックスとPPボードで自作
今回もみんなだいすき百円ショップで買ってきました。
まずは積み重ねボックス。あえて不透明にしました。
次にしきりに使うPPボードです。
PPボードを積み重ねボックスの幅に合わせてカット。
そして穴を開けます。もちろん丸じゃなくてOKです。
底から7割ぐらいの高さにあけましょう。
最低でも真ん中に。下や上では意味がなくなります。
それを積み重ねボックスに接着します。今回もグルーガンで。
あとは水を入れて、卵を1つの部屋だけに入れます。
方法としては皿式限定なので、卵は少量入れるようにします。
あとは孵化した後、卵を入れていない部屋からライトで照らせば、生まれたブラインだけが片側の部屋に移動するという具合です。
これによってほぼ殻を水槽内に持ち込まないようにできますね。
理想を言えばエアレーションしたいので、穴に蓋できるように後日改良したいところです。
ブラインシュリンプの寿命は?
ブラインシュリンプの寿命には2つの意味があります。
ひとつは死ぬまでの寿命。もうひとつはいつまで与えられるかという寿命です。
死ぬまでの寿命
なかなか餌用だと生きながらえませんが、しっかり飼育すれば2ヶ月は生きています。
飼育方法は別記しますが、とりきれなかったブラインを飼育するのもなかなか面白いです。
餌としての寿命
ブラインも生きているので、どんどんエネルギーを消費していきます。
私は生まれてから6時間以内に与えるようにしています。
12時間以上経つと、体内に溜め込んでいるエネルギーを使い果たして餌としてほとんど機能しないだけでなく、死にやすく稚魚水槽の水質悪化を招くからです。
ある程度大きくしてから与えたい場合は、飼育する必要があります。
ブラインシュリンプの飼育方法
餌用として孵化させるかたには興味ない部分かもしれませんが、後学のために解説しておきます。
ブラインシュリンプの飼育自体は難しくありません。
まず1L以上の容器を用意しましょう。
そこに孵化させるときと同じ塩水を用意します。
できれば弱いエアレーションをしてあげましょう。
1日1回、ほんの少量のイースト菌を与えましょう。
やることといえばこのぐらいで、1ヶ月もすれば成体になってくれます。
エアレーションは匹数が多い場合にしてあげます。ペットボトルなど口の狭い容器の場合もあったほうがいいですね。
イースト菌がブラインシュリンプの餌になります。1L程度の容器であれば、濡らした針先につける程度でOKです。
ライトで集める方法でもすべては吸い取れないので、余ったらある程度ボトルにあつめて、この方法でキープするのもおすすめです。
成長させた成魚にも有効な餌になりますね。
タツノオトシゴの餌にする場合なども、この方法である程度大きくしたブラインを与えるといいです。
オオウミウマなどの大型種であれば、ミナミヌマエビを増やすのも有効ですがこれは別なお話なので後日解説します。
というわけで
今回はブラインシュリンプに関してでした。
とくに沸かせることに関しては難しく考えなくてOKです。
保管だけちょっとシビアで、あけた後は必ず冷蔵庫での保管をおすすめします。
耐久卵のクセに結構簡単に孵化しなくなります。
塩抜きするしないも重要ですね。
淡水魚の稚魚だと、直接ブラインの孵化水をあたえたその一瞬の塩分濃度の急上昇でも弱ってしまいます。
長期的に考えると全体に悪影響なので、面倒くさがらずにやってあげるようにしましょう。
というわけでこんな感じでブラインシュリンプをベタ稚魚にあたえています。
やっぱりブラインに移行したとたんにグイグイ成長していきますね。
これも豆知識ですが、生後半月程度までは平行してインフゾリアも与えておくと吉です。
ブラインは全体にいきわたらないので、食べられなかった子はとりあえずインフゾリアで我慢してねという形のほうが、稚魚の生存率は絶対的にいいです。
これやったときは40匹生存で、やらなかったときは20匹生存とけっこう差が出ます。
ベタの稚魚にかんしては少しずつ繁殖記録として更新していますので、そちらもお楽しみに!
祝生後1週間!ベタの稚魚に個性が見え始めてきました【ベタ繁殖記録その5】
というわけで、早いものでベタの稚魚が生後1週間を迎えました。
ベタのブリードはかなりブランクがありましたが、かなり順調で逆に驚いています。
というわけで今回は、1週間目の稚魚ベタの簡単なご報告をばさせていただこうと思います。
ブラインの給餌開始したよ
こんな感じで、まだ繁殖させていない繁殖用コンテナに間借りしています。
ヒーターあった方が孵化率いいですからね。
私の経験上、ブラインシュリンプは与えるのが早い方が成長はいいですが、早すぎてもいけません。
理由は塩分濃度が気になることと、食べ過ぎ問題があるからです。
ベタの稚魚はもちろんか弱いんですが、思っているほど水質変化には弱くないんです。
水温だけ気をつければ、少量の水換えなどしてもそこまで悪影響はありません。
とはいえ気をつけるに越したことは無いので、環境の変化は最低限に抑えたいところ。
ブラインシュリンプを与えると、多かれ少なかれ塩を水槽内に持ち込むことになります。
塩分濃度があがることによって、ベタより先にバクテリアに影響が出て、水質悪化を招くこともあります。
与える前に淡水で洗いたいところですが、塩抜きしすぎて弱ると次は死んだブラインシュリンプが腐って水質悪化をまねきかねない。
そのリスクを避けるために、なるべくブラインシュリンプを与える期間は短めにしたいところです。
これよくやりがちなんですが、ブラインシュリンプを与えすぎて稚魚が死んでしまうリスクがあるということを知っておいたほうがいいです。
ブラインシュリンプを与えるとけっこうバクバク食べてくれますし、沢山食べてくれれば成長率もいいです。
しかし、針子程度の稚魚は臓器がまだ弱く、なんと食べ過ぎによっておなかが破裂することも少なくありません。
とくに餌食いのいい優良な個体をこれによって殺してしまうのはもったいないですよね。
生後7日当たりがギリギリ許容範囲かな?
というわけで、ブラインシュリンプの給餌は成長率を考えなければ少しでも遅らせたほうが安全なのです。
インフゾリアを十分与えている前提ですが、私は稚魚が生まれて7日目、つまり今日ぐらいから少しずつ与えるようにしています。
あえて数える必要はありません、というかできませんが、ベタの数>ブラインの数で水槽内になるべく散らして徐々に与えると安全ですね。
ベタ、ブラインともども孵化率にもよりますが、私はブラインエッグ耳かき1杯程度。
まとめて一箇所にブラインを落とすとそのエリアの稚魚が食べ過ぎるので、水槽内に満遍なく撒きます。
これを1日1回から始め、体が大きくなるにつれて1日2回、もっと大きくなってきたらブラインの量を増やし、ミジンコが食べられるサイズになったらミジンコを飽和給餌、その後は活イトメ&人工飼料(おとひめ)の予定です。
ベタっぽい体になってきたらミジンコに移行します。ミジンコ採取して培養しなきゃ。
イトメももう少しあったかくなったら外に出して桶で増やしたいですね。
ここまでやれば、水温にもよりますが4~5ヶ月で店頭に並んでいるサイズぐらいにはなるでしょう。初のベタコイなのでめっちゃ楽しみ。
しばらくはインフゾリアも与えると吉
ここでどうしても問題になるのが、よく食べる子と食べられない子が出てくる問題。
すでにもう明確に体格差が出てきています。
ブライン与えるとより顕著になって、押しの弱い子や運悪くブラインが遠くにしかなくて食べられなかった子はどんどん成長が遅れて、最悪死んでしまいます。
なるべくそういう固体を出さないために、しばらくはインフゾリアと平行してブラインシュリンプを与えていくといいでしょう。
インフゾリアは自家培養していればほとんどタダみたいなものなので、私は生後1ヶ月ぐらいまではインフゾリアも与えています。
生後7日目の成長は?
生後7日目、過去のブリードではどれぐらい成長したか正直覚えていないんですが、今回インフゾリアを点滴で常時与え続ける方法を取ったので比較的順調かと思います。
体長でいえば約1.5mm~3mmと、すでに差が出始めていますね。
9割ぐらいは3mm前後なんですが、まだ2mm以下の細い子もちらほら。
販売目的なら、弱い固体を混ぜてはいけないので淘汰するところですが、私はほしいと言われなければ全部自分で飼育するつもりなので、とくに淘汰選別することはないです。
今後も点滴でインフゾリアを与え続けるので、なんとかじゅうぶん食べて追いついてくれることを願います。
生存率も悪くない
120まで数えたところであきらめました。めっちゃ泳ぐんだもん。
この次点で120匹以上いるのは優良ですね。順調ならここから4、5割は残るので、60匹・・・。
はやく瓶注文して棚作らなきゃ。
※いってた矢先から落ち始めました…。ブラインあげ始めたタイミングで落ちるのは何が原因なんだろう。
親馬鹿かもしれないですが、やっぱり父ベタがとても丁寧に育ててくれたことが今回順調な一番の要因かなと思います。
10ペア以上繁殖させてきたなかで、初産では今回の親がもっとも上手に育てていましたね。
ぶっちゃけるとセールの個体だったんですが、とてもいい子に当たりました。
あとは今回初めて試したインフゾリアの点滴給餌もよかったんじゃないかなと。
仕事中はどうしても給餌できないので、インフゾリアの入ったペットボトルからエアチューブをだして、軽く縛ってポタポタインフゾリアを飼育コンテナに落としていく方法にしてみたんです。
常に水槽内にインフゾリアが豊富にいる状態を作り出せて、餓死する確率を下げられたかなと思います。
エアチューブが定期的に詰まるので、手入れはちょっと面倒でした。
すでに性格が?
大きくなってきたので行動がわかり易くなって、個性も見え始めてきましたね
水草周辺を好む子、フィルター周辺を好む子、遮蔽物お構いなしに泳ぎ回る子、中層を好む子、表層を好む子などなど。
いわずもがな泳ぎ回る固体の成長率が一番いいですね。餌を効率よく食べられているんでしょう。
逆にフィルター周辺の固体は小さ目が多い。
インフゾリアがフィルターに吸われてしまって水中に漂いにくくなっているのかな?
ちょっと重点的にインフゾリアを点滴してみようかなと思います。
こういうのを見てよりよい飼育方法を研究するのも楽しいですね。
というわけで
本日で生誕1週間。
人間の記念日とかはよく忘れるんですが、生き物に関してはよく覚えています。
順調すぎてたいしてすることがないんですが、それ自体はとてもいいことですね。
どんなカラーになるのか、いまからとても楽しみです。
今後は毎日更新しても変化が無いので、大きなトラブルがなければだいたい1週間に1、2回程度ご報告する形になると思います。
1ヶ月目にもなればベタらしい姿になってくるので、そのころが楽しみですね。
というわけで飼育記録の更新頻度は落ちますが、引き続き宜しくお願いいたします!
順調!ベタの稚魚が泡巣を離れ始めたよ【ベタ繁殖記録その4】
子供の成長は早いもので、それはベタも例外ではありません。
もっとも不安な時期も終わり、もう親とのお別れがやってきました。
というわけで今回は、稚魚の成長過程と親離れについて解説していきます。
泡巣の稚魚ベタが泳ぎ始めた!
孵化から3日目、稚魚ベタが横に泳ぎ始めました。
画像のとおりで、まだまだ魚っぽい形ではありません。
でもかわいいですね。
どこかで、泳ぐようになると泡巣にくっつくための器官が退化すると読んだ気がしますが、どこで読んだか忘れたので不確定情報。
泡巣から離れるとどうにも稚魚の密度が低くなって急に少なくなったように見えて心配になるんですが、ベアタンクなら底をみれば落ちていないことはわかります。
今回は特に優秀ですね。落ちる個体が少なめです。
こうなると親はもういなくても大丈夫。
むしろ、あまりに子供の面倒を任せすぎると稚魚を食べてしまうことがあったり、育児疲れで瀕死になったりとリスクも出てきます。
面倒見ようとする親もいますが、今回は親がけっこう自由主義で稚魚を回収していなかったので親のケアに入ります。
親は空腹で疲労困憊なので回復へ
親は稚魚が泳ぎ始めるまで約5日寝ずに神経を張り詰めて面倒をみてきました。
繁殖前にしっかり体力をつけていればそこまで疲弊することはありませんが、体力を消耗しているので回復させてあげましょう。
これまでメスを回復させていたQ-BOXにオスを入れてあげます。
メスも順調に回復して何よりでした。
離したことによって病気になることは少ないですが、体力を落とさないために加温します。
ちなみにこのエヴァリスのプリセットオートヒーター10はけっこう熱効率がよくてがんがんあっためてくれるので、エアレーションなどで水をまわしてあげるのが吉です。
上層と下層で水温差が出てしまいますからね。
餌は活イトメと赤虫をこまめに与えます。
これらでなくても高たんぱく高脂質な餌を中心にするといいですね。
やはりおとひめが理想的。
量はなるべく少なめに。
どうやら父ベタのダメージも少なかったようで安心です。
餌食いもよく発色も戻ってきました。
インフゾリアをあげよう
稚魚が横に泳ぐようになったら、用意している人はインフゾリアを入れていってあげましょう。
まだ食べないですが、水槽の中で生存するので食べ始めたタイミングであげそびれないように。
成長初期はインフゾリアしか食べられず、ここでインフゾリアを与えるか否かで生存率と成長率が大きく変わります。
与えた場合と与えない場合で3~4割生存率に差が出ることも。
が、私が大失敗を犯しまして。
用意していたボトルに、ためしにイースト菌を入れたところ多すぎてインフゾリアが半分以下に。
密度が低すぎて餌には不十分ですし、万が一止水域ができているとイースト菌がアルコールを出すらしく、危険なのでやめにしました。
あらかじめ株分けした2Lペットボトルのほうは順調に増えているので、とりあえずそれで対処します。
もし明日の増え具合が不十分だと、もうブラインシュリンプに切り替える時期になってしまう・・・。
ブラインシュリンプに切り替えたからといってインフゾリア食べないわけではないので、飽和給餌用として用意しておくのもいいかもしれません。
うちのブラインエッグもちょっと古いので、未開封ですが念のため孵化試験しておいたほうがいいかも?
スポンジフィルター設置
孵化直後にエアレーションははじめましたが、これからブラインシュリンプをあげることを考えて早々にスポンジフィルターにしました。
エアレーションのみの無ろ過でいけなくもないんですが、やっぱり給餌しはじめると汚れがえげつないのでフィルター推奨です。
エアリフト式のスポンジフィルターは比較的水流が弱いので、稚魚の負担にもなりにくいでしょう。
もちろんエアの量は最小に。
水質を保持するために徐々に水量を増やしてはいますが、まだ少ないのでとりあえず寝かせて設置しています。
このタイプのスポンジフィルターが寝かせて水が流れるのかわからなかったんですが、エアが逆流さえしなければこれでもOKっぽいですね。
アクアリウム十数年で新発見です(笑)
ぼちぼち落ちてる
これは致し方ないことではあるんですが、どうしても初期の段階で落ちる稚魚がいますね。
数えたところ12匹でしょうか。
孵化した稚魚の1割ほどかと思いますが、これでもぜんぜん少ないほうです。
改良された魚の常ではあるんですが、やっぱり遺伝的に弱い個体が出てきてしまいます。
のちのち解説しますが、ベリースライダー問題も出てきますね。
こういった弱い固体は、孵化した当日からすでにわかります。
親がいくら拾っても、泡巣にくっついていられなくてすぐに落ちてしまう。
どうにもいたましいのですが、我々の力ではどうすることもできません。
というわけで
発育自体は順調です。
親も回復していますし、大きな問題は見られませんね。
ただ、初日にインフゾリアを十分与えられなかったのがどう出るか。
おそらくまだヨーサックも消えきっていないので問題なさそうですが、1ヵ月後の結果に現れてくると思います。
何度繁殖させても大人になれない固体を見るのは心が痛みます。
ベアタンクだと数えられるほど明確に見えてしまいますしね。
これはベタに限らずある程度は起こるので仕方ないことですが、どうにも無力感を感じます。
残った固体を最善の方法で成魚にするのが我々にできることですね。
というわけで、今現在こんな感じになっています。
ここらへんからだんだんマンネリ化してきますが、まだまだ稚魚で弱いです。
注意して飼育していきたいですね。
明日はおそらくまたインフゾリアを与えて足し水するぐらいなので、たぶん飼育記録は書かないと思います。
もし書いていたらなにか大きなトラブルが・・・。そうならないよう祈っていてください。
それではまた次回の更新までさようならノシ
苦悩の末に・・・!ベタが産卵して孵化したよ!【ベタ繁殖記録その3】
なんやかんや苦悩の末に、やっとこさ2ペア産卵までこぎつけました!!!
が、ここでもさらに問題が。
今回は産卵~孵化までの記録と解説です。
んーうまくいかないもんですな。
ちなみに実際に追いついたので、次回からリアルタイム更新になると思います。
ついにそのときが・・・!
なんだかんだベタのペアリングを開始して2週間ほど。
あれやこれやペアを入れ替えて親のケアしてペアを入れ替えてをくりかえし、やっとこさ産卵が確認できました・・・!
ペアリングしてから5日目のことでした。
一組は、プラカットハーフムーン同士で、片方がニモ、片方がたぶんレッドとブルーのバイカラー。色が濃くてよくわからず。
こちらはオスがとてもアピール上手で、メスに不要な攻撃をせず、「泡巣へおいでー卵産もうよー」とうまいこと進めていました。やさしい子。
メスもとっても愛嬌がよくて、カラーさしおいて繁殖させちゃいました。
カラーは理想的とはいえませんが遺伝的には、マーブル系は残りやすくなるので・・・この話は長くなりそうなので置いておきます。
で、こちらがだめもとで組み合わせたダブルテールとハーフムーンのペア。
クラウンテールのようなヒレですが、お店でボロボロのヒレ、ドロドロの水で飼われていて、見るに見かねて連れ帰った固体です。
メスは、あまりの美しさにちょっと予算をオーバーしてまで買ったマスタードガスです。
オスがあまりメスに興味を持たず、せっせと泡巣だけを作っていたペアですがなんとか産卵しました。
どちらも同じ日に産卵し、卵を確認できました。
やっとこさ・・・!
卵を確認したらメス回収。おつかれさま
卵を確認したら、メスにはゆっくり体を休めてもらいます。
多かれ少なかれ傷ついているので、そこから病気にならないよう薄めで塩欲をし、保温もしておくといいですね。
その後はたんぱく質の高い餌を与えて、回復を促します。
メスは1度産卵するとその後スムーズに産卵できるので、また繁殖させたいなら手厚く看病し、大切に大切に育てましょう。
孵化まで見守ろう
ここから4,5日は、人間にはやることがありません。
インフゾリアを沸かしておくといいですが、その技術が無ければ無理にやらなくてもOKです。
インフゾリアを腐らせてしまい、それを与えると稚魚を殺してしまうことにもなってしまいます。
インフゾリアの卵などを使えば失敗せずに用意できます。
もしやることがあるとすれば、卵が泡巣の上にまで上ってきてしまっているとき、霧吹きをかけてあげることぐらいでしょうか。
あまり変な手出しはするべきではないんですが、あまりに泡巣が立派すぎで、卵が水面から離れて泡巣の上に乗ってしまっていると腐ってしまうことがあります。
泡巣の上にいると稚魚になっても水に入れず死んでしまいますね。
数個なら親に余計なストレスをかけないことが先決ですが、大半の卵が上ってきてしまっていたら、霧吹きをやさしくかけてあげれば卵が沈むので、痛みにくくなります。
なるべく最小限の介入で、孵化を楽しみに待ちましょう!
と思った矢先の・・・
楽しみだなぁとおもっていた直後、ここで問題が。
ダブルテールのほうが、気づくと卵が無い。
そして父親のおなかがパンパンに膨らんでいる。
これはもしや・・・
そう、食卵です。
オスが卵を食べてしまうことですね。
無性卵っぽくはなかったので、オスにやる気が無かったんでしょう。
正直このオス、卵をみつけたときとても臆病だった上に、繁殖時にメスを鱗をはがすほどボコボコにしていたようなのでちょっと不安だったんです。
劣悪環境から助け出したのにこのっ・・・と思ってしまうところですが、まぁ恨んでも仕方ないので一旦オスも出して労をねぎらい、水槽は立ち上げなおします。
人間も魚もわがままな乱暴モノは育児も上手くいきません。
本質的に臆病なこういったオスは危険なので、当分繁殖に当てることは無いと思います。あえて繁殖させなくてもいいかな。悠々と生活してもらいましょう。
翌朝まさかの孵化
通常ベタの卵の孵化には2日必要なんですが、なんと翌日孵化しはじめていました。
どうやら私が見過ごしていたようで、プラカットのペアのほうは気づいた前日には産卵していたようです。
ダブルテールのほうも前々日に産卵していたとしたら、それが原因でメスがボコボコにされた可能性も・・・。申し訳ないことをしたかもしれません。特に気に入っていたメスなので心が痛む。
このミスを忘れずに気持ちを切り替えて、残ったプラカットのほうを手厚く育てていきましょう。
稚魚は2、3日泡巣周辺で生活
この上向いてる極小のシラスみたいなのがベタの稚魚です。
100以上はいますね。大人になるのは20か30か。
生まれた稚魚はすぐに泳ぎだすわけではなく、しばらく泡巣にくっついて生活します。
泳ごうとする稚魚を連れ帰り、泡巣にくっつけるのが親のお仕事。
これを寝ずにやるんだからすごいです。
人間はあまり刺激を与えず、なるべくほっておくようにしましょう。
夜も弱めの電気をつけておいてあげるといいですね。
というわけで
現状こんなかんじになっています。
親がほんとうにせっせと世話してて、何時間でも見ていられそうですが、あまり近付き過ぎて刺激を与えずに。
カメラもかなり気を使って撮影しています。
ダブルテール×ハーフムーンのペアは残念でしたが、こういうことも最初のペアでは往々にして起こりえます。
ストレスが食卵の原因になるので、臆病な父ベタはとくにこういうことが起こりえますね。先に気づけなかった私の落ち度です。
メスのほうがかなりダメージは大きいですが、とりあえず現状病気も無く、餌食いもいいので安心しています。
ほんとうに綺麗なメスなので、十分に復活させて次もがんばってくれればと思います。
残ったプラカットはほんとうによくやってくれています。
まさに献身的なベタのオスで、理想的な父親ですね。
このまま順調に行ってくれることを切に願います。
というわけで本日はここまで。
今後は稚魚が自由に泳げるようになったタイミングで親を放す予定です。
なるべく毎日報告といきたいところですが、徐々に変化がなくなるのでそのタイミングでまた別なことを紹介していければと思います。ミドリフグとレッドビーについても書きたいところです。
ベタにあまり興味のない方にはしばらく申し訳ない。私はとても楽しい。充実している。
というわけで、次回更新までさようならノシ
ベタのお見合い!一番苦悩したベタのペアリング・・・疲れた【ベタ繁殖記録その2】
ベタの繁殖も進み、リアルタイムで言えば本日稚魚が孵化し始めました。
100匹ぐらいはいるかな?初産にしては順調ですね。
というわけで、ちょっと遅れて繁殖記録第2弾。
今回はペアリングについてです。
かわいがっているベタを繁殖させるなら一番慎重にやるべきポイントですね。
解説と経過をあわせてご紹介していきます。
ペアリング開始!
前回繁殖用の水槽をつくり、水も作っておきました。
私の場合はスネークヘッドさんの水槽から水をとりましたが、普通なら2週間もあれば立ち上がっているはず。
水が出来上がったらもうペアリングしても大丈夫。
ペアリング自体は難しいものではないんですが、これ失敗したり適当にやったりすると、親がぼろぼろに、最悪メスの死にも繋がります。
なるべく慎重に、慎重に。
そして慎重にやりすぎて苦戦しました。
泡巣ができたかな?
ペアリングいつはじめるの?いまでしょ。とはならず、始めるべきタイミングがあります。
それは泡巣が立派に出来上がったら。
泡巣はベタの産卵床で、産卵~生後3、4日目までこの泡巣で子供を育てます。
泡巣を作らないオスはたいてい繁殖の手順がわからず、メスをぼろぼろにするだけして終わることも多いのでデンジャー。
前回紹介したポイントを守っていればたいてい泡巣を作ってくれますが、もし作らない場合はこちらを参考に!
yasasiinettaigyosan.hatenablog.com
カップに入れてメスを水槽へ
カップというかペットボトル切っただけですが。
こんな感じで入れてあげればOK。
泡巣が甘くても、少しでも作っていればこの段階でもこもこにしてくれることも。
そしてこのタイミングで餌を絶つと成功率が上がる気がします。
じゃあどんなメスを入れるといいのかというと
メスは婚姻線が出ていて産卵管があればベスト!
へったくそな絵で申し訳ないですが、こんな感じのメスがおすすめです。
まずおなかに産卵管があること。
卵を十分に持っているメスには、かならず産卵管が出てきます。
ホワイト系だと見えにくいですが、黒いスクリーンに当てれば白い突起が出ているのがわかると思います。
次に、体表に婚姻線がでていること。
本来のボディからよりも薄い色で、たてに3,4本線が浮き出てきます。
メタリック・ドラゴン系だと見えません。
体表の婚姻線はペアリングして出てくることもあるので、まずは産卵管を重視しましょう。
完全に成熟していると、おなかの部分が卵で張って色が薄くなります。
オスがひらひらしたらいい感じ!
こんなメスを見つけて実際にペアリングに入ったら、オスの反応に注目しましょう。
フレアリングしながら、ヒワヒラフワフワウネウネしているのがいいオスの証。
ビッとヒレを張って、ヌーッとメスの前を泳ぐのは悪い雰囲気です。
前者は、相手をメスと認識して、自分の存在に気づいてほしい行動です。
後者は、相手を敵として認識している行動の可能性が高いです。
前者なら正直すぐに放してもいいほどなんですが、まぁここは安全にいきましょう。
私はオスがメスに付きっ切りじゃなくなったタイミングで放すことが多いですが、これがいいのか悪いのかはよくわからず。
念のため一晩は様子を見て、翌日もちゃんとうねうねしている様子なら放しましょう。
放した後は攻撃の嵐!
メスを放してしばらくは、オスがメスをつつきまわします。
これはメスが産卵する気になるために必要なことで、ある程度は仕方ありません。
正しいつっつきはおなかを狙っているとき。
それ以外をつついているようだと危険な兆候です。
いったん離して、数日後に再度やり直しましょう。
写真のペアは残念ながらむしろ攻撃に行かず、なかよく暮らしましたとさ。
めでたしめでたし?
ペアリングの日数は?
ペアリングにはいっても、まてどくらせど繁殖行動に入らないことがあります。
上のペアがまさにそうでしたね。
そういった場合は、お見合い~5日をめどにしましょう。
5日たっても産卵していないなら、いったん仕切りなおし。
これはメスの負担と、両親の絶食による体力低下や、やせ細りを避けるため。
ベタはやせるとなかなか体格が戻らないので、とくにやせてしまわないように注意が必要です。
というわけで
今回は4匹のオスと、3匹の雌を用意しました。
このカラーを出したい!というよりは「この子の子供をみてみたい!」という感じで買っていったので、ひれの形やカラーもまちまちですが、一通り試した結果、最初1週間は惨敗。
メスを大事に扱いすぎたのか、両方未経験なので交尾の要領がわからなかったのか。
めちゃくちゃいいペアでもオスが巻きつかなかったり、メスが逃げ惑いすぎたりと全ペア失敗。
紹介するためにガラス水槽でやってみたのもわるかったのかも。
なんとか環境を工夫しつつ、根気よくペアリングさせ、ついに2ペア産卵が・・・!しかし・・・?
というわけで今回はここまで。
次回は産卵から孵化までのレポートと解説をしていこうと思います。
それで続きはまた次回の更新で・・・ノシ
ベタの繁殖準備!適切な繁殖環境を作る水槽の準備~水作り【ベタ繁殖記録その1】
ベタの繁殖にめどが立ったので、やっとこさ偉そうに語れるときがきました。笑
数年ブランクがあったので感覚を忘れていましたが、過去に得た経験を何とか手探りで取り戻しつつ産卵までこぎつけました。
というわけで記録第1段は繁殖水槽作りのお話。
昔プロのブリーダーさんに教えてもらったノウハウを生かして、魚にやさしく効率的な繁殖環境を作っていきましょう!
コンテナがおすすめよ!
さてさて、早速水槽を作っていくんですが、水槽は使いません。
理由はというと、
・人が魚のストレスになる
・高い
です。
人が見えると子食いの原因に
育児中のオスはめちゃくちゃ神経質です。
ほかの魚に稚魚が食べられてしまうなら自分が食べるの精神です。
これは人間に対しても同じで、悪意無く観察しても、ベタからすれば巨大な生き物が泳いでくるように見えるというわけ。
あまりほかの生き物を意識させるのはよろしくないんです。
ベタファームのおっちゃんも「ベタのプライバシーが」といって、積極的に水槽は見せてくれますがすぐに蓋します。
というわけで、透明な水槽はあまりよくない。
もちろん目隠しをすれば問題ありませんが、まったく見えなくなると状況を把握することもできなくなりますよね。
なので、半透明ぐらいがちょうどいいわけです。
値段が高い
これは個人的な理由ですが、水槽って結構高いですよね。
安いものでも1000円ぐらいなので、あえて目隠しつけたりなんなりする手間考えるとあえて選ぶ必要もないと。
もちろん目隠しすれば問題ないので、不透明のフィルムなど貼れば水槽でも問題なく使えます。
今回は累代して何ペアも繁殖させたいので、わざわざこのために水槽何個も買うのもちょっと。
あとは不要になったときに捨てにくいというデメリットもありますね。
というわけでコンテナを
昆虫もやっている人ならおなじみなのが、このQ-BOX。
まんま工具入れたりするコンテナなんですが、昆虫のキープ・繁殖はもちろん、ベタの繁殖にもめっちゃいいです。
軽いし長持ちだし頑丈。ある程度子供が大きくなったら、重ねてキープもできるのでスペース的にも保温的にもGOODです。(水を入れる前提ではないのでちょっと不安ですが)
6個ぐらいほしかったんですが、残念ながら近くのショップで見当たらなかったので、仕事帰りに大きなホーマックまで行ってコンテナ買ってきました。
設置後の写真ですみませんが、こんな感じのコンテナ。
300円弱で、奥行き30cm幅20cmぐらい。安いしちょうどいい!
蓋が別売りだったのであえて買いませんでしたが、蓋があることも重要です。追いかけられたメスが跳ね出してしまうことがありますからね。
今回はダイソーでプラスチックのシートを買ってきました。こんなんでも飛び出し防止には十分です。
今回はこのコンテナで繁殖水槽を作っていきます。
こういう生体用ではないコンテナを使うときは
・水漏れしないか
・離型剤が残っていないか
を重々チェックします。
まれに中が蒸れないよう通気用の穴が開いていたり、単純に不良品で極端に薄くなっている場所があることも。どちらも水漏れの原因になります。
離型剤は、コンテナを作るときに型からはがし易くするためのものです。すべてが毒というわけではありませんが、毒になりえるものもあるので、魚を入れる前に十分洗うようにしましょう。
まず意識すべきはメスの保護
ベタの繁殖で、もっとも負担が大きいのはメスです。
というのも、繁殖のためにメスは攻撃されなければいけないという過酷な状況が続きます。
オスがメスのおなかをつついて繁殖を促すというわけ。
このためもしメスが乗り気でない場合、また、メスが産卵した後のことを考えてあげなければいけません。
ファームではこの部分はある程度妥協しています。
子供を生ませるということだけを考えればメスを追い込んだほうが効率はいいですからね。
でも個人の環境で1ヶ月に1ペアぐらいの繁殖させるなら、メスは大切にするべきです。
一度繁殖したメスはその後の繁殖がとてもスムーズに行くので、メスをはいて捨てるように扱うとその後効率が落ちてしまいます。
私は単純にかわいそうなので手厚くします。効率は三の次。
まずメスの保護を優先に考えて必要なものを考えましょう。
オスに追い回されたときに逃げ込めるセーフティゾーンが必要です。
いつもはウィローモスをわしゃわしゃに入れるんですが、なんか管理の悪いお店ばかりでしかも高かったので、スネークヘッド水槽で増えているマツモを失敬して、かるく結んで水草ゾーンを作りました。
あとは水槽のサイズも必要ですね。
狭いとすぐにボコボコにされて、繁殖する気になるまえに死んでしまいます。
今回のコンテナはおおよそ20cm×30cmですが、これぐらいが安全です。
基本的な設備
メスに手厚い環境を作ったら、次は基本的な設備を揃えていきます。
ヒーター
残念ながらサーモスタットが壊れていたのでオートヒーターを入れましたが、理想的なのは温度をすこし高めに維持できるサーモスタット付きヒーターですね。
28度に固定するのが経験上一番いいです。
理由は卵の孵化率がいいのと、メスが傷ついたときに病気になりにくいから。
ヒーターは本来水を動かして使うものなので、ろ過を使えない環境だとうまく温めなかったり、温めすぎて上層と下層で温度が変わってしまうことも。
あまりに温度差があるようなら、ヒーターの近くでなるべく弱くエアレーションしてあげるようにしましょう。
泡巣の基礎
泡巣は繁殖に欠かせないものなので、オスに十分に建設してもらう必要があります。
で、その泡巣はとてもばらけやすいので、なにか基礎があるといいんです。
たとえば「発泡スチロール板」「エアチューブ」「浮き草」などがあります。
これ今回の繁殖挑戦でわかったんですが、発泡スチロールがなにをおいても一番いいんですよね。
白いから泡巣に見えるのか、エアチューブと浮き草も入れても好んで発泡スチロール板に泡巣を作りました。
大きすぎると作らないので、手でOKマークを作ったときのわっかと同じぐらいの大きさで。かえってわかりにくいかな?直径7,8cmです。
スポンジフィルター
まだ取り付けていませんが、繁殖させるならスポンジフィルターを用意しておきましょう。
稚魚が生まれた後に必要で、生後5日目ぐらいから必要になります。
稚魚はかなり大量に餌を食べる上に、栄養豊富で水を汚しやすい餌を与えるのでろ過が必須といっても過言ではありません。
様々なフィルターがありますが、スポンジフィルターがベスト。
稚魚を吸い込む可能性が限りなく低いことと、複数用意するならひとつのエアポンプでいくつも動かせるのでコスパがいいから。
水作さんのエアフィットスリムにベビーガードつけてもいいですね。
水深も重要
あとは水深が重要なポイントになります。
ベタは泡巣に卵をくっつけていきますが、産み落とした後深すぎると卵を見失ってしまうので浅めがおすすめです。
水槽レベルなら深いからといってなにか悪いことがあるわけではないですが、多くのファームでも浅めにしているんですよね。というわけで私も浅めで作っています。
こんな感じで繁殖設備はOK!
こんな感じの設備で十分です。
熱帯魚を本格的に飼育したことがある方からすればさして難しいことはありませんよね。
とてもシンプルな設備です。シンプルイズベスト。
砂利入れようとか、水質調整でいろいろやろうというのは失敗の元です。
とりあえずこれでやってみて、問題が出たら追加していきましょう。
設備が整ったら水つくり!
設備が整ったら、水を作っていきましょう。
バクテリアサイクルを作っておきます。
これベタ飼いだと失念しやすいポイントですが、稚魚育成を考えればするにこしたことはありません。
うちは出来上がった水槽から水を採取して立ち上げを省いています。
この子の水槽。この子がいいのか何なのかとてもいい状態の水が作れています。
立ち上がった水がなければ、先ほど作った繁殖水槽に、ベタのオスだけ入れましょう。
そもそも泡巣を作らせる必要があるので、オスは先に繁殖水槽に入れておく必要があります。
普通にベタを飼育して2週間もすれば水が出来上がるはずですが、心配ならバクテリア剤などを入れて環境を整えるのもいいですね。
稚魚の餌の元にもなるので、PSBなどを入れてあげるのもいいです。
このスタンバイの状態で、水作りとベタの泡巣つくりを平行して行っていきます。
というわけで
今回は繁殖環境をととのえるところまで。
簡単に見えて、意識するべきポイントがいくつかありましたね。
なんでもそうですが、途中式も考えて行うことが重要なんじゃないかなと思います。
とりあえず、環境はシンプルが一番。
もちろん、しっかりした水槽で飼育している場合はそこでの繁殖もOKですが、今回紹介したポイントをフィードバックするといいかなと思います。
次回はペアリング編。
ペアリングもなかなか奥深いですね・・・。今回かなり苦戦しました。
それではまた次回ノシ
ベタの繁殖に挑戦!ベタファーム直伝のショーベタの繁殖方法を解説(経過ブログ随時追加中!)
一度目にすれば、繁殖から育児の姿までもっとも美しいと確信するのがショーベタの繁殖。
ここ数年はなれていましたが、最近のプチベタブームに触発され、久々に繁殖に挑戦してみようと思っています。
このページでは繁殖の大まかな流れとコツを解説し、実際に繁殖したら随時経過ブログを追加していく予定です。
今回紹介する繁殖方法は、複数のベタファームが実践するプロの技術!
ファームのおじさんは何の気なしに教えてくれましたが、結構細かいポイントに気を使っていて、「セオリーどおりにやっているのになぜか上手くいかない!」という人にこそ試してほしい方法です。
ちょっと長くなるので、まったりゆっくり読んでくださいませ。
ベタの繁殖にあたって用意するもの
ベタの飼育はとってもシンプルで、あまり機材を必要としませんよね。
しかし、繁殖となるとそれなりに用意する用品があります。
水槽
ベタはボトルや小さい水槽で飼育することが多いですよね。
しかし繁殖は小さいボトルではうまく行えないので、水槽は別途用意する必要があります。
水量は最低でも5L。
推奨するのは、ある程度浅くていいので幅の広いの水槽です。
逃げるメスが跳ねて外に出てしまわないように、蓋があるものがいいですね。
繁殖だけ重視したい方におすすめなのは昆虫を飼育するようなコンテナです。
いくつかのベタファームでもコンテナを使っていました。
コンテナはたいてい半透明なので、並べておいても隣が見えにくく、サイズも様々なのでスペースを効率的に使えるメリットもありますね。
ガラス水槽でももちろんいいんですが、複数のペアを繁殖させる場合や、隣に違う魚がいる場合にはかならず目隠しをします。
これは人間に対しても同じで、正面にも目隠しするのが望ましいです。
ヒーター
日本でベタのを繁殖させるときに大切なのがヒーターです。
水温が繁殖の引き金になることが多く、卵の孵化も温度に影響されるので、設定温度の調整できるサーモスタット付きヒーターがおすすめです。
もちろん出力(W数)は水槽に合わせて。
ひとつ選ぶポイントとしては、カバーが付いてないものが使いやすいです。
強い水流が起こせないので、カバーがあると熱が滞留してしまったり、ヒーターとカバーの間に稚魚が挟まってしまったりするからです。
水草
これもけっこう重要なアイテムです。
まずメスが逃げ込む隠れ家になるから。
次に、稚魚の初期飼料になる「インフゾリア」の培養床にもなるからです。
おすすめなのはウィローモス。(正確にはコケですが)
水に入れて膨らんだ状態で、ソフトボール大の量あるのが望ましいですね。
インフゾリアのことを考えると無農薬が好ましいです。
ここにかんしてはベタファームではメスに負担をかけても繁殖優先なのでいれないところもありますが、個人の環境ならいれておいたほうがいいでしょう。
発泡スチロール板
産卵床にするために泡巣が重要です。
卵をまとめておく役割があり、稚魚が生まれてからしばらくそこで生活します。
泡巣だけではバラけてしまったり、十分な量作れなかったりします。
水に浮いて魚に無害なものならなんでも大丈夫ですが、発泡スチロール板やエアチューブで自作すると長持ちして丈夫なので安心ですね。
浮き草を使えば泡巣の基礎にもなりますし、多くのベタファームでは浮き草を使っていますが、個人の環境だとブラインシュリンプの塩分でやられてしまうのであまりおすすめしません。
スポンジフィルター
フィルターの設置を推奨されないベタですが、稚魚のときはあった方がいいです。
水質を考えると水換えも頻繁にできないですし、基本的に生餌になるので水の汚れが結構激しいです。
そこで使うのがスポンジフィルター。
強い水流はご法度なので、エアリフト式で、稚魚が吸い込まれたりもぐりこんだりするリスクのないスポンジフィルターがベストです。
ペアリング~孵化までは必要ないですが、稚魚が自由に泳げるようになったタイミングで必要になります。
ブラインシュリンプ
子ベタの餌として必須なのがブラインシュリンプ。
冷凍や乾燥ものがありますが、生きているのでなければ食べません。
卵が袋売りされているので買っておきましょう。
孵化させるために瓶と塩、できればエアレーションもあるといいですね。
yasasiinettaigyosan.hatenablog.com
インフゾリア
ベタの稚魚が最初に食べる餌です。
これも結構重要なんですが、語ると大変なので別ページでご紹介します。
とりあえず、インフゾリアの素とかインフゾリアの卵という商品化されたものがあるので、それを用意しておきましょう。
yasasiinettaigyosan.hatenablog.com
繁殖に適したベタの選び方
オス
オスはある程度成熟していればだいたい繁殖可能です。
とくに泡巣を活発に作る固体がおすすめです。
泡巣作りが活発でない固体はいわゆる草食系か未成熟なので、ペアリングの次点で失敗することが多いです。
あとは餌食いがいいことも重要です。
オスは稚魚からはなすまでしばらく餌を食べずに育児するので、餌食いが悪い個体だと栄養失調で弱ってしまうからです。
産卵前にある程度、高栄養価の餌で体力をつけておいてあげるのも重要ですね。
メス
雑なイラストで失礼。
オスに比べてメス選びはかなり重要です。
まずしっかり成熟していることが必須条件。
メスの成熟は体を見るとわかります。
まずは産卵管がおなかにあるかチェック。
産卵後に見えなくなることも多いので、おそらく卵がおなかにあることで押し出されてくるんでしょう。
つぎに、体側面に婚姻色が出ているかどうか。
これが繁殖期に入っているかどうかの目印になります。
オスとペアリングさせたとたんに出ることもあるので、とりあえずなくてもお見合いはさせてみましょう。
メスもペアリングの前に十分体力を付けてあげます。
刻んだ冷凍赤虫や冷凍ミジンコなど、高たんぱくな餌が望ましいですね。
カラーの選別
これに関しては各ベタファームが何年もかけて作出、固定しているので、正直なところ正しい情報というのがわかりませんし、正しいものなんていうのがあるのかも不明です。
で、私の経験上の結論は
出た色を楽しもう
です(笑
というのも、気軽に買える価格帯のベタは、正直ファーム側でもそこまでカラーの固定とか行っていないんです。
この価格帯の繁殖は、水がめにオスとメス何匹か入れて、勝手に増えて、選別していい色を流通させるという、かなりどんぶり繁殖な感じも。
メスは自分のファームで繁殖させるもの以外は水瓶にまとめていることもおおいです。
なので、血統はほとんどわからないです。
私の経験上、1匹1000円前後で購入したペアは、たとえカラーパターンが同じでも、子供の中の何匹かにはまったく違う色が出てくることがおおいです。
赤系ペアで黒がでたことも。
なので、累代させてカラーを固定させていくような方法までやるつもりがないなら、ある程度違う色が出ることも理解して、出た色を楽しむのが吉です。
詳細はこちらで。
色は予想外にいろいろ!?ベタの繁殖で掛け合わせを考えるポイントを実例とともにご紹介 - 優しい熱帯魚さん|飼育記録から飼い方まで
実際の繁殖の流れ
用品とベストな固体がそろったら、実際に繁殖させて行きます。
こまめに世話を見られないと悲惨なことになりがちなので、1日1回は最低でも様子を見るようにしてくださいね。
写真は成功したペアがいれば順次アップしていきます。
準備:水槽の立ち上げ
水質的にはあまりこだわらなくてもいいですが、立ち上げはしておいたほうが吉です。
空気呼吸できない稚魚には水質悪化の影響が大きく、死なせてしまうこともあるからです。
うちは頻繁に繁殖させるので60cm水槽で種水を作っていましたが、通常の立ち上げと同じで大丈夫です。
水は「深層海洋水」がベスト。というかベストらしい。
ミネラルが豊富で、稚魚の孵化数に差が出ます。
これもベタファームで実践している方法だそうです。
稚魚育成のじゃまになるコケが生えにくいってこともいってたけど本当なのかしら。
水槽には、パイロットフィッシュがてらオスを入れておいても大丈夫です。
水草も入れておきましょう。
泡巣のベースになる発泡やエアチューブも入れておきます。
可能ならインフゾリアも沸かしておきましょう。
効率を考えると別な瓶で沸かせたほうがいいですが、水槽内で十分沸けばそれでもOK。
フィルターはあるなら設置だけしておいて、まだ動かさないように。
先に入れたオスが泡巣を作ったら次の段階へ。
①お見合い
ベタ繁殖の第1関門。
ベタは交尾するので、オスメスの相性が悪いとまず繁殖は成功しません。
方法自体は簡単です。
オスを入れた水槽に、メスを隔離して入れるだけ。
できればメスを入れるボトルやケースには、穴を開けて水が同じになるようにするとベスト。
小さいボトルだと、水がよどんじゃいます。
このときに確認するのは、メスの婚姻色とオスの興奮度です。
メスのOKサインは体に現れる婚姻色です。
オスの興奮は危険なサイン。
オスがビラビラにフレアリングして暴れているようなときは、まだ一緒にしてはいけません。
たいてい卵を産む前にメスがぼろぼろになって最悪死んでしまいます。
メスが婚姻色を出していて、オスが興奮している場合はしばらく一緒に入れて、オスが落ち着くまで待ちます。
数時間で落ち着くこともありますし、まったくだめなことも。
あまりにオスの興奮状態が続くと弱ることもあるので、場合によっては時期を改めてリトライしましょう。
オスが落ち着いて、メスが動いたときだけ体を向けるぐらいになったらだいたいOK。
もしくは、オスがメスの前でウネウネしているとベストです。
水槽に離してみましょう。
問題なのが、メス側が興奮しているとき。
オスに向かってフレアリングしているような状態だと、まず成功しません。
これはいわゆるオス化というやつで、ベタのメスがオスのように泡巣を作ったり、フレアリングしたり尻びれが伸びたりします。
管理の悪いショップで買うと確立が高いです。
この場合オスとオスを同居させるも同じなので死闘が始まります。
ちなみに、ペアリングの段階で餌はもうあげないほうが成功率が上がります。
②ペアリング
お見合いが成功したら実際に同じ水槽に入れてペアリングします。
この段階でも気が抜けず、壁がなくなったとたんにメスが及び腰になることも多いです。
となると追い回されたメスが弱ってしまうので、ここで水草が重要になります。
ウイローモスのように茂った水草の場合、メスはもぐりこみやすいですがヒレの大きなオスはなかなか入れない。
入ったとしても上手く動けないので攻撃はしにくいです。
なので安全地帯になりやすいんですね。
成功するときは(この姿が一番好きなんですが)、オスが独特な動きをします。
なんというか、ウネウネします。
メスの前にいって一生懸命ウネウネして誘い、泡巣のほうへ連れて行きます。
その中で、襲い掛かるのとは違う攻撃して、メスを繁殖に誘います。
この状態になったらもう完璧。
メスが逃げさえしなければ産卵します。
③産卵
ここでも幻想的な姿が見られます。
ウネウネにメスが乗ってくると、オスがメスに抱きついて産卵します。
すると産み落とされた卵が落ちて行くので、オスが拾って泡巣につけていきます。
この回収する過程で底砂が邪魔になるので、ベアタンク推奨です。
底砂をいれる場合は目の細かいものがおすすめ。
これを繰り返して、初産なら大体100くらい生めば上々ですかね。
生み終えて、オスとメスが離れたら産卵は終了です。
この撒きつく行動が、初めてのオスはわからずなかなかもどかしい。
メスはOKで泡巣の下に行くのに、オスがまだアピールすることが多いです。
これはもう本能的に気がつくまで気長に待つしかない。
産卵が終わったらメスを回収します。
育児はしばらくお父さんにがんばってもらいましょう。
④メスのケア
産卵が終わったメスは、たいてい交尾の段階で傷ついてヒレがぼろぼろになったり、うろこが落ちたりしてしまいます。
このままにすると病気になってしまったり、弱って死んだりするので手厚くケアしてあげましょう。
まずは塩を入れた飼育水でケアします。
これは傷口から体液が出てしまわないために、塩浴ま濃くない塩水でやすんでもらいましょう。
感覚的にはこれは二三日で大丈夫かと。
きれいにヒレを戻すためには高たんぱくな餌が好ましいので、水質悪化を避けるためにちょっと贅沢に大きめの水槽に入れてあげるとベストです。
一度繁殖を経験したメスは2度目の繁殖もスムーズなので、大切に大切に飼育しましょう。
⑤孵化を待つ
水温にもよりますが、有精卵はほんの数日で孵化します。
27度でだいたい2日。
その間の管理ですが、人間はなにもすることがありません。
オスが昼夜問わず献身的に面倒を見ます。
落ちた卵を拾ったり、泡巣を補強したりとちょこまか働いています。イクメンですね。
⑥孵化後~4、5日
この次点ではまだ泡巣周辺で生活し、オスが面倒を見ます。
ほっとくと落ちて行ってしまうので、オスがキャッチして泡巣につけますが、気づいたらまた落ちるので一番大変そうです。
でも、親を早くに離してこの作業をやらないと確実に稚魚の数が落ちるので、重要なポイントになると思います。
稚魚が生まれたら、なるべく近寄ったり水槽をいじったりストレスを与えるのは避けるようにしましょう。
可能なら目隠しをしてあげたほうがいいです。ストレスは子食いの原因になります。
側面が見えるガラス水槽なら特に注意です。
魚からしたら人間が見えても巨大な生き物が近くを泳いでるように見えますからね。
インフゾリアを別の容器で用意している場合は、稚魚が生まれた段階で与えましょう。
インフゾリアは基本的に水槽内でも生きられるので、すこし多すぎても問題ありません。
むしろ水槽内からなくならないようこまめに補給しましょう。
もしインフゾリアを沸かすために牛乳やら葉っぱなどが入っている場合は、飼育水を腐らせないようにインフゾリアをライトで集めて与えるなど工夫してください。
インフゾリアを与えなくても成長はしますが、数は確実に落ちます。
で、大体生後5日目ぐらいでやっと人間にやることができます。
それはブラインシュリンプの給餌。
ちっちゃいエビですが、これ孵化させるのに1日かかるんですよね。
昔はやったシーモンキーとかジュラ伝説とほとんど同じ。
おそくても5日目ぐらいに沸かしておきましょう。
1ペアなら、だいたい耳かき1~2杯分で十分です。
もし気温が低すぎるなら、繁殖中の水槽にちょっと間借りして、瓶やコップなどを浮かせて沸かせるといいですね。
ここから人間はブラインシュリンプ係です。
ブラインシュリンプは、2日目にはもう餌としての機能を果たさない(栄養が無くなる)ので毎日沸かします。
理想を言えば半日以内に与えきるようにしましょう。
安定供給のためには半日に一本ずつ時間差を作って沸かし、なるべく新鮮なものをあげるといいですね。
⑦ブラインシュリンプ給餌
稚魚は生まれてから4,5日経つとブラインシュリンプを食べるようになります。
目印は稚魚のおなか。おなかの袋(ヨーサック)が無くなったらブラインを与えるタイミングです。
前日に沸かしておいたブラインシュリンプを与えますが、コツがいくつか。
まず、ブラインを沸かした水を水槽内に持ち込まない。
ブラインを沸かす水は、淡水魚からすると塩分濃度が高く、頻繁に与えることを考えると水槽内の塩分濃度が気になります。
しばらく水換えもできないので、どんどん塩分が溜まってしまいます。
ブラインを掬った後、一度真水にさらしてからもう一度掬って飼育水に放しましょう。
やりすぎると与える前に弱りきってしまうので注意。
あとはブラインの卵の殻もなるべく持ち込まないほうがいいですね。
後々結構邪魔になってしまうので、よく選別して与えるようにしましょう。
あとはインフゾリアとは違い、淡水では死んでしまうので与えすぎ注意です。
ブラインはちっちゃいですが栄養満点でその分水を汚します。
もし食べ残しがあるようならなるべく回収しましょう。
死んだブラインが底に溜まっていたらスポイトですいとってあげます。
こまめに少量ずつあたえるのもポイントです。
1日1回あげるのと、1日3回あげるのでは3ヶ月目あたりになると成長度合いがぜんぜん違います。
発色にも差が出るので、なるべく複数回あげるのがのぞましいですね。
一気に沢山上げるのはご法度。水の汚れの原因になり、稚魚がブラインを食べ過ぎておなかが破裂して死ぬこともあります。
この段階で、フィルターの電源を入れます。
なるべく弱く、かつ稚魚が流されない巧みの調整を。
⑧孵化後10日
孵化してから1週間もすれば、まだ5mmほどの小ささながらだいぶ好き勝手に泳ぐようになります。
こうなったら、もう親と離しても問題ありません。
長くてもだいたい10日たったらもう離してあげましょう。
しばらく一緒にしていても稚魚には問題ないですが、親サイドの負担が大きくなります。
ほぼ何も食べずに育児するので、けっこう弱ってきます。
別な水槽に入れて、十分餌を与えて回復させてあげましょう。
オスも一度繁殖すると二度目スムーズに行くので、大切に飼育して次回に備えさせてあげてください。
⑨人工飼料に移行
稚魚は孵化後だいたい1ヶ月もすれば人工飼料を食べてくれるようになります。
ひかりベタのようなものをすりつぶしてあげてもいいですが、おすすめはおとひめですね。
養魚用の飼料ですが、ベタの稚魚にもぴったりです。
高たんぱくなので成長を助けますが、ちょっと入手しにくい。
なければ早い段階で冷凍赤虫や活イトメなどをに切り替えれば問題はありません。
⑩稚魚の別居
順調に行けば2ヶ月ぐらいすると、おおよそオスメスの判別ができるようになります。
こうなったらそれぞれ個別に飼育しましょう。
このタイミングが重要で、育成度合いや体格に違いが出ます。
オスは瓶などに個別に。メスは混泳させても問題ありません。
オスの瓶は、可能なかぎり大きくしましょう。
あまりに小さい瓶だと体高が出ず、ヒレも伸びにくくなります。
最低でも幅10cmはほしいところ。
この段階ではまだフレアリングしないこともありますが、目隠しもしておいたほうがいいです。
隣にいることに慣れると、フレアリングしない固体が出てきます。
⑪成魚になる
個人の飼育環境であれば、だいたい6ヶ月~8ヶ月で、子供が成魚になります。
このころには繁殖もできるようになります。流通個体もこれぐらいの子が多いですね。
ちなみに本場のベタファームでは、同じぐらいに成長するのは3ヶ月です。やっぱり豊富に栄養価の高い餌を与えられる環境は強いですね。
そこからバイヤーが購入し、日本に送られて店頭に並ぶのが大体5ヶ月以上の固体になるというわけですね。
可能なら優良個体は瓶に記録をつけておくといいですね。
気に入ったカラーをペアにしておいて、繁殖すればカラーを固定化しやすくなります。
というわけで
繁殖の流れは大まかに言ってこんな感じです。
おおまかといいつつ細かく書きすぎて長くなりすぎましたがお許しを。
この繁殖方法には賛否あると思いますが、はじめてやるならこの方法で問題ないはずです。
ショップ勤めのときもお客様と小さなベタコミュニティを作って、いろいろ情報交換しましたがこれで大きな失敗をしたという話は聞いていません。
繁殖効率だけを考えるならもっといろいろありますが、大切に育てた親をなるべくダメージなく繁殖させてあげるなら手厚いぐらいが望ましいでしょう。
というわけで、現在私もベタの繁殖に久々に挑戦しています。
まだいいメスを探している段階ですが、いいお店も見つけたのでいずれ開始できると思います。
経過ブログも更新していく予定です。
経過はこちらから。↓
我が家の繁殖経過ブログ
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